昨日の金曜ロードショーで『ALWAYS三丁目の夕日』を観ました。映画館で観たかったのですが、つい行きそびれてしまったやつです。DVDで観ようとしていたのですが、こちらもレンタル中で観ることができないでいたところでした。CMに中断されて入り込めないのがいやだなぁと思いながらだったのですが、誘惑に負けて観てしまいました。
イメージの中にはやはり西岸良平原作の『三丁目の夕日』ができあがっていましたから、少々不安もありました。原作のある映画の場合しばしば落胆させられてしまうこともあるからです。特にコミックの実写版となるとまともなものにあたったことがありません。『三丁目の夕日』の場合、これといってストーリー的展開があるわけではなく、このあたりを映画的にどう処理していくのだろうか、まさか環境ビデオにするわけにもいかないだろうに・・・といった興味でもあったような気もします。
ところが、こんな斜めからの期待は見事に裏切られてしまいました。昭和33年がリアルタイムの僕にとってこの映画はあまりにも甘美な映像の連続でした。当時はまだ地方都市のはなたれ小僧だったから都会の下町を知っているわけではないのだが、それでも充分あの町並みの気分はわかります。横浜のラーメン博物館に行ってすら何か目に滲んでくるものを感じてしまうくらいですから、もうたまりません。
昭和33年といえば、淳之介とおなじくらいの年頃だったはずですから、「スカ」しか出ない駄菓子屋の籤はいつも引いていたし、力道山とルーテーズの世界選手権もはてしなく興奮しながら観たわけです。今の小学生が電車に乗って学校に通うのが不思議に見えて仕方のない僕は、乗り物に乗って遠くの町に子供たちだけで出かけることなどできませんでした。だから、淳之介が母さんに会いたくて電車に乗った決断は痛いほどわかります。
青森から集団就職で出てきた六ちゃんの津軽弁がお粗末だったり、最後のシーンの常磐線の下りにミゼットで追いかけられるような土手はないそうなのですが、そんな細かいことを抜きにして久しぶりに楽しめる映画でした。
そういえば、クレジットでわかったのですがSLの車内の撮影は大井川鉄道だったようです。車窓からの景色も静岡あたりとは違っていたような気がするから、その辺もCG処理してあったらしく丁寧さを感じさせられましたね。11月のはじめに小無間山から大無間山へ縦走した後に寸又峡温泉からの帰りに乗ったのですが、その時も目頭が熱くなってしまい照れくさかったのを思い出しちゃいました。涙腺がゆるくなったのはやはり寄る年波のせいなのでしょうかねぇ。
ひとつ、印象的なシーンがありました。鈴木モーターに電気冷蔵庫が来て、氷冷蔵庫が捨てられているシーンです。それを見つめる氷屋の親父のアップが数秒ありました。何かを切り捨ててしか前に進めないとしたら進歩とはいったい何なのでしょうか。夕張市の財政破綻がニュースを賑わせていますが、エネルギーとしての石炭の終焉と共にそれを担った町と人が切り捨てられなければ成り立たない政治とは何なのでしょうか。

2007年11月に続編が公開されるそうです。こんどは劇場の大画面で泣いちゃうかもしれませんね。
三丁目の夕日公式サイトは←こちら
イメージの中にはやはり西岸良平原作の『三丁目の夕日』ができあがっていましたから、少々不安もありました。原作のある映画の場合しばしば落胆させられてしまうこともあるからです。特にコミックの実写版となるとまともなものにあたったことがありません。『三丁目の夕日』の場合、これといってストーリー的展開があるわけではなく、このあたりを映画的にどう処理していくのだろうか、まさか環境ビデオにするわけにもいかないだろうに・・・といった興味でもあったような気もします。
ところが、こんな斜めからの期待は見事に裏切られてしまいました。昭和33年がリアルタイムの僕にとってこの映画はあまりにも甘美な映像の連続でした。当時はまだ地方都市のはなたれ小僧だったから都会の下町を知っているわけではないのだが、それでも充分あの町並みの気分はわかります。横浜のラーメン博物館に行ってすら何か目に滲んでくるものを感じてしまうくらいですから、もうたまりません。
昭和33年といえば、淳之介とおなじくらいの年頃だったはずですから、「スカ」しか出ない駄菓子屋の籤はいつも引いていたし、力道山とルーテーズの世界選手権もはてしなく興奮しながら観たわけです。今の小学生が電車に乗って学校に通うのが不思議に見えて仕方のない僕は、乗り物に乗って遠くの町に子供たちだけで出かけることなどできませんでした。だから、淳之介が母さんに会いたくて電車に乗った決断は痛いほどわかります。
青森から集団就職で出てきた六ちゃんの津軽弁がお粗末だったり、最後のシーンの常磐線の下りにミゼットで追いかけられるような土手はないそうなのですが、そんな細かいことを抜きにして久しぶりに楽しめる映画でした。
そういえば、クレジットでわかったのですがSLの車内の撮影は大井川鉄道だったようです。車窓からの景色も静岡あたりとは違っていたような気がするから、その辺もCG処理してあったらしく丁寧さを感じさせられましたね。11月のはじめに小無間山から大無間山へ縦走した後に寸又峡温泉からの帰りに乗ったのですが、その時も目頭が熱くなってしまい照れくさかったのを思い出しちゃいました。涙腺がゆるくなったのはやはり寄る年波のせいなのでしょうかねぇ。
ひとつ、印象的なシーンがありました。鈴木モーターに電気冷蔵庫が来て、氷冷蔵庫が捨てられているシーンです。それを見つめる氷屋の親父のアップが数秒ありました。何かを切り捨ててしか前に進めないとしたら進歩とはいったい何なのでしょうか。夕張市の財政破綻がニュースを賑わせていますが、エネルギーとしての石炭の終焉と共にそれを担った町と人が切り捨てられなければ成り立たない政治とは何なのでしょうか。

2007年11月に続編が公開されるそうです。こんどは劇場の大画面で泣いちゃうかもしれませんね。