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こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

夜ふけて

2015年12月07日 01時42分30秒 | 文芸
寒い。

布団にくるまれれば、少しは防寒となるだろう。

そう素直にいけないのが私。

夜型人間のさが。

まず3時ごろまで眠気は来ない。

定年まで10年以上も、

夕方から翌朝まで深夜勤務を続けたのも、

伊達や酔狂じゃない。

やはり夜型人間の本領発揮といっていい。




20代のころから、

仕事が終わると、夜の街を徘徊した。

まだ24時間営業の店舗が少ない時代。

スナックで飲み、友人とだべり、そこかしこで眠ったっけ。




当時の趣味は演劇。

地方のアマチュア劇団に、入っていた。

仕事を終えてから、夜の稽古に夢中だった。

自分ではない人間の人生を演じることの魅力。

病みつきになった。




実は超内気な人間。

他人としゃべるのがたまらなく苦手だった。

誰かと話そうと思うと、

緊張と焦りに支配された。

顔を赤く染めて、うつむいてこちごもってしまう。

そんな暗~い人間だった。




分からない。

そんな性格の私が、

対極にあるといっていい演劇に飛び込んだ動機が。

いまだに

分からない。

ただ、それで救われたのは確か。




グループの中にいても、

孤独だったのは同じだったが、

演劇は私を抱擁してくれた。

好きになればなるほど、

芝居はまともに向き合ってくれた。

好きこそものの上手なれだった。




芝居と劇団仲間は言った。

人生、芝居なんだと。

お前はそこでしか自分を見出せない人間だなあと。

ズバリ言い当てていた。

その虚構の世界が、

私の人生を導いてくれた。

皮肉と言えばヒニク。




いまの私の原点は芝居だ。

結婚し、子供を育てるという普通の生活を、

与えてくれた。




でも感謝はしない。

素直に礼など言ってしまうと、

ジ・エンドだ。




まだまだ生きたい。

今の私に、

もう芝居はない。

ないはずだが、やはり無縁とはなりえない。




ただ、唯一の楽しみになっている文章や絵の創作は、

芝居つくりを通じて手にしたものだ。




結局、

寿命が尽きるまで、

芝居と二人三脚の人生は続く。




手づくり名刺に書いた。(下記掲載)

『芝居とは人生である』

人生と芝居の立ち位置が、いまの私には逆転している。

それでいい。

きょうも明日も

嘘っこくさい暮らしを歩むだけである。




無性に寂寥感にとらわれた夜。

とりとめもなく、パソコンに向かっている

わたし…いったい、何者なんだろうね。

コメント
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