夜明けのスキャット ／ サイコ

夜明けのスキャット

ある日の朝、菅野君が血だらけ真っ赤（顔を傷だらけ）にして職場に来た。
「どうしたんだい、ヤクザと切った張ったの喧嘩でもしたのがい？」

「車、側溝サ落どして、顔ハンドルさ突っ込んで・・・・」

猛スピードで出てきた車と衝突を避けようとしてハンドルを左に切って
自分の車を側溝に落としたと言う。

「とんでもないところに家、建ててしまったなあ」
菅野君は昨夜23時ごろまで残業。帰宅途中の自損事故。
彼は阿武隈川の土手沿いにマイホームを建てたばかりに・・・



由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」が世界中で大ヒットしているそうですね。
1969年の曲が。

スキャット【Scat】
ジャズなどで、歌詞のかわりに「ダバダバダ・・・」などと意味のない言葉を即興的に
連ねて歌うこと。もしくはその歌唱。

この「夜明けスキャット」で由紀さおりは歌手として世に出て、
♪～死んでもあなたーと　暮らしたいと～♪「手紙」など次々にヒットを飛ばし
やがて「全員集合！」などのテレビバラエティ番組に出演、コミカルな役で売った。

70年代後半、この「夜明けのスキャット」が世間から忘れられたころ、
ここ福島では車のラジオから♪～ルールル　ルー　パーパヤ　パー～♪・・・・
絶え間なく聴こえて来た。「モーテル銀河」のコマーシャル。

皆が車を買える時代になっていた。
（おらは結婚していて無用であったけど）車とモーテルは時代の寵児となって
高度経済成長を引っ張っぱたのであります。

また、このスキャットは甘ったらしく聞こえ（おらには関係なかったけど）
皆をモーテルへ　イザナったのであります（イザナギ景気）

モーテルへ行く人は何か後ろめたさがあったでしょうから、出る時は猛スピードで飛び出すのだそうですな。
菅野君の車はモーテルの前を通って走るものだから猛スピードで出てくる車を
避けなければならず自損事故とは言え、他人さまの愛欲の犠牲になったのだった。

サイコ
日本人は応用編に長けています。
前記のラーメンだって元々中国で発したものを日本風にして日本の文化にしてしまった。
モーテルは鉄道の少ないアメリカで車の旅籠として生まれたのでしょう？

おらがモーテルを初めて見たのは1960年：アルフレッド・ヒチコックの映画「サイコ」
金を横領して逃げまわる女（マリオン・クレイン）が豪雨に遭って一夜を求めたのがモーテルだった。




応用に器用な、いやスケベな日本人は性交渉の場所としてモーテルを作ったのでした。
そして現在は、ラブホテル、ファッションホテル、ブテックホテルなどと名前を変えて
繁盛しているそうですな。

畠迷惑Rogerでした。