心すなおな人たち(最終回)(44)
CŒURS SIMPLES
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Charles-Louis Philippe
短篇集(2)より
——————————【44】—————————————————
L'un et l'autre, nous avions confiance ...
Comme il restait debout, oscillant sur ses jambes,
à droit, à gauche, en avant aussi, Jeanne finit par
lui dire, avec un triste sourire:
—— Allons, monsieur, il faut nous quitter, parce
que si quelqu'un vbous voyait sortir d'ici trop tard,
on croirait bien qu'entre nous aussi il y a des
chose ...
———————————(訳)—————————————————
「あなたも私もお互いの配偶者を信頼していたという
のに ...」
エポラールさんは立ったまま、上半身を左右に、そし
て前後にも揺り動かしていたので、ジャーヌは悲しみ交
じりの笑みを浮かべて言いました.
「さあ、ご主人、私たちはもうおいとまごいをしなけ
ればなりませんわ.だって、もしも誰かがあまり遅い時
間になって、ここからあなたが出て行くところを見たら
私たちの仲が、何かおかしいと思われますわ ...」
———————————《語句》—————————————————
oscillant(e):(形) 揺れ動く、振動する
< osciller [オシレ](自) 左右に揺れる、振動する
———————————≪文法≫—————————————————
on croirait bien qu'entre nous aussi il y a des chose ...
私たちの間にも何かあると思われかねません.
何が言いたいかというと、主節が条件法なのに従節は
時制一致(照応)しなくてもいいのか?という話をし
ます.
答は照応は必要ありません.現在形で大丈夫です.
照応が必要なのは、従節で「接続法」が要求されるとき
だけですから、気楽にお願いします.ただし主節が直説
法の過去になったときだけ、ひつような時制をお考え下
さい.
主節が直説法の単純過去、半過去、複合過去のとき
従節は
主節と同時→直説法半過去
主節より昔→直説法大過去
主節より将来→条件法現在
主節より将来でかつ将来のある時期に完了→条件法過去
上記は目安です.例外はたくさんあります.
J'ai réfléchi que je ne pourrai pas venir.
よく考えてみましたが私は行けません.
(主節が過去、従節が単純未来)
発話現在において未来のことがらですから
過去未来(条件法現在)ではなく単純未来.
「心すなおな人たち」の学習はこれで終了です.おつき
合いいただきまして、ありがとうございました.みなさ
まの語学力向上の一助にでもなれば、これ以上の喜びは
ございません.今後ともどうぞよろしくお願いいたしま
す.
学習者ゴタぴょん
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