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悪性肉腫 治療に「新手法」/東大医科研など実験

2006-09-29 13:23:55 | 医学
  特定のたんぱく質「集中攻撃」が有効
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 若い人の手足などにできる悪性腫瘍の一種、滑膜肉腫の治療に、この肉腫に特徴
的なたんぱく質を狙う手法が有効なことを、東大医科学研究所や群馬大、京大など
のチームが実験で確かめた。患者から移植したマウスの肉腫が、10分の1程度に縮
小。消えた例もあった。目立った副作用はなかったが、さらに安全性を確かめて
臨床試験に進む考えだ。

 滑膜肉腫は胃がんなどに比べるとまれだが、発病する場合は10~20代が多く、手
術が治療の中心。ただ、主に神経や血管、腱のあたりにできるので、一緒にとらな
ければならず、機能や感覚に障害が残ることがある。

 東大医科研ヒトゲノム解析センターの片桐豊雅・助教授らが遺伝子レベルで解析
すると、この肉腫の特徴としてFZD10というたんぱく質ができることがわかった。
正常な組織や臓器では、胎盤に多少みられる以外、ほとんどなかった。これを標的
にすれば、正常組織に影響を及ぼさない、新たな治療法につながると考え、このた
んぱく質だけにくっつく物質(抗体)を作り、他のかん治療に使われている放射性
物質をとりつけた。

 この抗体を群馬大の遠藤啓吾教授らのグループが患者の肉腫を移植したマウス11
匹に注射。16日目にすべてで腫瘍が10分の1程度に。ひと月後に7匹でやや大きく
なる傾向がみえたが、4匹は小さいまま。うち2匹ではふた月後にほぼ消えた。
 このたんぱく質は大腸がんでもやく3割りにみられることも判明。大腸がんの新
治療法につながる可能性もあるという。チームは結果を、横浜市で28日に始まった
日本癌学会で発表する。
                        (2006.09.28 朝日夕刊)


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