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CO2 深海に封印/「海のミジンコ」『その2』

2006-06-14 16:43:49 | 生物学
  温暖化抑制重要な役割/水産総合センターなど研究
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 しかし、02年度から三陸沖などで、深さと季節による変動を追ったところ、海面
1平方㍍あたり年に4.3㌘のCO2由来の炭素が、ネオカラヌスによって深海に
運ばれていた。この量は、植物プランクトンが沈むことで運ばれる炭素の量に匹敵
するという。

 ネオカラヌスの分布などから、北太平洋全体で吸収されるCO2を計算すると年
5.9億㌧だった。日本のCO2排出量は12.8億㌧(04年度)で、その半分近くに
なる。世界の総排出量の中でも数%に相当する。
 斉藤さんは「世界中で動物プランクトンが果たす役割はかなり大きいはず。ただ、
プランクトンの量は約20年周期で数倍変動する。その仕組みが分からないと将来予
測は難しい」と話す。研究が進めば、人類がどれだけCO2を排出できるかを算定
する上で、重要な役割を果たしそうだ。

 海のCO2吸収の予測を専門とする山中康裕・北海道大助教授は「21世紀末には
気温上昇で地上生態系によるCO2吸収が激減するとみられ、海の吸収は重要度を
増す。こうした海の仕組みを詳細に調べる研究は極めて重要だ」と言っている。
(2006.06.13 朝日朝刊/総合『完』)


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