厚労省研究班「エコーも必要」/11万人調査
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マンモグラフィー(乳房X線撮影)を視触診と併用する乳がん検診を受けても、
40代では3割近くが乳がんを見落とされている可能性があることが、厚生労働省研究
班(主任研究者=大内憲明・東北大教授)の研究でわかった。乳腺密度が濃い40代は、
マンモグラフィーに腫瘍が映りにくい可能性が以前から指摘されていた。それが裏付
けられた形で、研究班は、超音波(エコー)を併用する検診の研究が必要だと指摘し
ている。
89~00年に宮城県でマンモグラフィー併用検診を受けた延べ約11万2千人について、
検診後の経過を追跡調査した。宮城は「地域がん登録」の実施県で、がんになった住
民の治療や予後の情報が、県に集積されている。
研究班、検診で「陰性」とされたのに、その後、次ぎの検診を受けるまでに乳がん
が見つかった人を「見落とされた可能性がある人」と判断。検診で乳がんを発見でき
た人と合わせ、「乳がんかある人を、がんと正しく診断できた割合」(感度)を算出
した。
その結果、40代の感度は71%で、3割近くが見落とされていた可能性があったこと
がわかった。50代の感度は86%、60代は87%だった。
日本では乳がんにかかる人は40代が最も多い。だが、40代は乳腺密度が濃く、マン
モグラフィーに腫瘍が映りにくいといわれている。一方、エコー検査は乳腺の濃さに
影響されにくく、20代~40代の乳がん発見に効果が高いと期待されている。
エコー検査は乳がんが疑われる人の診断などに使われており、一部には乳がん検診
にエコーを採り入れている自治体もある。
大内教授は「40代の女性の乳がん死亡率を減らすには、エコーを使った検診が有効
といえる。また、検診の有効性を高めるには全国的なデータが欠かせず、全国的に標
準化されたがん登録制度が必要だ」と話している。
(2007.02.05 朝日朝刊/1面
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マンモグラフィー(乳房X線撮影)を視触診と併用する乳がん検診を受けても、
40代では3割近くが乳がんを見落とされている可能性があることが、厚生労働省研究
班(主任研究者=大内憲明・東北大教授)の研究でわかった。乳腺密度が濃い40代は、
マンモグラフィーに腫瘍が映りにくい可能性が以前から指摘されていた。それが裏付
けられた形で、研究班は、超音波(エコー)を併用する検診の研究が必要だと指摘し
ている。
89~00年に宮城県でマンモグラフィー併用検診を受けた延べ約11万2千人について、
検診後の経過を追跡調査した。宮城は「地域がん登録」の実施県で、がんになった住
民の治療や予後の情報が、県に集積されている。
研究班、検診で「陰性」とされたのに、その後、次ぎの検診を受けるまでに乳がん
が見つかった人を「見落とされた可能性がある人」と判断。検診で乳がんを発見でき
た人と合わせ、「乳がんかある人を、がんと正しく診断できた割合」(感度)を算出
した。
その結果、40代の感度は71%で、3割近くが見落とされていた可能性があったこと
がわかった。50代の感度は86%、60代は87%だった。
日本では乳がんにかかる人は40代が最も多い。だが、40代は乳腺密度が濃く、マン
モグラフィーに腫瘍が映りにくいといわれている。一方、エコー検査は乳腺の濃さに
影響されにくく、20代~40代の乳がん発見に効果が高いと期待されている。
エコー検査は乳がんが疑われる人の診断などに使われており、一部には乳がん検診
にエコーを採り入れている自治体もある。
大内教授は「40代の女性の乳がん死亡率を減らすには、エコーを使った検診が有効
といえる。また、検診の有効性を高めるには全国的なデータが欠かせず、全国的に標
準化されたがん登録制度が必要だ」と話している。
(2007.02.05 朝日朝刊/1面