詩はここにある(櫻井洋司の観劇日記)

日々、観た舞台の感想。ときにはエッセイなども。

マイケル・ジャクソン 映画『THIS IS IT』20回の軌跡 その2 2009年/2010年

2017-11-13 19:30:32 | 日記
前回のつづきです

あと4日 マイケル・ジャクソン THIS IS IT

 今日も仕事を速攻で終わらせて地元のシネコンへ。なんと2番目の大きな劇場で上映。しかも、平日のレイトショーながらお客が7割も入っていて驚く。もっともスクリーンサイズはタテ2.45m×ヨコ4.4mしかなく、音響もただのSRDで、迫力のないラジカセ並みの音でガッカリ。そこで急遽明日は予定を飛ばして、ついでに高速も飛ばして幕張にあるシネコンへでかけることにしてチケットをインターネットで予約した。

 千葉県でも有数の音響装置とかいうHDCSを備えた劇場で上映するらしい。


HDCSは最高級のスピーカーシステムとパワーアンプを組み合わせ、さらに映画館では世界初の使用となる、特殊な楔形の吸音設備を設置することにより、想像を超えた大迫力の音響と、透き通るような繊細な音響を皆様に提供します。

1.超高性能ステージスピーカーを採用 メインスピーカーシステムは大劇場のみで使用されるElectro-Voice社のVariplex-XLやX-Arrayを取り入れ、迫力はもちろんノイズや歪みの少ないサウンドを映画のイメージを損なうことなく、大空間の隅々まで届けます。

2.サヴウーファーの本数を増やし、超高出力アンプを映画館としてはじめて採用
これまでサヴウーファースピーカーは大劇場でも最高4台設置というのが業界の一般的な考え方でした。しかしHDCSでは2種類で計6台の超低域スピーカーが、エキサイティングなシーンをサウンドプロデューサーのイメージ通りに再現してくれます。なお、サヴウーファースピーカーはAmcron社やElectro-Voice社製のアンプを導入し余裕をもったワット数を確保しております。
サヴウーファーは息切れすることがまったく無く、圧倒的な迫力は、耳に聞こえる音響というよりも身体で体感し、床をも揺さぶる音響と言えます。

3.大口径サラウンドスピーカーを採用 最近のサラウンドチャンネルで低域音成分が多く録音される傾向も考慮し、場内を取り囲む12本のサラウンドスピーカーにはステージスピーカーにも対応できる、38センチ大口径を持つ大型2ウェイスピーカー、Electro-Voice社のSX500+や大型3ウェイスピーカーElectro-Voice社のVariplexシリーズを採用しています。

4.無響室で使用される、楔形の吸音材を映画館として世界初採用 サウンドの圧倒的なパワーを受け止める吸音設備には、音響実験用の無響室で使用されている楔形のグラスウールを、映画館としてはじめて劇場内後方部分に設置し、今までは不可能と言われていた低音域の反響を防ぎ、よりクリアなサウンドを観客に提供します。

ということで、明日の夜がとっても楽しみになってきた。今日もチュッパチャップスやら手話やらを愉しむ「独りTHIS IS IT」を堪能して幸福な11回目でした。最終日までに劇場を変えて毎日観るつもり。

あと3日 マイケル・ジャクソン THIS IS IT@シネプレックス幕張

野球を観にいくわけでもないのに、仕事が終わってから高速で湾岸千葉へ。海浜幕張駅前にあるシネプレックス幕張へ12回目の「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を観に行ってきた。さすがに昨日の地元のシネコンのラジカセ並みの音と違い、今までで一番の音響で大満足。画面のシャープさは足りないが、繊細な音をクリアに再現するばかりでなく、リズム系の音も明瞭に聞こえてきて劇場全体が音楽に包まれたように感じた。ただし、重低音だけは隣町のシネコンの方が響いていた気がする。それでも川崎のIMAXシアターや新宿ピカデリーのスクリーン1よりもずっと完成度の高い再生音だった。なにしろ飽きるほど見せられた「アバター」や「パブリック・エネミーズ」「2012」の予告編の音が…。あまりの音響の凄さに椅子からずり落ちそうになった。日本一かもしれないという劇場の音響設備は本当かも。


 さて今日もレディーズデーだったせいかほぼ満員の大盛況。拍手こそ起きなかったけれど、客席から感動が伝わってきて心地よい時間を過ごすことができた。111分の映画がアッという間に終わったように感じたのも、客席の雰囲気のよさのせいかもしれない。ひたすら画面に集中できたのが嬉しかった。

 マイケル・ジャクソンは50歳になって、コンサート活動を再び始めようとしたわけだが、さすがに往年のような体力がないのに、マイケル・ジャクソンの名を汚さぬよう必死になっているのが痛いほど伝わってくる。自分の子供ほどの年齢の若いダンサーと踊るばかりでなく、歌わなければならないのだがから、その重圧と身体の負担は想像を絶するものがあったに違いない。同年代として、なんとなくわかるのである。昔のようにはいかないものなのだ。

 “Billie jean”でお約束のムーンウォークをしないのも体力的に無理だったのかもしれない。ダンサー達が息を切らしているような場面でもマイケルは平気のようだし、当然といえば当然だが、舞台袖で疲れてへたりこむような場面もない。余人をもって代え難い存在であるスターは休むことも許されないのか?森繁久弥が老骨にムチ打って『屋根の上のバイオリン弾き』を演じ続けたり、もう無理なのに森光子に『放浪記』を上演させるのは拷問に等しい。本当にマイケルの負担は大きくなかったのだろうか。何か薬物に頼らざるを得なかったのではないかと思えてならない。

 人生の最後に、一番好きだった音楽とダンスの世界に戻れたのは幸福だったかもしれないが、命と引き替えだったとしたら、あまりに悲しく切なすぎる結末である。運が良ければ、あと2回観ることができるのだが、スクリーンのマイケル・ジャクソンに問い続けてみたい。幸福な人生だったのかと…。

あと2日 マイケル・ジャクソン THIS IS IT 13回目

今日は会議が終わったのが20時30分。地元のシネコンは20時45分上映開始。隣町のシネコンは20時30分上映開始。シネプレックス幕張は21時上映開始。さすがに今日は観られないかと思ったが、長嶋監督の生まれ故郷のシネコンは21時30分の上映開始なのを思い出して、車に飛び乗り高速を飛ばして劇場へ駆けつけた。そして何とか13回目も無事に見終えることができた。

 このシネコンはスクリーンサイズが大きいのが特色で迫力がある。音響もそこそこのレベルで平均点以上。しかも平日のレイトショーだというのに、前方の2列が空席だったほかは満席。明日の最終日にはどうなるんだろう?どこで観るかは決めていないし、観られないかもしなれいのだが、13回目でも飽きないし、毎回毎回新鮮な気持ちで観られる。次に何が起こるか判っていても、どの視点で観るかによって、全く新しい発見がある。今日は主にダンサーを中心にして観た。

 最初のインタビューに答えていた無名のダンサーの踊りっぷりを、それぞれチェック。エアリアルのパフォーマーでさえ名前が映画の中でクレジットされるのに、何故ダンサーの名前はエンドロールまで待たねばならないのか、ずっと疑問だった。「ダンサーはマイケルと一体」そんな台詞があったので、なんとなく納得。でも誰が誰だかよく判らないのは残念に思う。気がつけば今週は毎日観に行っているような気がする。最後の一日は心して観たいと思う。

 世の中には映画を詳細に覚えている人がいるもので、あまりに感心したので転載させていただきます。

"Wanna Be Startin' Somethin'" ライトマンからマイケルが出てきてコマンドを出す。ベースをfunkierに、と指示

"Speechless" アカペラでアウトロから最後のつぶやき(I Love You...)までをマイケルが歌う

ロンドンの記者会見

"Bad" オルテガ監督がオーディションに並ぶダンサー達にあいさつするバックでかかる

"Smooth Criminal" ダンスオーディションのバックでかかる

"Don't Stop 'Til You Get Enough" ダンスオーディションのバックでかかる

"Jam" トースター(飛び上がるセリ)の練習からリハ

再び"Bad" マイケルが円陣で振付を指示、ダンスルーティン

"They Don't Care About Us"(以下4曲連続のメドレー、グリーンスクリーン兵士の後リハ映像)

"HIStory" 左に集まって敬礼するところ

"She Drives Me Wild"

"Why You Wanna Trip On Me"

"Human Nature" アカペラ→キーボードが加わり、やがてフルコーラスに

"Smooth Criminal 名画はめこみ映像撮影→リハ

"The Way You Make Me Feel" コード進行が早すぎると指摘、余韻を指示

"I Want You Back" Jackson 5紹介アナウンスの後。この曲の途中でイヤプラグをはずし、曲のあとイヤプラグについて会話。

"The Love You Save"

"I'll Be There" このあと兄弟や父母にI love youという

"Shake Your Body (Down to the Ground)" ダンサー達の群舞の後マイケルが白ジャケで登場

"I Just Can't Stop Loving You" ジュディスとのデュエット

"Thriller"
"映画Ghost中のコーラス一部分"
http://www.youtube.com/watch?v=6G5hzDwQH8Q&feature=relatedの 7:47からの女性コーラス部。Thrillerのダンスが終わり、人の魂?が沢山天井から 静かに降ってくる場面で使われる

"Threatened" マイケルがダンサーの後ろで跳ね橋に上がり踊るところ

"Who Is It" エアリアル(女性がサーカスチックな動き)の場面

"Beat It"

"Black Or White" ギタリスト・オリアンティと

"Earth Song"

"Billie Jean"

"Man In The Mirror"

"This Is It" クレジットで

"Heal The World" クレジットで(ライブ音ぽいと思いました)

(再度"Human Nature" 2回目ですがクレジットで)

ダンサーについても転載しておきます。

チャッキー・クレイパウ:フィリピン系ダンサーで「ハイスクール・ミュージカル」の振付師。リハではボブっぽい髪型。

ドレス・リード:頬髭のある黒人ダンサー。ジャネット、リッキーマーティン、クリスティーナ・アギレラと仕事経験あり。

デヴィン・ジェイミーソン:合格時に初日はどうなるんだろうって感激で泣いてた坊主頭の人。

ダニエル・セルブレ:元ヒラリー・ダフの相手役(ダンスダブル)。ダンスを2年間止めていたが、マイケル復帰を聞
いてオーディション応募。

ニコラス(ニック)・バス:ジャネット、プリンス、ブリトニー等の振付師。ミーシャの相棒。

ミーシャ・(ガブリエル)ハミルトン:ジャスティン似の人生はつらいだろの人。ジャネット、ビヨンセのダンサー、ジャスティン等の振付師。リハから金髪に。

シャノン・ホルツァフェル:元ブリトニーのダンサー。2日前にオーディションを知ってオーストラリアから飛んできた人。

ティーモア・ステフェンズ:ダンス番組"SYTYCD"出身。オランダの番組でマイケルの香水エピソードを披露した人。

クリス・グラント:ビヨンセの振付師の黒人ダンサー。「マイケル役」としてショー出演の経験有

メキア・コックス:"The Way You Make Me Feel"の女性ダンサー。 CSIや舞台「シカゴ」等に出演

タイン・ステックリーン:ロングヘアのブロンドダンサー。「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」等に出演


もうすぐ14回目 最後のマイケル・ジャクソン THIS IS ITへ!

今日で最後の「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」の上映。最後に観る劇場は何処にするか考えた。常識的になら地元のシネコンなのだけれど、あのラジカセ並みの音響で観る気はしないし…。やっぱりシネプレックス幕張の日本一の音響で観るしかないかとインターネットでチケットを予約しようとすると21時スタートの回は全席売切!今朝チェックした時にはまだ空席があったのに…。

 よく観ると23時20分スタートの回が追加になっている。「エライぞ!シネプレックス幕張」ということで早速予約。さすがに夜の遅いスタートだけあって空席が目立つ。まあ仕方がないかと自宅に戻り、ライブ・イン・ブカレストを観ていて、今チェックしたらアッという間に席が無くなっている。まだ上映開始まで2時間もあるのに…。 さて、最後の「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」はどんな風になるのか大いに楽しみである。

DVDとDVDのBlu-ray版の発売時期は未定のようだが早くも情報がでていた。

最後の一日  マイケル・ジャクソン THIS IS IT

たぶんノリの悪い千葉県人が大半の客席。急遽上映が決定した23時20分からの回にでかけた。上映30分前に幕張に着いたのだが、劇場には人があまりいなくてドリンクなどの売店も閉店していて、本当に急に決まった上映らしかった。最前列に一人だけ座っているというような状態で、その他の列はほぼ満員の大盛況。異例の金曜の深夜スタートなのに、この満員状態って…。千葉県では奇跡に近い現象である。

 最後なので目一杯楽しもうと、ポケットにはチュッパチャップスを忍ばせ、音の出ない手拍子やら、座ったままのジャンプやら、極力お隣の観客に迷惑がかからないように気をつけながら、独りで楽しんできた。今週は毎日見続けたお陰で、最後のマイケルのアメリカ手話も体得。マイケルと一緒にWe love you all.をやってきた。そして最後にマイケルのI love you のサインが出たときもWe love youの手話でお返ししたのも言うまでもない。

 千葉県では絶対に無理と思った拍手も最後に起こって感激。ただし吸音材の張られている劇場だったので音が響かずに盛り上がらなかったのは残念だった。さすがにリピーターが多いのか、エンドロールが始まっても帰る人はいなくて、たとへ静かな反応でも、心からマイケル・ジャクソンを愛している観客なのだと判って嬉しかった。マイケルが我々に投げかけたメッセージを、どうやったら実現できるのか、自分には何ができるのか考えながら高速を飛ばして自宅に戻った。シネプレックス幕張まで高速を使えば夜なら30分で行けるとは…。来年は野球も含めて幕張に通うことになりそうである。

 今日の発見は、マドンナのバックダンサーでありながらオーディションに合格にした日本人ダンサーをやっとオーディション会場の場面でみつけたこと。0.5秒ぐらい画面の左端に一瞬映った。左手に手袋をし、白いシャツを来ていたような気がするが、あまりに短いので違っているかもしれない。DVDが出たら細かくチェックすることにしようと思う。

 この映画、背景や衣裳の違いで、最低でも3つのリハーサル映像を使用しているのが判る。音楽を止めてリハーサルの場面は理解できるのだが、音楽は流れているのに画面は次々に切り替わり、全く別の日であったりする。不自然といえば本当に不自然だし、ライブでも口パクだったという伝説?があるくらいだから問題ないのかもしれない。むしろ不自然さを観客に感じさせないオルテガ監督の編集の妙なのかもしれない。マイケル・ジャクソンの衣裳のセンスも、リハーサルとはいえセンスを疑いたくなるような珍なものもあって、やはり本番とは全く違う創造過程の映像を集めたものなのだなあと改めて思った。

 そうした欠点をマイナス・ポイントにしないで、むしろ共感を呼んだのは、マイケルの「心」、「祈り」といったものが、彼の音楽やダンスを通じて観客に素直に伝わったからに他ならない。同じ舞台を何度も観ることはあっても、同じ映画を何度も観るのことは少ない。天使にとっては映画「おくりびと」以来で珍しいことなのである。しかも14回、劇場も5箇所変えて通ったのだから、我ながらどうかしていると冷静に考えている自分もいれば、何故毎日観に行かなかったのだろうと悔しく思う自分もいる。

 少々熱くなりすぎたような気もするが、もう映画館で観ることはできないのだから仕方がない。普段はほとんどテレビを観ない天使なので、今もアナログのテレビしかもっていないのだが、DVDの発売にあわせて、ハイビジョンテレビやらブルーレイディスクレコーダーの購入を本気で考えていたりする。それはともかく、マイケル・ジャクソンから生き方の影響を受け、何か動きだそうとする衝動が押さえきれない天使がいる。最後だからと感傷的になって涙ぐむよりも、胸の中に熱くたぎるものを感じたのは、我ながら不思議な現象だった。

 ありがとう、マイケル。


早くもDVDの発売が決定した「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」。しかも10,000セット限定のメモリアルDVD BOXは売り切れだそうな…。

いまさらなのだが、マイケル・ジャクソンの追悼式の映像を観ていたら~We Are The World~を歌っているのは、「THIS IS IT」のコーラスのメンバーとギタリストの女性だと気がついた。その歌声を聞いたら、こみあげてくるものが押さえきれなかった…。切ない。

わずか5ヶ月前のことなのに、すでに「THIS IS IT」の映画の公開が終わり、DVDの予約が開始されている。あまりの展開の早さに驚くばかりなのだが、その渦中にいるケニー・オルテガ監督が今月のMVPに決定です。

仕事の大切なパートナーであるばかりでなく、親友だったマイケル・ジャクソンを失ったことの喪失感に耐えながら、マイケルのために、世界中のファンのために映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を完成させた彼の努力、勇気、信念に敬意を表したい。この映画が幸福だったのは、実際のステージを構成演出したケニー・オルテガ自身によって作られたことにほかならない。マイケル自身も、それを一番望んでいたことだと思う。

映画は冒頭に6月25日の出来事について触れているが、基本的には実現しなかったステージの構成をたどる形式になっている。マイケルの葬儀も、その原因についても、過去の事件についても一切触れられていない。余計なナレーションもなければ、「THIS IS IT」の歌詞と「スリラー」の台詞以外には、歌詞の日本語字幕も出てこない。これは監督の指示なのか、単に時間がなかったのかはわからないが、素晴らしいことである。

美術館に絵画を見に行くと、多くの人は企画展ならば、会場入口に掲げられた説明パネルに見入っている。絵を見る前に解説を読むのは可笑しいと思うのだが、ジッと動かない人で大渋滞になっていて肝心の絵の前が空いていたりする。絵の前に来ても、題名をまず見る人が多い、本当ならば肩書きも説明も何もない絵と対峙するべきで、イヤホンから流れる絵の解説に耳を傾けるなど天使の理解を超えている。それで一体何がわかるのか?

書の展示ならば、人は何が書いてあるか知りたがる。歌舞伎ではイヤホンガイドが懇切丁寧に説明してくれて判ったような気になる。文楽はイヤホンガイドの他に、字幕表示まであって、肝心の舞台に集中できるのかどうか疑問である。オペラも字幕を見ながら舞台を観ることになるので、演出の細部を見落とすことも多い。バレエだけは、余計な説明がなくても音楽とダンスだけで理解できるのがありがたい。

もっとも12月に上演されるシルヴィ・ギエムの「聖なる怪物たち」では、シルヴィとアクラム・カーンの台詞を事前に翻訳して、ホームページにアップしている。二人の対話が大きな役割を果たしているものの、字幕に集中するあまり、舞台での二人の表情や動きを見逃して欲しくないとシルヴィは願っているからだという。まさしく舞台人ならではの発想で、ケニー・オルテガも観客にマイケルの表情や動きを見逃して欲しくないではないかと思った。確かに観れば観るほど、マイケルとその周囲の人々への興味が広がっていき、天使がどんどん観る回数を重ねる原因ともなったように思う。

歌舞伎舞踊では、長唄にしろ、清元にしろ、常磐津にしろ、同じ日本語でありながら、ほとんど意味が聴き取れない。それでも、なんとなく理解できてしまうのは、音楽の調子であったり、役者の身体から発せられる雰囲気であったりする。巧みな英語使いではなくとも、14回も観てくると、さすがに切れ切れな単語の意味とマイケルの表情で、リアルタイムに意味が理解できるようになってきて面白さは倍増した。たぶん受け身の観客であったなら、そこまではたどり着けなかっただろうが、何としても知りたい、自分から調べようとする能動的な態度であったことも幸だっようだ。

ミュージカルの演出もする重鎮?だけあって、ダンサーへの愛情にも深いものが感じられた。映画の冒頭は、オーディション直後のインタビューから始まるからである。無名なダンサーではないはずなのに、名前がクレジットされるわけではない。マイケルと一心同体だから?あるいは、マイケルのパフォーマンスを身近で体験した無名の観客の代表でもあるから?ダンサーと一緒にマイケルと一緒に舞台に立つ、あるいは観客席で見守るダンサーと一体になっているように感じた瞬間が何度もあった。彼らは観客が自分と重ね合わせられる存在でもあったような気がする。絶対彼らのようには踊れないはずなのに、踊ったような気になっている自分を発見したりもした。

ダンサー達の稽古や基礎訓練の場面も面白くみた。ちょっと書くのが恥ずかしくなるような振付…。「バリシニコフは…」とトレーナー?が一生懸命に説明する場面には苦笑するしかないが、その後に続くダンサー達の見せ場とそこに登場したマイケルとそれを囲むダンサー達の笑顔が素晴らしかった。そういえば、ABTの芸術監督として来日したバリシニコフと握手したことがあったけ。あのゴツゴツした手の感触は忘れない。そして歌舞伎座にNBSの関係者と見物しにきていたこともあった。歌舞伎ファンで彼に気がついた人は、ほとんどいなかったけれど…。

そして何よりも、マイケルに対する愛情と、彼が表現し、訴えたかったことを、いかに映画の観客に伝えようと苦闘したはずのケニー・オルテガの姿勢が映画の成功の要因となった。ドキュメンタリー映画ならば、最初からある視点で描こうと演出が入るものなのだろうが、残されものはメイキング映像としての映画仕様の映像記録と手持ちのビデオカメラで押さえられた映像しかない。その困難に立ち向かう勇気、使命感、そしてマイケルへの深い愛に感動するのである。

その努力は大いに報いられたのではないだろうか。最終日が近づくにつれ、全国の映画館で満員状態が続いた。今まで公開最終日に深夜どころか早朝まで上映がくり返され、満員の観客を集めた映画があっただろうか。ある劇場では、画面に合わせてライブのような反応する観客であふれたり、映画が終わると同時に拍手が起こったり、異例の状況であったようである。彼にも、この熱狂が伝わったのだろうか?

素晴らしい1ヶ月を与えてくれて、ケニー・オルテガ監督、ありがとう。


再上映決定!マイケル・ジャクソン THIS IS IT 

緊急リリース
映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」12月19日(土)よりアンコール上映、決定

 株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(所在地:東京都港区虎ノ門)配給、映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」は、10月28日(水)から日本公開を開始し、11月27日(金)、大盛況のうちにイベント限定上映としての一興行が終了いたしました。

 その後、多数のお客様からアンコール上映へのご要望が弊社に相次ぎ、また公開直前に25万枚以上のセールスを記録しました前売券の着券率がまだ低いことも鑑み、興行者の皆様のご理解、ご協力を賜り、12月19日(土)より、一部劇場にてアンコール上映の実施を決定するに至りました。

 劇場名や上映時間などにつきましては、詳細が決まり次第発表させていただきます。宜しくご理解の程、お願い申し上げます。

以上

プレスリリースを読んだ感想は、「う~ん、やっぱり・・・・・・。」
あれだけお客が入っていて打ち切りはないだろうと思っていたが案の定、再上映が決定したらしい。お正月映画が出揃ったこの時期に、よくぞ決断してくれたと思うものの、最終日に盛り上がり、昂揚した気分はどうしてくれる!という面もなくはない。大画面で最高水準の音響で、もう一度楽しんでみたいとも思うが、もう主な上映劇場が正月映画でブロックされている現状では、どうなるのだろうか。5劇場で14回観た経験からすると、やはり音響だけでも優れた施設を持った劇場で観てみたい。誰か「爆音映画」として上映してくれないかしらん。

高校生だった頃、ロック・オペラ映画『Tommy トミー』が上映された。監督・脚本はケン・ラッセル。音楽監督はピート・タウンゼンド、 出演はロジャー・ダルトリー、アン・マーグレット、オリヴァー・リード、エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ティナ・ターナー、ジャック・ニコルソンなど。

上映するについては、特別の音響再生装置が日比谷スカラ座に設置されて公開された。たぶん多チャンネルで音量・音圧を上げた程度だと思うのだが、ロックの大音響が階下の宝塚劇場に響き渡り、観客から苦情が殺到。急遽音量を下げて上映されたというのを映画雑誌で見た。

なにしろ田舎の高校生だったので、実際に日比谷では観ていないのだが、何故かサントラのLPだけは持っていた。公開からだいぶ経ってから、静岡有楽座で上映するというので、バスに乗り、電車を乗り継いで観に行った。そのときは、『レット・イット・ビー』『ザッツ・エンターテインメント!』のなんと三本立だった。番組を編成した担当者は、どういうチョイスだったのか・・・。

自分の街の小さな映画館と違って、静岡の七間町は映画街で映画館が何軒もあり、それだけでも田舎者は圧倒されていたのに、ステージの左右と後方にスピーカーがあって音が流れてくるのに感激したものだった。今から考えるとラジカセ並みの音質だったはずだが、ステレオで音楽が流れてきたことに心底驚いたのだった。それから30年以上。映画の音響は日進月歩。迫力ある重低音とクリアで繊細な音響が共存しながら劇場空間を埋め尽くす音響が実現しているのは、さすが21世紀?ではある。 

それなのに地元のシネコンは、20世紀の遺物のようなラジカセ並みの音響である。一応、サラウンドスピーカーがあるのに、全然鳴らないし、他の劇場では体感できた細かなニュアンスが全く感じ取れなかったのである。オペラ歌手と同じ名前の村を通り抜けていくシネコンは重低音が響き渡り、繊細さもあってド田舎なのに意外に充実していた。長嶋監督の実家の前を通っていくシネコンは、バランスもよく高水準だったし、シネプレックス幕張は噂通りの日本一の音響だった。都内の新宿ピカデリーも川崎のIMAXシアターも悪くはなかったけれど、千葉県の劇場群には負けていたように思う。

 DVDの発売も決定し予約も開始され、熱も冷めた時期に再上映が成功するかどうかはわからないが、まだ未見の人たちには是非とも、ご覧いただきたい映画である。歌舞伎座の宮藤官九郎の新作『大江戸りびんぐでっど』で、せっかく大工姿の勘太郎がマイケル・ジャクソンのダンスを巧みに踊っても、くすりともしない観客が大多数だったことが残念に思えた。もっともっと幅広い年代の人たちに知って欲しいのが願いである。


マイケルの歌う「Man in the Mirror」を聴いてもらいたいと思う。最後にマイケルが伝えようとしたことを知って欲しい。マイケルに対するの世間の偏見も変わって欲しいとも思う。もっとも天使も映画をみるまでは、「鏡の中の男」じゃなくて、外見だけなら一番変わったのはマイケル自身じゃん。と突っ込みを入れていたのだから偉そうなことは言えないのだが。上映劇場が早く発表されることを望みたい、大晦日には六本木あたりで盛り上がるのだろうと思うが・・・絶対に行けない。悲しい。

マイケル・ジャクソン THIS IS IT 再上映館決定! 

 マイケル・ジャクソンの再上映館が決定したみたいです。
詳しくはこちら
上映時間や上映期間が決まっていないみたいですが、大晦日には日本国中で熱狂がくり返されることでしょう。楽しみです。

 地元のラジカセ並み音響のシネコンでは上映がなく、日本最高音響?のシネプレックス幕張でも上映がない。ガッカリ…。ただし密かに愛するシネリーブル千葉ニュータウンでは上映があるらしいのでホッとした。これで毎日でも通える。

注目は「109シネマズ川崎」と「109シネマズ菖蒲」で期間限定(12/19~12/22)ながらIMAXシアターでのデジタル上映が実現することである。さらに、「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」のために音響を特別に調整したらしい立川シネマシティ&シネマツーでも上映があるらしい。たぶん21日と22日は、都内近郊の聖地を巡礼することになりそうである。

 11月27日が最後だと思って盛り上がったが、再び上映してくれるのは本当に嬉しい。マイケルのショービジネスに対する志の高さは賞賛にしてもしたりないほどである。だから今月歌舞伎座で上演中の宮藤官九郎の『大江戸りびんぐでっど』の安易すぎる「スリラー」のパクリ場面は絶対に許せない。マイケル・ジャクソンのファンは、あまり歌舞伎は観ないかもしれないが、歌舞伎ファンとマイケルファンへの冒涜以外の何もでもない。

渡辺保という高齢の演劇評論家は、自分のHPの劇評で唯一面白かったのは「大江戸りびんぐでっど音頭」の総踊り。

と書いているが知らないということは恐ろしい。ゾンビが踊る安直な盆踊りみたいなものだが、振付やダンサーのフォーメーションはマイケル・ジャクソンを意識しているのはミエミエ。しかもご丁寧にムーヴィングライト4台でショボク盛り上げようとするから白ける。音響も最低で最悪。勘太郎はマイケルの物まねを達者に披露するが、観客のほとんどはソレが理解できなくて不発だったのが残念だった。

 2009年12月10日の朝日新聞の「声」欄に抗議の投書が載ったくらいである。その安直さは、マイケル・ジャクソンを知らない人にも理解できたようです。せっかくなので転載します。

 (前略)墓場からよみがえる「ゾンビ」の群れが踊るなど、異国のミュージカルのまねみたいだ。
 歌舞伎が伝統芸能の枠にとらわれず、新しい試みをすることに、私は反対しない。しかし、ものには限度がある。
 特に許せないのは、ゾンビたちを「ハケン」と呼び、面白おかしく派遣労働に就かせたことだ。心ならずも不安定な職にある人々が、どんな思いで見るか、作者も劇場も、思い至らないであろうか。
 私は見ているのが苦痛になり、芝居半ばで退席した。幕が下りないうちに席を立つなど、私の観劇歴にはなかったのだが-。

 この投稿者の68歳の男性には、是非「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を観て欲しいと思いました。歌舞伎座の舞台で、いい加減な音楽と振付で踊られた「スリラー」もどきと違い、一流のダンサー達が魂をこめて踊った映像をご覧頂きたいと心から願います。


再上映 「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を予約する
  

「映画なんて、どこで観ても同じ」なんていうことは全然ないことを、思い知らされた「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」。地元のシネコンのラジカセ並みの音響は別にしても、映像がクリアでも音響のバランスが悪かったり、音響が良くても映像が・・・。

 そこで待望の再上映を機会に、関東近郊で音響や映像に定評のある劇場を巡ってみることにした。まず、「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」のために、さらに音響を調整したと豪語する立川シネマ・ツーに出掛けることに。チケットは12月10日(木)から、ウェブリザーブで発売中である。国内最高という評価を得たらしいので、大いに期待している。
 
 次に圧倒的にクリアで迫力のある「109シネマズ川崎のIMAXシアター」で観ることにした。本当は、埼玉にあるもうひとつのIMAシアターである「109シネマズ菖蒲」に行きたかったのだが、今回は同じ日に巡礼するというのが目的なので、立川とJR南武線で結ばれている川崎で観ることにした。そこで、もう発売されているチケットを予約した。

 当日は10時から立川シネマ・ツーで、すぐに川崎に移動して13時15分から川崎IMAXシアターで観る予定である。しかも、最後には女性オペラ歌手と同じ名前の村を通っていく隣町のシネコンで締めくくる予定なのである。チュッパチャップスをバッグに忍ばせ大移動の一日になると思う。楽しみだ。

再上映ツアー マイケル・ジャクソン THIS IS IT @立川シネマ・ツー&IMAXシアター川崎 

 今日は前から計画していた「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」の最良の上映環境を巡るツアーを敢行した。地元の駅を7時30分に出発。船橋で総武線に乗り換えたのだけれど、通勤ラッシュにぶつかってしまい久しぶり満員電車を経験。三鷹までは中央線で行ったことがあるが、その先は初体験。電車の窓から雪をまとった富士山が大きく見えて驚く。東京もかなり西に来たのだと実感。そして降り立った立川駅周辺の立派だったこと。千葉市より都会だったかも。

 駅から映画館まではデッキを使ってデパートの脇を通るとすぐだった。立川シネマ・ツーのSTUDIO aでの上映。シネマ・ツーオリジナルサウンド「KICリアルサウンドシステム」というのがウリなのだそうで、コンクリートの床といい、ガラス張りの吹き抜け空間といい、近未来的なスタイリッシュなシネコンだった。座席にはひとつひとつ照明がついていて、まるでキャンドルのように美しかった。公開当時も話題になっただけに、是非とも最高の音響を体験してみたかったので2時間かけて遠征したわけである。

 スクリーンは上下左右の幕を取り外し、空中に浮かんでいるような感じ。スピーカーもスクリーンの裏側にあるのではなく、前面にでている珍しい形状。映画が始まる前に案内係のお嬢さんが出てきて携帯電話の電源を切ることなど注意事項をスピーチ。なんだか珍しいものをみたような感じだった。

 さて肝心の音なのだが、さすがに日本一の音響を目指すばかりでなく、「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」のために音響を再調整したというだけあって、迫力もあり、繊細な表現の再現、音の分離も申し分なしだった。シネプレックス幕張と良い勝負なのだが、現在上映中の劇場の中では間違いなく一番である。今まで聴いていた音はなんだったのだろうと思うくらい、次元の違う音が出ていた。その細部までのこだわりのおかげで、最後のMan in the Mirrorには、今までで一番感動したような気がする。「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」のファンは絶対に一度は立川へ行くべし。行かないと一生後悔するかも。

PCで予約すると、初回は窓口で100円支払いポイントカードを強制的に作らされる。クレジットカードで事前支払いができないので、窓口が混んでいる時間帯は、ぎりぎりだと間に合わない可能性もあるので注意。コンクリートの床は冷えるので寒さ対策も必要。トイレはスクリーン下手脇のドアにしかないので、全観客の注目を浴びる可能性があるので、これも注意。

 12時前に上映が終了して、南武線に初めて乗って川崎へ向かう。13時前に川崎へ到着。109シネマズ川崎のIMAXデシタルシアターへ直行する。IMAXシアターとはいうものの、普通のシネコンのスクリーンのある壁面を無理矢理に全部スクリーンにしてしまったという、ちょっと小振りなIMAXシアターである。それでも貴重なデジタル上映だけあって、画像が驚くほど鮮明なのは前回経験した通りである。今回も平日の昼なのに、ほぼ満員の盛況だった。驚異的なのは画像の美しさで最初のコロンビア映画のオープニングの映像の雲や虹が、あんなに鮮明に見えたことはない。22日まで4日間の限定公開だったので、なんとか間に合ってよかった。

 画面の隅々までクリアなので、マイケルの背後にいる人たちの表情もはっきり見えて、これまた間違いなく画像に関しては日本一の高水準である。何しろMJ航空のところで、お腹と一緒にチラッとみえてしまうオルテガ監督の下着のゴムの部分に書かれているロゴ?の文字が読み取れてしまうのだから、恐るべしIMAXデジタルシアターである。残念ながら立川シネマ・ツーの音響を体験した後では、音響は全てが物足りなく、音の分離も不明瞭で満足できなかった。なかなか上手くいかないものである。

 ほぼ1ヶ月ぶりに観る映画は、これまた新しい発見があって面白く飽きさせなかった。また都会らしく、川崎では終映後に遠慮がちな拍手があったのも微笑ましかった。

 自宅に帰ってからは、先日WOWOWで放送されたミュンヘンのライブ映像を楽しむことに。本当は隣町のシネコンに出掛けようと思ったのだが、さすがに同じ映画を1日に3度も観る気にならなかった。マイケル漬けの心地よい疲れに包まれた一日だった。

17回目  マイケル・ジャクソン THIS IS IT

昨年、立川と川崎をハシゴして以来の「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を隣街のシネコンシネリーブル千葉ニュータウンへ観にいく。雨の日の火曜日のレイトショーということもあって、シネコンで3番目の収容人数の劇場ながら入場者は10名程度の寂しい入りだった。スクリーンは大きいし、立川並みの音響で、なかなか楽しめるのだが、陸の孤島のような場所なので車がないと行けないので雨の日は厳しいようだった。

 年末から年始にかけて『ライブ・イン・ブカレスト』のDVD、『マイケル・ジャクソン HIStoryツアー・イン・ミュンヘン 1997 』、『ワールド・プレミアム・ライブSP マイケル・ジャクソン~デビュー30周年コンサート~』を観た。マイケル・ジャクソンのパフォーマンスはいずれも素晴らしいものだったが、デビュー30周年コンサートに出演したBilly Gilman の歌う "Ben"を一番興味深く観た。

少年時代のマイケル・ジャクソンを彷彿とさせる歌唱力で驚いた。ネズミと少年の友情物語の映画『ベン』のテーマ曲をマイケル・ジャクソンは歌っていたのだった。『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』にもネズミがでてくるわけだったのだ。

 それにしても少年歌手の生命は短いもので、このBilly Gilman も何処へ行ったやら?クリスマス・ソングのアルバムを出して消えてしまったようである。クラシック界にもアレッド・ジョーンズなんてアイドルもいましたっけ。それに比べれば、キング・オブ・ポップとして大成功したマイケル・ジャクソンは希有な存在なのだと思った。

 さて、毎回何かしら楽しみというか、注目すべきポイントを持って観るのだが、今日はバックダンサーで誰が一番なのかと考えながら観た。やはり目を引くのは、マイケル・ジャクソンの画面に向かって左側で踊っている黒人ダンサーである。中央で踊るだけあって、ダンス力はずばぬけて素晴らしい。同じ振付でもひと味もふた味も違うのである。

 最後のMan in the Mirrorが素晴らしいのは相変わらずだが、前半の楽曲、特に死の直前と思われる映像は、いずれも素晴らしい。残念なのは、観客の前で歌うことができなかったことである。マイケル自身の無念さを思うと泣けてくる。ライブ映像を立て続けに観ただけに余計にそう思うのかもしれない。愛する観客の前で、歌い踊らせてあげたかった。あと、もう少しのところまで来ていたのに、返す返すも残念でならない。

ライヴスタイル上映決定! マイケル・ジャクソン THIS IS IT@立川シネマ

DVDの発売まで、あと10日。劇場での上映が終わってしまう「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」で新たなイベントの情報が…。日本一の音響を誇る立川シネマ・ツーで、ライヴスタイルの上映会を催すことになったようだ。スタンディング、歓声、口笛OK!なのだとか。ようするに上映の邪魔にならなけらば何をしてもいいということ?

「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を観ながら密かにしていること。まず一緒に歌う。もちろん声に出せないので心の中で。特にジャクソン5のメドレーと最後のMan in the Mirror、I can't stop loving youのジュディス・ヒルのパートなどなど。

 Billie Jeanの最後の決めポーズ、Billie Jeanその他での掛け声?、I'll Be Thereで手をふるとか、「ワン・ツー・スリー、マイコー」に参加するとか。Man in the Mirrorの最後でWe love you allのアメリカ手話を一緒にやったりとか。周囲の観客に気がつかれないように地味にやっていたのだけれど、このライヴスタイル上映会なら、遠慮なく全部できる!

注意書きに曰く

まるでライヴハウスのように、立って騒いでをOKにする上映です。
 
スクリーンが見づらい場合もあります。ご了承ください。

通常ではありえない大音量で上映いたします。体調などにはご注意ください。

一度だけ体験した立川での音響は素晴らしいものだっただけに、それをはるかに超え体調に注意しなければなれない大音量って…。たぶん空前絶後の上映になるに違いない。通常料金1,200円でサイリュームをプレゼントというのも良心的だ。チケットは19日(火)よりウェブ予約/窓口販売開始なのだとか。

しかし

1月22日(金) 22:10~(終了目安24:10頃) *都条例により18歳未満不可
あの~、平日の22時までに立川へ行くなんて無理なんですけれど…。仕事あるし。23日(土)だったら絶対行くのに~。最後のチャンスなのに、なんとかならないのかなあ!

 あんまり悔しいので、もうひとつの聖地であるTOHOシネマズ六本木ヒルズを予約した。劇場は違うけれどジャパン・プレミアの行われた場所?でもあるし…。これで最後になるかも。

18回目 TOHOシネマズ六本木ヒルズ

 劇場こそ違ってもJAPANプレミアの行われた会場でもあるし、THXの音響というのも興味があったので、TOHOシネマズ六本木ヒルズへでかけた。本当は歌舞伎座の夜の部に、雀右衛門が出演するという情報を掴んでいたので、歌舞伎座の窓口でチケットを買おうかどうか迷ったのだけれど、どちらも今日が最後かもと思ったら歌舞伎よりもマイケル・ジャクソンを天使は選んでしまった。

 音響は思ったより迫力がなく、熱い客席を期待したのに、けっこう冷めた雰囲気だったのでがっかり。大都会のど真ん中にある映画館、平日の夕方の映画館では、こんなものなのかもしれない。これど見納めになるのは自分のなかで納得できない。どうするか…。

マイケル・ジャクソン THIS IS IT @立川シネマツー ライヴスタイル上映参戦

日本最高の音響で「マイケル・ジャクソン THIS IS IT]を上映している立川シネマ・ツー。そのシネマ・ツーで開催されたライヴスタイル上映にでかけた。スタンディング、歓声、口笛OKという何でもあり?の「ライブハウス級の大音量かまします」という挑戦的なコピーが躍る刺激的なイベントである。当初は22日(金)のみの開催だったが、大反響により急遽追加上映が決定し、天使も観ることができるようになった。1月23日(土)22時開映、24時終了ということで、立川に泊まることになったが、今まで劇場では我慢していた行為がすべてできて大満足だった。まあ、明日は浅草で歌舞伎を観るのだし、東京に泊まるのも悪くなっかなと思ったわけである。

 電車を乗り継いで2時間半。『日経エンタテインメント!増刊 マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を車中で読みながらだったので、アッという間に到着した。この映画はパンフレットの類が発売されなかったので、それを補ってあまりある内容だった。DVD発売を控えてファンは必読かも。

 さて上映は22時スタートの回にもかかわらず、ほぼ満席。オールスタンディングかと思ったら、脇のブロックの席の観客は座っている人もいて、少々盛り上がりに欠けたかも。おとなしく観たいなら別の回にすればいいわけで、ちょっと理解しがたい観客ではある。盛り上がったもの勝ちでしょう。ということで最初から最後まで立ちっぱなし、拍手、歓声、掛け声、ダンス、アメリカ手話など、すべてをやりつくして悔いはないという感じである。

 もっとも「今夜はビートイット」のクレーンのリハーサルの部分で、マイケルが「ハ~イ」と声をかける部分で、映画館の若い観客が「ハ~イ」と返したのは、予期しなかった反応で、「やられた!」と思った。

 さて肝心の音響の方だが、爆音上映を覚悟していたのだが、またしても音響デザイナーによって、さらに再調整されただけあって、鼓膜が破れるような大音響ではなく、日本最高の音響での普通の上映状態と変わらなかったような印象があった。劇場側もモノリノリで、ロビーにはチュッパチャップスと3D用メガネ?を組み合わせた「スリラー マイケル・ジャクソンなりきりセット」なるものが売っていた。思わず買いそうになってしまったが、冗談がキツイので思いとどまった。

 さて通常の上映では気がつかなかったが、ライヴスタイル上映はコンサートのりであるだけに、音楽のテンポを体感できるのが、なんとも心地よかった。さらに、楽曲の中に何度も現れる無音状態というのが、実はコンサートの観客の生理を非常に意識しているものだということ判ったのが大発見だった。そして多くの観客と音楽をわかちあうという時間の尊さをあらためて認識させられた格好である。

 音楽をじっくり楽しむなら通常のスタイルだが、音楽を体感するならスタンディングスタイルに勝るものはないと思った。前半の「ヒューマン・ネイチャー」の完成度の高さ、「マン・イン・ザ・ミラー」の深さが相変わらずで感動させられたのだが、もっとも感動したのは映画が終わった後である。

 鳴りやまない拍手に応えて、劇場内に流れたのは、例のチャップリンのカバー曲「Smile」だった。もちろん映像などなく、歌声と画面には英語の歌詞と日本語訳の字幕がでただけなのだが、とにかく泣けて泣けて。この映画館の担当者のセンスは、ただただ素晴らしいと思った。本当にありがとうございました。こうして19回目の『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』は「Smile」とともに終わりました。

 本当に最後「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」20回目

まずは感想は後日にして、浅草歌舞伎の雑感を。勘太郎が大活躍で何を演じていても楽しめた。どの役も素晴らしく、父親を超えたかもと思わせる部分もあって、将来が大いに楽しみになってきた。その次に活躍は、亀治郎なのだが、期待された「悪太郎」が、それほどでもなくがっかり。七之助の滝夜叉姫は何を考えて踊っているのか不明で、歌舞伎らしい古怪さ、妖艶さが皆無で、何コレ?という状態だった。小型・仁左衛門の愛之助は、「御浜御殿」の後半で失速。

 さて18時20分に歌舞伎が終わったので、地元に帰ってスポーツクラブへ泳ぎに行く。水着に着替えながら、今なら映画館にでかければ「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」の上映に間に合うと気がついて、シャワーだけ浴びて車に飛び乗った。

 昨晩の立川で、やりたいことは全部やりつくしたので、最後は、じっくりと映画だけに集中することにした。思えば10月28日の初日から、本当のファイナルカーテンコールとなった1月24日まで、これだけ駆り立てる力が、この映画にはあったのだと思うと、最後は泣けて泣けて。ド田舎のシネコンで、今まで拍手など起きたことがなかったのに、リピーターしかいなかったからか、全員が拍手していたような…。1月27日のDVDの発売が待たれる。

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