JR三ノ宮駅に到着する頃、前に座っていた男性が立ち上がった。
(ようやく座れた……)
睡眠不足でとても眠たかったチェバは、すぐに座席を確保して眠りにつこうとした。
が、その時、横にお年寄りの方がやって来た。
◆◆◆◆◆◆◆◆
(眠たいけど、仕方ないな)
そう思って、チェバは今座ったばかりの席をどいた。
チェバ「どうぞ」
おばあさん「えっ、あなた、ここ(三ノ宮)で降りるの?」
少し返答に困ったが、チェバはこう答えた。
「はい」
本当は、目的地は大学がある京都駅。
でもまぁ、いいか。そんなもんだ。
チェバは、そのおばあさんから見えないところまで行き、そこでもうしばらく立っておくことにした。
と、次の瞬間であった。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「ちょっと~、○○さん、ここ空きましたよ~」
向こうから、別のおばあさんの大声。
先ほどチェバが席を譲ったおばあさんは、呼ばれるがままにその席へと移動し、元々チェバが座っていた席には、サラリーマンのおじさんが……
◆◆◆◆◆◆◆◆
おばあさんはチェバが三ノ宮駅で降りたものだと思い込み、サラリーマンは元々チェバが譲った席であることを知らない。
誰も悪くないのである。
もしこの事件に非のある人がいるとしたら、それは事件後に一々そのことで愚痴をこぼしている心の狭いチェバ自身に他ならない。
チェバがこの結果を見て気分を害した原因は、もしかすると自分の心の中のある種の傲慢さにあるのかもしれぬ。
「元々チェバが席を代わってやったんだ、だからあなたは勝手にその席を立ってどこかに行く権利はないんだ」という気持ちが、心のどこかに少しあったのかもしれぬ。
あるいは、あらゆる自分の思惑と裏腹にことが進んだことに対して、自己中心的な怒りを感じていただけなのかもしれぬ。
ただ、結果として確かなことは、チェバは大阪駅まで立ちっぱなしの骨折り損となってしまったということである。
◆◆◆◆◆◆◆◆
今日の自分の判断、座席に座り続けるという選択肢を選ばずにその座席を譲った判断が、その時点において間違っていたとは思わない。
また、おばあさんのあの問いかけに対して「はい」と返答したことが、その時点において間違っていたとは到底思えない。
なぜならそのおばあさんがすぐさま別の座席に移動するということは、明らかにその時点では予測不可能な事態であり、極めて確率の低い出来事だからである。
しかし、今後チェバが誰かに座席を譲ろうとした時には、必ずこの事件が頭をよぎってしまうだろう。
偶然の重なった結果とはいえ、悲しいことである。
(ようやく座れた……)
睡眠不足でとても眠たかったチェバは、すぐに座席を確保して眠りにつこうとした。
が、その時、横にお年寄りの方がやって来た。
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(眠たいけど、仕方ないな)
そう思って、チェバは今座ったばかりの席をどいた。
チェバ「どうぞ」
おばあさん「えっ、あなた、ここ(三ノ宮)で降りるの?」
少し返答に困ったが、チェバはこう答えた。
「はい」
本当は、目的地は大学がある京都駅。
でもまぁ、いいか。そんなもんだ。
チェバは、そのおばあさんから見えないところまで行き、そこでもうしばらく立っておくことにした。
と、次の瞬間であった。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「ちょっと~、○○さん、ここ空きましたよ~」
向こうから、別のおばあさんの大声。
先ほどチェバが席を譲ったおばあさんは、呼ばれるがままにその席へと移動し、元々チェバが座っていた席には、サラリーマンのおじさんが……
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おばあさんはチェバが三ノ宮駅で降りたものだと思い込み、サラリーマンは元々チェバが譲った席であることを知らない。
誰も悪くないのである。
もしこの事件に非のある人がいるとしたら、それは事件後に一々そのことで愚痴をこぼしている心の狭いチェバ自身に他ならない。
チェバがこの結果を見て気分を害した原因は、もしかすると自分の心の中のある種の傲慢さにあるのかもしれぬ。
「元々チェバが席を代わってやったんだ、だからあなたは勝手にその席を立ってどこかに行く権利はないんだ」という気持ちが、心のどこかに少しあったのかもしれぬ。
あるいは、あらゆる自分の思惑と裏腹にことが進んだことに対して、自己中心的な怒りを感じていただけなのかもしれぬ。
ただ、結果として確かなことは、チェバは大阪駅まで立ちっぱなしの骨折り損となってしまったということである。
◆◆◆◆◆◆◆◆
今日の自分の判断、座席に座り続けるという選択肢を選ばずにその座席を譲った判断が、その時点において間違っていたとは思わない。
また、おばあさんのあの問いかけに対して「はい」と返答したことが、その時点において間違っていたとは到底思えない。
なぜならそのおばあさんがすぐさま別の座席に移動するということは、明らかにその時点では予測不可能な事態であり、極めて確率の低い出来事だからである。
しかし、今後チェバが誰かに座席を譲ろうとした時には、必ずこの事件が頭をよぎってしまうだろう。
偶然の重なった結果とはいえ、悲しいことである。
いつも電車に乗ってると、時にはこんなこともありますよね。。。
まりんさんは、こんな話を聞いてしまっても、めげずに席をゆずってくださいね♪
良いことをしたのに、良い気分にはなれない事件でしたね(;O;),
でも おばあさんに席を譲ったチェバさんの優しさはきっと、その場にいた乗客みんなの心に残りましたよ(^O^)
うちもチェバさんを見習ってお年寄りに席を譲れるような優しい人になりたいです♪