須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月のお料理(24)~かぼちゃ豆腐

2020-08-24 07:37:30 | 花月のお料理
世界で注目されている「和食」にとって、食材はもちろん、器や盛り付け、料理の仕上がり、見た目にも、料理長の腕、知識、経験が大切です。想像ですが、たぶん料理長お一人だけではだけでなく、その店の調理場全員の知恵と知識が一つになってこそ「和食」の完成があるのでしょう。。そういった意味では、お店(レストラン)や調理場スタッフの「和」があってこそ、素晴らしい和食が完成するわけで「和・食」とはよく言ったものです。

花月の庭園には四季折々の移ろいが感じられますが、特に春の桜と秋の紅葉は見ごたえがあります。景色、空間(私にとっては猫の存在も含めて)、時間の流れ、それらも「和食」を構成する要因です。

今回の一品目「かぼちゃ豆腐」で、話を進めましょう。

まず、ベビー紅葉(まだ青い)がシャッキっと美しい・・・残暑(というよりこれからも本場?)厳しい中、秋を感じさせるものです。私は着物が好きですが、和装でもちょっとした「季節の先取り」が粋であるとされます。この紅葉の葉はお庭整備のスタッフさんが獲ったものかなあ?と考えました。シャイな方のようですが、いつ見ても一生懸命動き、働いているステキな方です。

そしてこの「南瓜(かぼちゃ)」の可愛い色と形を、畑の葉に見立てた深い暗緑色の器で締めています。種がこぼれた様子をイクラを使って表現しているのかな?味わいはもちろん、この「見立て」が和食の醍醐味でもあります。

別の料理ですが、今回も夏の器が涼しい・・・前回の法要時もガラスの器でしたが、また違う形のガラス器を使ってくれました。ここの器は上品です。良い器は主張しすぎず、料理を引き立てながら、自らも渋い存在感を醸しだします。折々の器の選定には、マネちゃんの妹さんも関わっていらっしゃると聞きました。さすが「伝統ある花月の娘さん」ですね。



箸置きは「赤い鯛」・・・仲居さんが誕生日に合わせて選んでくださったのでしょうか。



さて、かぼちゃ豆腐のお味は・・・かぼちゃは強く主張せず、夏の料理らしい喉越しのよさ、味付けもイクラを引き立てる。花月の皆さんの「和」と料理長の「腕」が、慎ましく結集した一品でした。


==============================
【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura



誕生~ハナちゃんの子育て・乳揉み行動

2020-08-23 18:58:51 | 猫の物語
7月末の梅雨明けの後、8月は猛暑。
猫は元々、アフリカ起源なので、渇きや暑さには強いといわれています。しかし、この時期のうだるような暑さで、暑さには強いといわれている猫ちゃん達も、さすがに参っています。

ちょび髭猫ハナちゃんは三匹の子育て真っ最中、猛暑で舌を出してへばっている様子ですが、頑張って子育てしています。
マネちゃんはハナちゃんの近くに打ち水したり、凍らせたバスタオルを置いたり、一生懸命ケアしています。私も保冷材を入れたパウチを数個用意しました。
が・・・猫達はこちらの気遣いをあんまり気にしてくれないんですよね・・・残念・・・。

そういえば、マネちゃんは冬にも寒さ対策を一生懸命なさっていましたが、「人間が思ったようにはいかない、猫ちゃん達は思っていたことと違う場所や方法で暖をとる」とおっしゃっていたことを思いだしました。
猫には何も強制できない。「猫は自由」なんですよね。一筋縄ではいかないところが猫の魅力でもあります。とはいえ、この暑さでは本当に健康状態が心配です。

実際には子ども達も思ったより元気で安心しました。運よくハナちゃんの子どもの「乳揉み行動」が見られました。飼い猫が家で、飼い主の腕や毛布などの柔らかいものにする「あれ」です。実物はあまり見る機会がありませんね。最近の犬猫はすぐに避妊手術をするので、目にするチャンスは少ないですね。

ちなみに、家の猫は三匹とも違う「乳揉み行動」でした。

【パターン1】プライドが高く他の猫に見られたくないので、布団に潜って脇の下に入り、他の猫に見つからないように二の腕にフニフニする。他の猫が布団に潜って来ると一瞬でスッと冷めた様子に替わる。

【パターン2】実母と同色、クリーム色の毛布にだけフニフニする(人にしない)。乳揉み行動をしながら毛布も舐め、「毛布の母」を毛繕いする(毛玉が胃に溜まるかとちょっと心配でした)。

【パターン3】座った姿勢で「ご飯~」という要求。地団太を踏むようにウ~ウ~言いながら、そのまま地面をフニフニする。この子は寝ている時、撫でられたらエアーフニフニをしていました。いわば「その場乳揉み行動」。

子どもの乳揉み行動、動画で撮れましたので、お楽しみください。


【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura


花月のお料理(23)~誕生日・尾頭付き鯛の塩焼き

2020-08-23 18:39:42 | 花月のお料理
妹の誕生祝いに「花月」で鯛をいただきました!
尾頭付き鯛の塩焼き、「めでたい」祝い事のシンボルですね、箸置きまで鯛に揃えていただき、充実したおめでたさの雰囲気を味わいました。鯛を隅から隅までキチンと命をいただきました。焼き加減が絶妙、香ばしく、少しジューシーな鯛の身、命に感謝して「いただきます!」です。

妹は「誕生日を他の人に祝ってもらえる、祝ってくれる人がいることがありがたい」と言っていました。歳を重ねるほど含蓄のある言葉だと思います。「花月」はいつも人生のシーンに彩りを添えるおもてなしをしてくださいます。



さて、二匹ではなく三匹のお母さんになっていたちょび髭猫の「ハナちゃん」、お盆前からの猛暑でお盆明けぐらいから舌を出してへばっている様子ですが、頑張って子育てしています。

チビ達も一所懸命オッパイを吸っています。ハナちゃんの体力が心配でしたが、マネちゃんが「水分を含むご飯を」と、食べさせたパウチを2袋ペロリと食べきったので大丈夫かと安心しました。親子でしばらく引き取らないとダメかなと思っていました。「母は強し」!!です。


==============================
【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura



お盆~往く命・来る命・還る命

2020-08-10 15:52:50 | 日記
14歳4か月のご長寿金魚、2006年祇園祭の金魚すくいで友人がもらってきてから長生きをしてくれた出世魚、愛魚が逝きました。8月9日12時19分でした。多臓器不全の老衰、寿命が来たようです。金魚の命は15歳ぐらいが限界と聞いたことがありますので、まさに与えられた生を、生ききった命でした。

今年の夏の初め、2020年6月に愛猫を亡くしたばかりで萎れていた心を、ひと月支えてくれた金魚でした。
愛猫と同じく障害(奇形)がありました。金魚すくいの戦いを勝ち抜いてきた結果、身体が曲がりヒレも無くなっていました。のっぺらぼうでしたが、愛嬌があって人好きで、錐揉みのような泳ぎ方を「剣の舞」と呼んでいました。
剣の舞でイルカのように跳ねて、水槽の外までビチャ!!っと元気いっぱいに大きく水を飛ばしていました。気のいい子でした。

母の勧めで10時頃に最後の餌をやりました。嬉しそうに食べましたが、少し吐き出しました。11時半ごろから傾きはじめ、1時間ほどで苦しまずに亡くなりました。大往生でした。
ありがとう、よく生きたよ。

母は「お盆の道が開いたよ。天国に行けるよ」と言いました。そうですね、お盆です。祖先も愛猫たちも帰ってくる「天国(浄土・極楽)からの扉」が、まさに開きます。

最後の愛猫が亡くなり、葬儀に参列してくださった時にマネちゃんは「大丈夫。猫は同じ形になって帰ってくるから・・・」とおっしゃいました。その時は言葉の意味がよく分かりませんでした。だって同じ猫はいませんから・・・。

しかし、先月、花月猫ちゃんに二組の親子が出来ました。
お母さん猫にはそれぞれ二匹ずつの子供がいましたが、不思議なことに二組とも、仔猫の一匹はお母さんと瓜二つの全く同じ模様でした。黒いちょび髭まで同じでした。そしてもう一匹の仔猫は全く違う模様でした。
自然は遺伝子を引き継ぎ循環させているのかも知れません。同じものを繋ぎ、違うものを生み出す、そんな命を引き継ぐ工夫が自然の摂理にあるのかもしれません。

これが、「猫は帰ってくる」ということでしょうか。だったら、往ってしまった大事な家族たちも、いつか新しい命として還って来てくれるかもしれません。私は多分その子たちと会うことはできませんが、その命に幸多かれと祈ります。もし帰ってきてくれることがあるならきっとすぐ気がつくでしょう。

「素晴らしい命が輝きますように」と祈ってお盆を迎えます。暑い日々、皆さまもご自愛ください。



広島~被爆建物保存

2020-08-08 09:09:54 | 日記
8月6日は広島原爆投下75年目の日でした。
辛坊さんの「ウェークアップ!ぷらす」で「被爆建物の保存」を取り上げていました。

金銀紙を扱う会社である「歴清社」は、倉庫の一部を被爆当時のままで使用されています。補修と耐震工事に数千万、歴史を守るために売り上げに応じて少しずつ工事を進められるそうです。

この倉庫のおかげで海外との取引が成功した例もあったようで、海外の方、そしてその土地に根を下ろした住民には価値が分かるのですね。

歴清社倉庫(被爆建物)~広島広域観光情報公式サイト「ひろたび」より 

一方、広島市南区に残る被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」について、広島県は3棟のうち2棟を解体する方針だそうで、理由は高額な耐震工事。
地元住民からは保存の声が上がっています。上記「歴清社」のような民間でも、自力で費用を少しずつでも捻出しながら歴史を保存する動きもあるのに、県はどうして目先の費用に振り回されるのか・・・不思議ですね。

広島アンデルセン」・・・全国展開する美味しいパン屋さんですね。
私は「アンデルセン」には全く悪意はないのです。三井銀行広島支店(のちに旧帝国銀行広島支店)として建てられた被爆建物の解体は忍びなく商業施設として買い取り、リノベーションを引き受けた。むしろ素晴らしい選択だと思います。
しかし、国・県・市が自力で何とかできなかったのでしょうか。寄付金を募る活動など、官民一体の活動もできたはずですね。

日本で歴史的建造物をリニューアルするにあたって、なぜ「カフェ」や「レストラン」や「店舗」になってしまうか?私の言いたいのは「ここ」なんです!!

お金や商売よりも、歴史的にふさわしい残し方をする、民間でも個人レベルで努力して守ろうとする価値を、大きな組織で守る。
それができるのが国・県・市なんです。須磨浦公園も観光ハウスも、幸運なことに神戸市の持ち物なので、歴史的価値の現状維持がなされているのだと思います。今後も神戸市には軸がブレないことを期待しています。

この点、広島は本当に不思議です。
私はカンボジア国立トゥール・スレン(虐殺犯罪博物館 )に、2回行きましたが、自分の年齢によって感じるものが違うので、恐ろしさの戦慄は同じではありませんでした。

観るのも辛い体験は、2回とも深く人間を探る糸口になりました。
トゥール・スレンはプノンペンの一等地にある学校跡です。カンボジアは急速に発展していますが、ここがマンションになったり、カフェになることは絶対にないと思います。

広島の被爆建物も、この後も原爆による死者や犠牲者に畏敬の念をもつ歴史的建造物であってほしいのです。