8月6日は広島原爆投下75年目の日でした。
辛坊さんの「ウェークアップ!ぷらす」で「被爆建物の保存」を取り上げていました。
金銀紙を扱う会社である「歴清社」は、倉庫の一部を被爆当時のままで使用されています。補修と耐震工事に数千万、歴史を守るために売り上げに応じて少しずつ工事を進められるそうです。
この倉庫のおかげで海外との取引が成功した例もあったようで、海外の方、そしてその土地に根を下ろした住民には価値が分かるのですね。
歴清社倉庫(被爆建物)~広島広域観光情報公式サイト「ひろたび」より
一方、広島市南区に残る被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」について、広島県は3棟のうち2棟を解体する方針だそうで、理由は高額な耐震工事。
地元住民からは保存の声が上がっています。上記「歴清社」のような民間でも、自力で費用を少しずつでも捻出しながら歴史を保存する動きもあるのに、県はどうして目先の費用に振り回されるのか・・・不思議ですね。
「広島アンデルセン」・・・全国展開する美味しいパン屋さんですね。
私は「アンデルセン」には全く悪意はないのです。三井銀行広島支店(のちに旧帝国銀行広島支店)として建てられた被爆建物の解体は忍びなく商業施設として買い取り、リノベーションを引き受けた。むしろ素晴らしい選択だと思います。
しかし、国・県・市が自力で何とかできなかったのでしょうか。寄付金を募る活動など、官民一体の活動もできたはずですね。
日本で歴史的建造物をリニューアルするにあたって、なぜ「カフェ」や「レストラン」や「店舗」になってしまうか?私の言いたいのは「ここ」なんです!!
お金や商売よりも、歴史的にふさわしい残し方をする、民間でも個人レベルで努力して守ろうとする価値を、大きな組織で守る。
それができるのが国・県・市なんです。須磨浦公園も観光ハウスも、幸運なことに神戸市の持ち物なので、歴史的価値の現状維持がなされているのだと思います。今後も神戸市には軸がブレないことを期待しています。
この点、広島は本当に不思議です。
私はカンボジア国立トゥール・スレン(虐殺犯罪博物館 )に、2回行きましたが、自分の年齢によって感じるものが違うので、恐ろしさの戦慄は同じではありませんでした。
観るのも辛い体験は、2回とも深く人間を探る糸口になりました。
トゥール・スレンはプノンペンの一等地にある学校跡です。カンボジアは急速に発展していますが、ここがマンションになったり、カフェになることは絶対にないと思います。
広島の被爆建物も、この後も原爆による死者や犠牲者に畏敬の念をもつ歴史的建造物であってほしいのです。