花師のここだけの話し

花師がお届けする熱い想い。気ままに気まぐれに、ぼちぼち更新。ええ塩梅でお届けします。

千利休と秀吉と、花師の仕事

2012-05-17 18:23:08 | Weblog
奈良のお得様からメールを頂いたのが月曜日

「金曜日にお客様が来られるので、急ですが木曜日に活け込みお願いできますか?」

返事はもちろん!
即決の「ありがとうございます」
基本、ご注文やご依頼は断りません。

ロータリークラブに所属する同級生が、自己紹介の原稿を依頼してきました。
時間は10分。
内容は何でもOKとは言うものの、下手な事は書けませんから、ロータリーに所属する先輩に電話をして
ロータリーの自己紹介とはなんぞや?!と尋ね、ちょちょいのちょいで仕上げました。
母の日の当日、少々暇な時間を使って。

基本、まずは考えずに受ける。
出来る出来ないではなく、出来るように調整するのが花師のやり方。
当然、原稿の代行をしたところで、何かもらえるか?っていうたら、何もありません。
下手したら、ありがとうさえもありません。
でも、いいんです。
幸せのタネを蒔いている。
いつもそう思ってます。

奈良のお得様のご依頼は、丁度時間があった木曜日
こちらとしてもありがたいご依頼です。

メールの内容は、庭に薔薇が咲き乱れ、お客様をお招きするそうで、リビングのお花をって事です。
薔薇を観に来るお客様が小休憩する場所の花・・・

思い出したのが千利休と豊臣秀吉のお話し。

丁度アサガオが咲き乱れる季節
秀吉が利休に言いました。

「利休、最高級のアサガオを魅せてくれ」

信長死後、利休は秀吉との関係に少々疑問を持っていた。
このチャンスを生かし、秀吉が粋な男か試してみよう。
利休は「かしこまりました」と頭を下げる。

そしてその日
秀吉がご機嫌で茶室に現れた
茶室まで続くアサガオの垣根には、一本のアサガオも咲いていない。
頭に血が上った秀吉が、茶室に雪崩込んで利休を責めた!

「アサガオは咲いてないやろ!」

利休は静かにお茶をたて、茶室の壁を指してこういいました。

「殿、ご希望通りに、最高級のアサガオをご用意しました。」

さらに激高する秀吉!

「何が最高級のアサガオじゃ!」

利休は続けます。
「最高級のアサガオを一輪、ご用意しました。」
「ほかにアサガオが咲いていれば、最高級のアサガオは映えません。」
「ですから全てを切り落とし、最高級の一輪をこの室に活けました。」

粋を試した利休でしたが、残念ながら成金の秀吉には伝わらず、これがキッカケで亀裂が入った。とか入ってないとか。
コレを信じるか信じないかは、あなた次第です。

というのを思い出し、薔薇を使わないアレンジをさせて頂きました。

カスミ草で覆い尽くしたヒマワリと大きな白とピンクのユリ
ダリアの黒蝶と青いマリンブルーなどなど・・・

お客様も大変喜んで下さいました。

ちょっとした知識・・・
そんな豪そうなモノではありませんが、記憶の片隅に・・・海馬にシッカリと整理出来ていた
そんなお話しでした。



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