花師のここだけの話し

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愛をありがとう -夢から醒めた夢-

2007-07-06 18:15:11 | Weblog
愛をありがとう

劇団四季のミュージカル「夢から醒めた夢」。
原作は赤川次郎さん。
ミュージカルを観る前に、こっそり原作に目を通しておいた。

舞台で繰り広げられる夢の世界。
夢の中なら何もかもが叶えられる。
空を飛ぶ事だって・・・
お金持ちになることだって・・・
なんにだってなれる。
それが・・・夢。

現実の世界で研究されている夢の構造は、全く持って夢のない話しでうんざりしてしまう。
夢とは何か?
脳が細胞を破壊しつつ、新しい細胞を作りかえる。
その作業の中で行われる、記憶の組み換え・・・それが夢だそうだ。
だから現実に起こったこと、起きている間に見た映像の組み換えでしか、夢を見る事は出来ない。
断片的にしか憶えていないのも仕方がない。
断片的にしか夢はみていないのだから・・・

そんな夢の仕組みを知っていても、昨日のあの場所では無用の産物。
そこにはただただ・・・素敵な夢しか実在しない。
数年前に開催されたこの「夢から醒めた夢」。
このミュージカルを観て、何人の人が主人公ピコに憧れた事だろうか?
幾人の人々に夢を見続けさせるピコの魅力。
台詞を憶えている人も、歌を口ずさむ人も、「今日が初めて!」・・・
そんな空気がホールを包む。

野暮なヤツなんて1人もいない。

みんな素敵な夢を見ているのだ。

「みんな自分のことしか考えちゃいない」

大きな身体をしたオカマのデビルが指を刺して大きな声で罵る。
・・・繰り返されるたびに、胸にグサリと何かが突き刺さる。
夢心地を一瞬にして、現実へと引き戻す強烈な言葉。

天使が言う。
「みんなしあわせだったらいいのになぁ」

誰もが恥ずかしくて出せない言葉。
口に出せばたちまち、偽善者のレッテルを貼られてしまう恐怖の呪文。
でも・・・
誰もが心のどこかで思い続けてるに違いない。
そうは思っていても、人は素直に言葉にも・・・行動にも出せない。
それならば・・・
例え夢の中だけでも恥ずかしがらずに口にすればいい。

「みんながしあわせだったらいいのになぁ」

この夢は現実になる夢。

普段から思っていることは、夢の中で生きている。
嘘偽りのない素敵な想い。

真っ暗な舞台の真ん中。
ピコはたくさんの光に包まれていく・・・

みんなしあわせを願った白のパスポートを握り締め
一時の仲間がそっとピコに別れを告げる。

愛をありがとう・・・
優しさをありがとう・・・

夢から醒めた夢

永久に忘れる事の出来ない
長い長い短い夢空間。

夢は心を育んで行く。

「自分のことばっかり考えちゃって!」ては素敵になれない。

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