今回は新橋演舞場での歌舞伎公演を観に、遥々と大阪より帝都に上りました…(汗)
歌舞伎座とはホン直ぐの場所ですねぇ…。
国立劇場、新橋演舞場と…観劇の為の上京はどうして…歌舞伎座はナカナカ遠いです(涙)
予定通り新橋演舞場に到着…今回はチャンと下調べも致しましたし、迷わずに一発で着きました…まぁ、其れが当たり前ですが(汗)
お天気が良く…些か暑いくらいです。
お着物のご婦人方が大勢と…嫌な予感ですが…。
何かの団体らしい…物凄い数ですねぇ…はぁ(溜息)
新橋演舞場はリニューアルされたそうで…と言っても初めて来たので、わからない…綺麗な建物ですね…建物の中も美しいし…黒と言うか…シックなイメージで統一されていて…芝居小屋というよりも、劇場ですね…当たり前か?
今回は中村吉右衛門さんを中心とした座組でして…まぁ…ドウでしょうか?
義太夫狂言を大切にこなす吉右衛門さんだから、面白そうですね…あとは…(汗)
今回は昼の部の観劇です…。
一幕目は『ひと夜』からです…。
宇野信夫の処女作で…新歌舞伎と言うべきか…でも新派でも新劇でも上演されているお芝居らしい。
歌舞伎で上演されること自体が昭和三十九年以来らしく、歌舞伎歌舞伎と言ったものではなさそうですね…。
雀右衛門さんが歌舞伎座で自身の襲名興行として演じたらしく、今回其れを息子の芝雀さんが演じる…歌舞伎らしい話題ですねぇ…。
で、内容ですが…あっけに取られておしまいって感じで…は~ぁ?
物足りないよ…ハッキリ言って。
おかしな夫婦の話っていうか…あてられたって感じがする。
まぁ、歌昇さん演じる日蓮宗の行者さん…。
いい気分で一年に一度のお酒の楽しみも…これが…なんか???になってしまった、行者さんのあっけに取られた顔…まぁ、観客も其れに近いのでは?
信二郎さんの松っちゃんは…何と言うべきか…こう言ったキャラもありね?って感じで…。
芝雀さんのおとよは、よかったですよ…いい味でていて…。
でも、歌舞伎の女形の芝居って感じがしない…どうも、なれないものです。
新作でも、歌舞伎として書かれた物ではないようなので、人間模様の表現が…小さく観えてしまうのですよね…私が思うに。
と言って、新劇とかが演じるとどうなるかはわかりませんが…でも、見得を切ったり、ツゲが無いのはどうも…(汗)
どうもこう言った新作モノは後味が悪う御座います…。
発散できないと言うか…???で終わってしまう場合が多く、
わけわからんやん!
と言いたくなるくらい…でも、歌舞伎なんですよね…たぶん。
さて、長めの幕間でして…お弁当を食べて…ウロウロと。
遠征なのでお土産も些か購入してっと…。
さぁ、次は今回遥々上京してまでのお目当ての『寿式三番叟』です。
染五郎さんと亀治郎さん二人で演じる三番叟…果たしてどうなりますやら…?
新しい趣向で…とか?まぁ、無茶なことは無いでしょう祝言舞ですから。
私自身、『寿式三番叟』を大歌舞伎で観るのは実は初めてです。
好きなんですが…余り上演されているのでないようですね…上演記録を見ましても…。
まぁ、元々は能楽の『翁』から派生した歌舞伎舞踊ですし、この『寿式三番叟』自体も人形浄瑠璃が先ですからね。
文楽の場合は、三番叟は二人となっています…今回も二人です。
楽しみですよ♪
緞帳が上がると…正面に能舞台を模したような造りの松羽目…囃子方、鳴り物が其処に陣取って、上手には上下二段になって竹本連中が…五挺五枚って言う奴です。
重厚さ抜群ですねぇ♪
下手の揚幕が上がる…松羽目物らしく五色の揚幕。
面箱を捧げ持つ千歳…続く翁…。最後に三番叟が二人揃っての登場…。
翁が正面中央で座して、客席に向かいて深々とお辞儀をする…これに合わせて一同礼をする…。
其のあと、翁は翁座に移り、其の前に面箱を置く…。
三丁の小鼓が響き渡る…これは能楽とも同じく真ん中が立鼓ですね。田中傳左衛門さん…小鼓の紐の色が一人違う。黄色かったよ…。
竹本連中も唸り始める…太棹が五人ですよ…あの低音の魅力ったら…♪
短縮バージョンですね…(汗)
筋書には国造りの語りとともに…と書かれているから…
♪そぉぉれ 豊秋津嶋の大日本…
と始まるのとばかり…でも、
♪とうとうたらり たらりら たらりあがり らゝりとう…
うぅぅぅん…まぁ、割愛でしょうね。
義太夫の語りですから…ハイな。
まずは千歳の舞からですが…些か緊張しているのか動きが硬い。
千歳は颯爽とした舞でなければならないもの…種太郎君、若干十七歳、若さの所為か?俊敏な千歳らしさを出してもらいたかったですが…(汗)
でも丁寧な踊りだったので、今後が期待されますね。
で…些か疑問ありも…千歳の衣装である。
立役での千歳であるが、普通の千歳の意匠と違っている。
同じ大口の素襖ではあるが、鶴亀の紋も無く地紋も無く、無地となっている…。
女形が演じる場合の千歳の衣装の掛素襖の紋をあしらった素襖になっており、どうも違和感が大有りだよ。
張袴を穿いていない所為であろうが、折角の大口も貧相に見える。
この点は能楽と違うから、無理は無いでしょうが…どうも大口袴がよれっとしているのは…(汗)
さぁ、千歳が舞い終わると…次は翁の荘重な舞となるのですが…????
白式尉面を着けないよ…どうして?
また疑問が…歌六さん…重みは確りとしていますが…どうして?
何の為の面箱だったの???千歳が捧げ持って来たのは?
…………????
はぁ…わけわからんようになってきた!
厳かなる翁の舞と言うよりも…何なんでしょうか?
あれは踊りですね。
天地人の足拍子も無いし…もう…どないなってんねんっ!
翁の狩衣の袖を翻して、如何にも神々しい舞と言った雰囲気はなく…うぅぅぅぅん、理解に苦しむ。
…翁送りですね…翁と千歳が帰って行く…!
おいっ!
千歳が帰ってしまったら…問答はないんかい?
能楽では、上掛りの場合は面箱が残って、問答に控えているが、歌舞伎の場合は千歳が残って、問答に備えているはず…だ!
なのに…帰ってしまった。
揚幕から…これはいいのだが…揚幕の下ろし方が汚い!なんだあれは!!!!(怒)
舞台の翁の座に置いてけぼりとなった面箱…後見さんが持って行った…普通に…千歳が捧げ持ってきた意味無いやん(怒)
まぁ…続いて出て来る三番叟の舞踊で何とか納めて頂ければ…納得ですが…(汗)
侍烏帽子から剣先烏帽子に烏帽子を被り直して…イザ!出陣って感じが!
花道の七三まで戻って来て…能・狂言は橋掛まで戻るのと一緒…。
♪おゝさへ おゝさへ 喜びありや 喜びありや 我がこの所より 外へはやらじとぞ思ふ
義太夫の唸りに連動して二人の三番叟が、舞台まで駆けて来る…あとは三番叟舞踊と変わりなく…ハズですが…些か疑問。
新しく考えたと言っているように…らしくないって感じもある…まぁ、これくらいはいいことだと思うし、舞踊も変化があって当たり前ですが…。
どうして三番叟が小刀を差してるんだよっ!
今まで色んな三番叟舞踊…勿論、能狂言歌舞伎で観てきましたが、三番叟は刀を差しません。
だって、三番叟は町人だから…翁は天下国家を祷る舞、千歳は其の露払いの舞で、唯一小刀を差している存在。
三番叟は、国土安穏、五穀豊穣を祷る舞。
皆、意味合いが違った舞なのです。三番叟のみ生活に直結した民の祈りを踊るのです。即ち為政者ではなく、町人なんです。
段々、イライラが…!
踊りはスピーディですよ。
合っているようで…いや合っていないところもある…計算づくなのか、否か?
二人の三番叟が対称に舞い渡る…綺麗ですよ。お二人とも名うての舞の名手。
観ていて乗って来ますが…ハテ…疑問も一杯。
どうして二人なんでしょうか?三番叟が…?
どうして『二人三番叟』としてではなく、『寿式三番叟』なのか?
『二人三番叟』は澤瀉屋の家の芸と言っても過言ではないもの。
でも、今回の外題は『寿式三番叟』…。
長唄ではなく、義太夫を地唄にしての…。
段々とスピーディになっていくが…物足りなさも。
烏飛びも二人が背中合わせで…偶々か?でも、あれがそうかな?と思うくらいの烏飛び…(汗)
見せ場でしょ?揉みの段での?
ちょっとおかしい…。
揉みの段が終わって…そのまま鈴の段に続行…。
問答が無いのなら、千歳もいらないわけだ…。
黒色尉面も着けない…もう知らないっ。
義太夫の語りから舞が始まる…。
段々とダイナミックになっていって、踊りも大きくなっていって、スピード感が高まってくるが…何故か、面白くない。
二人の三番叟…合っている様だが、実は合わせていると言うよりも競い合っているって感じが…してきた。
『二人三番叟』のようなコミカルな面も一切無く、何の為の二人しての三番叟なのか?
飛んで跳ねての三番叟…其れは其れで、当たり前ですが…些か、全体像を見渡して
力強いだけでは如何なものでしょうか?
もう最後の方になると、下座の太鼓の音も大きくなり、勿論三番叟の足拍子も多くなって、義太夫の語りがわからないようになってくる…これも問題だよ。
三番叟を観て楽しむだけなら、今回のスピード感とダイナミックさはいいと思いますが、どうして『寿式三番叟』なのか?と考えてしまうと…折角二人して舞っているのに、揃っていないところが多かったのは残念だし、それ以上に軽くなってしまっている!
どうして、最後のくだり…
♪柳は緑 花は紅…
千歳も加えて三人で、優雅に舞わなかったのか?
何時までも、鈴を手にして…!
やはり、今回の千歳では力不足と見てのことなのか…?
そういったところまで勘ぐってしまうわけですよ。
今回、これがために東京まで来たのに…何故か見ている途中から阿呆らしなってしもうて…(汗)
でも、待てよ、マダマダ…其のうちに…なかったよ(泣)
踊りは上手いお二人さんなんですが…でも、やはり今までの経験とかで三番叟と言ったものの観点が違っているのかも?
其の辺りが…揃っているようで、揃っていない要因なのかも?
私にはそう思えます。
面白い舞でしたが、いや、踊りでしたが…お目出たいと言った風情が無きゃ…此の演目は死んでしまいます。
幕間となって直ぐに、紅染屋さんと遮那さんに残念至極メールを送りつけてしまった…(汗)>おふたりさん、すみませんでした。
で…次は…長くなったので続く…。
歌舞伎座とはホン直ぐの場所ですねぇ…。
国立劇場、新橋演舞場と…観劇の為の上京はどうして…歌舞伎座はナカナカ遠いです(涙)
予定通り新橋演舞場に到着…今回はチャンと下調べも致しましたし、迷わずに一発で着きました…まぁ、其れが当たり前ですが(汗)
お天気が良く…些か暑いくらいです。
お着物のご婦人方が大勢と…嫌な予感ですが…。
何かの団体らしい…物凄い数ですねぇ…はぁ(溜息)
新橋演舞場はリニューアルされたそうで…と言っても初めて来たので、わからない…綺麗な建物ですね…建物の中も美しいし…黒と言うか…シックなイメージで統一されていて…芝居小屋というよりも、劇場ですね…当たり前か?
今回は中村吉右衛門さんを中心とした座組でして…まぁ…ドウでしょうか?
義太夫狂言を大切にこなす吉右衛門さんだから、面白そうですね…あとは…(汗)
今回は昼の部の観劇です…。
一幕目は『ひと夜』からです…。
宇野信夫の処女作で…新歌舞伎と言うべきか…でも新派でも新劇でも上演されているお芝居らしい。
歌舞伎で上演されること自体が昭和三十九年以来らしく、歌舞伎歌舞伎と言ったものではなさそうですね…。
雀右衛門さんが歌舞伎座で自身の襲名興行として演じたらしく、今回其れを息子の芝雀さんが演じる…歌舞伎らしい話題ですねぇ…。
で、内容ですが…あっけに取られておしまいって感じで…は~ぁ?
物足りないよ…ハッキリ言って。
おかしな夫婦の話っていうか…あてられたって感じがする。
まぁ、歌昇さん演じる日蓮宗の行者さん…。
いい気分で一年に一度のお酒の楽しみも…これが…なんか???になってしまった、行者さんのあっけに取られた顔…まぁ、観客も其れに近いのでは?
信二郎さんの松っちゃんは…何と言うべきか…こう言ったキャラもありね?って感じで…。
芝雀さんのおとよは、よかったですよ…いい味でていて…。
でも、歌舞伎の女形の芝居って感じがしない…どうも、なれないものです。
新作でも、歌舞伎として書かれた物ではないようなので、人間模様の表現が…小さく観えてしまうのですよね…私が思うに。
と言って、新劇とかが演じるとどうなるかはわかりませんが…でも、見得を切ったり、ツゲが無いのはどうも…(汗)
どうもこう言った新作モノは後味が悪う御座います…。
発散できないと言うか…???で終わってしまう場合が多く、
わけわからんやん!
と言いたくなるくらい…でも、歌舞伎なんですよね…たぶん。
さて、長めの幕間でして…お弁当を食べて…ウロウロと。
遠征なのでお土産も些か購入してっと…。
さぁ、次は今回遥々上京してまでのお目当ての『寿式三番叟』です。
染五郎さんと亀治郎さん二人で演じる三番叟…果たしてどうなりますやら…?
新しい趣向で…とか?まぁ、無茶なことは無いでしょう祝言舞ですから。
私自身、『寿式三番叟』を大歌舞伎で観るのは実は初めてです。
好きなんですが…余り上演されているのでないようですね…上演記録を見ましても…。
まぁ、元々は能楽の『翁』から派生した歌舞伎舞踊ですし、この『寿式三番叟』自体も人形浄瑠璃が先ですからね。
文楽の場合は、三番叟は二人となっています…今回も二人です。
楽しみですよ♪
緞帳が上がると…正面に能舞台を模したような造りの松羽目…囃子方、鳴り物が其処に陣取って、上手には上下二段になって竹本連中が…五挺五枚って言う奴です。
重厚さ抜群ですねぇ♪
下手の揚幕が上がる…松羽目物らしく五色の揚幕。
面箱を捧げ持つ千歳…続く翁…。最後に三番叟が二人揃っての登場…。
翁が正面中央で座して、客席に向かいて深々とお辞儀をする…これに合わせて一同礼をする…。
其のあと、翁は翁座に移り、其の前に面箱を置く…。
三丁の小鼓が響き渡る…これは能楽とも同じく真ん中が立鼓ですね。田中傳左衛門さん…小鼓の紐の色が一人違う。黄色かったよ…。
竹本連中も唸り始める…太棹が五人ですよ…あの低音の魅力ったら…♪
短縮バージョンですね…(汗)
筋書には国造りの語りとともに…と書かれているから…
♪そぉぉれ 豊秋津嶋の大日本…
と始まるのとばかり…でも、
♪とうとうたらり たらりら たらりあがり らゝりとう…
うぅぅぅん…まぁ、割愛でしょうね。
義太夫の語りですから…ハイな。
まずは千歳の舞からですが…些か緊張しているのか動きが硬い。
千歳は颯爽とした舞でなければならないもの…種太郎君、若干十七歳、若さの所為か?俊敏な千歳らしさを出してもらいたかったですが…(汗)
でも丁寧な踊りだったので、今後が期待されますね。
で…些か疑問ありも…千歳の衣装である。
立役での千歳であるが、普通の千歳の意匠と違っている。
同じ大口の素襖ではあるが、鶴亀の紋も無く地紋も無く、無地となっている…。
女形が演じる場合の千歳の衣装の掛素襖の紋をあしらった素襖になっており、どうも違和感が大有りだよ。
張袴を穿いていない所為であろうが、折角の大口も貧相に見える。
この点は能楽と違うから、無理は無いでしょうが…どうも大口袴がよれっとしているのは…(汗)
さぁ、千歳が舞い終わると…次は翁の荘重な舞となるのですが…????
白式尉面を着けないよ…どうして?
また疑問が…歌六さん…重みは確りとしていますが…どうして?
何の為の面箱だったの???千歳が捧げ持って来たのは?
…………????
はぁ…わけわからんようになってきた!
厳かなる翁の舞と言うよりも…何なんでしょうか?
あれは踊りですね。
天地人の足拍子も無いし…もう…どないなってんねんっ!
翁の狩衣の袖を翻して、如何にも神々しい舞と言った雰囲気はなく…うぅぅぅぅん、理解に苦しむ。
…翁送りですね…翁と千歳が帰って行く…!
おいっ!
千歳が帰ってしまったら…問答はないんかい?
能楽では、上掛りの場合は面箱が残って、問答に控えているが、歌舞伎の場合は千歳が残って、問答に備えているはず…だ!
なのに…帰ってしまった。
揚幕から…これはいいのだが…揚幕の下ろし方が汚い!なんだあれは!!!!(怒)
舞台の翁の座に置いてけぼりとなった面箱…後見さんが持って行った…普通に…千歳が捧げ持ってきた意味無いやん(怒)
まぁ…続いて出て来る三番叟の舞踊で何とか納めて頂ければ…納得ですが…(汗)
侍烏帽子から剣先烏帽子に烏帽子を被り直して…イザ!出陣って感じが!
花道の七三まで戻って来て…能・狂言は橋掛まで戻るのと一緒…。
♪おゝさへ おゝさへ 喜びありや 喜びありや 我がこの所より 外へはやらじとぞ思ふ
義太夫の唸りに連動して二人の三番叟が、舞台まで駆けて来る…あとは三番叟舞踊と変わりなく…ハズですが…些か疑問。
新しく考えたと言っているように…らしくないって感じもある…まぁ、これくらいはいいことだと思うし、舞踊も変化があって当たり前ですが…。
どうして三番叟が小刀を差してるんだよっ!
今まで色んな三番叟舞踊…勿論、能狂言歌舞伎で観てきましたが、三番叟は刀を差しません。
だって、三番叟は町人だから…翁は天下国家を祷る舞、千歳は其の露払いの舞で、唯一小刀を差している存在。
三番叟は、国土安穏、五穀豊穣を祷る舞。
皆、意味合いが違った舞なのです。三番叟のみ生活に直結した民の祈りを踊るのです。即ち為政者ではなく、町人なんです。
段々、イライラが…!
踊りはスピーディですよ。
合っているようで…いや合っていないところもある…計算づくなのか、否か?
二人の三番叟が対称に舞い渡る…綺麗ですよ。お二人とも名うての舞の名手。
観ていて乗って来ますが…ハテ…疑問も一杯。
どうして二人なんでしょうか?三番叟が…?
どうして『二人三番叟』としてではなく、『寿式三番叟』なのか?
『二人三番叟』は澤瀉屋の家の芸と言っても過言ではないもの。
でも、今回の外題は『寿式三番叟』…。
長唄ではなく、義太夫を地唄にしての…。
段々とスピーディになっていくが…物足りなさも。
烏飛びも二人が背中合わせで…偶々か?でも、あれがそうかな?と思うくらいの烏飛び…(汗)
見せ場でしょ?揉みの段での?
ちょっとおかしい…。
揉みの段が終わって…そのまま鈴の段に続行…。
問答が無いのなら、千歳もいらないわけだ…。
黒色尉面も着けない…もう知らないっ。
義太夫の語りから舞が始まる…。
段々とダイナミックになっていって、踊りも大きくなっていって、スピード感が高まってくるが…何故か、面白くない。
二人の三番叟…合っている様だが、実は合わせていると言うよりも競い合っているって感じが…してきた。
『二人三番叟』のようなコミカルな面も一切無く、何の為の二人しての三番叟なのか?
飛んで跳ねての三番叟…其れは其れで、当たり前ですが…些か、全体像を見渡して
力強いだけでは如何なものでしょうか?
もう最後の方になると、下座の太鼓の音も大きくなり、勿論三番叟の足拍子も多くなって、義太夫の語りがわからないようになってくる…これも問題だよ。
三番叟を観て楽しむだけなら、今回のスピード感とダイナミックさはいいと思いますが、どうして『寿式三番叟』なのか?と考えてしまうと…折角二人して舞っているのに、揃っていないところが多かったのは残念だし、それ以上に軽くなってしまっている!
どうして、最後のくだり…
♪柳は緑 花は紅…
千歳も加えて三人で、優雅に舞わなかったのか?
何時までも、鈴を手にして…!
やはり、今回の千歳では力不足と見てのことなのか…?
そういったところまで勘ぐってしまうわけですよ。
今回、これがために東京まで来たのに…何故か見ている途中から阿呆らしなってしもうて…(汗)
でも、待てよ、マダマダ…其のうちに…なかったよ(泣)
踊りは上手いお二人さんなんですが…でも、やはり今までの経験とかで三番叟と言ったものの観点が違っているのかも?
其の辺りが…揃っているようで、揃っていない要因なのかも?
私にはそう思えます。
面白い舞でしたが、いや、踊りでしたが…お目出たいと言った風情が無きゃ…此の演目は死んでしまいます。
幕間となって直ぐに、紅染屋さんと遮那さんに残念至極メールを送りつけてしまった…(汗)>おふたりさん、すみませんでした。
で…次は…長くなったので続く…。
御不満がその後の演目で挽回されるか気になります!
面白かったのは確かですがね~。
さて、その憤懣やるかたなしの思いを発散できたのかどうか…。
乞うご期待!←って程のものか?