花餅屋廼徒然書附帖

歌舞伎の世界に魅入られた男の、余りにも刺激的でグダグダ過ぎる日々…

『當る寅年 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』…夜の部ですよ(汗)

2009年12月16日 02時22分16秒 | 徒然に歌舞伎噺なと…
ウダウダが終わって…再び南座に入ります…。
夜の部は私一人での観劇になります。

今度も…一階席ですが、またまた1列目の25番です。
うぅぅぅん…今度は端になりますね。
まぁ…頑張って観ましょうか。
昼の部は、流石に居眠りは致しませんでした(苦笑)
いやはや…当たり前か?
でも、昼の部も長丁場ですからね…。
今度は、夜の部です。
いささか、キツクなるのは…織り込み済みです>ヲ~イッ!
さぁ…観て参りましょうか…。

夜の部…。

天満宮菜種御供
『時平の七笑』
此の演目は…初めてではないです。
2回目か?3回目か?
まぁ…松嶋屋の家の芸ですよね…我當さんが受け継いでいる十三世の至芸です。
……………。
此れも…夜の部の序となりますから…まぁ、無難な狂言と言うことでしょうか?
余り…パッとする演目ではないと言うか…いささか盛り上がりに欠ける。
と…思うのは私だけでしょうか?
新歌舞伎ではないのですが…何だか…?
一つは…附けが打たれないということか…やはり、見得を切って初めて歌舞伎!ってイメージが強いですし…。
其れは、昼の部の『佐々木高綱』にも当てはまりますよね…。
もうチョッと工夫も…と言ってもわからない。
まぁ…話は淡々と進みます…。
其れでも…やはり、上方狂言であるのに…とか思ったり。
松嶋屋の家の芸と言っても…十三世が復活上演しなかったら、今回に至る我當さんの再復活も無かったでしょうに…。
竹本が入れば…もうチョッとノリは良くなるようにも思ったり…其れならば、本を書き直す必要があるか?
でも、此れが丸本かドウかはわからないが…時代物での話は竹本のリードがあれば面白くなるようにも思える…。
松嶋屋の家の芸と言っても…松嶋屋…我當さん以外は演じていないと言うのも…言い得て妙です。
頷ける面にもなりますね…。

さて…殆ど、時平一人でのお話と見てもいいくらいに…時平の台詞がモノを言います。
道真は此の狂言では全くの脇役ですし…時平との掛け合いも…殆ど無し…。
此の点が寂しいよね。

…で、道真が、引き立てられて…行きます。
他のお公家さんたちも退出して…舞台は時平一人となります。
辺りを窺って…どっしりと御殿の階に腰を掛ける時平。
此処からが此の狂言の真骨頂。
今までは、此処へ持って来る為の導入部分と言っても過言ではないっ!
『車引』での時平公とは打って変わっての白塗りの拵え。
直衣姿の…八藤紋入りの指貫を召されて、デンッ!と構える階の上。
此処からが…時平の本性を現すところ…長々との長台詞を吐いて、フッ…ほくそ笑む。
今までは…道真を油断される手…ご自分は慈悲深い…情け深い左大臣と振舞って…。


御殿が其のまま、ずずっと…迫り出して来たっ!
本舞台いっぱいまで迫り出して来て…客席を一気に睨む時平。
不敵な笑みを浮かべて…いひひひぃ…。

ふふふふふ…ふ。
あははははは…はっ。
いぃひひひひひひ~ぃ…。
腹から込み上げて来る笑い…。
抑えようとも、抑えられない…快感。
もう、笑いしか…無い此の現状…あははは~は。
マンマと…騙されて…目障りな右大臣を追い遣ったぞよ…へへへへへへぇ。
段々と笑いがエスカレートされて…。
時平の勝ち誇った…笑い狂う最中、定式幕が引かれる…。

此処でお仕舞いじゃぁない…気の早い人はもう席を立って…何処へと…?
柝が打たれていないよ(汗)
………………(汗)
わっははははははは~っ!!!
幕の内より一際大きな笑い声がっ!

定式幕が一気に引かれて…此処で柝が打たれて…チョンッ!
『時平の七笑』一幕の終わりです。

うぅぅぅん…やはり、何でしょうか。
微妙…。
そうそうっ!此の狂言で一つ、お目出度い話題がっ!
吉太朗君が我當さんの部屋子になって、時平公の稚児、松乃丸として出演しました。
此の舞台が、御披露目狂言となりますね…。
8歳の吉太朗君ですが、頑張って上方の役者に育ってもらいたいですね。


 藤原時平:我當丈
 判官代輝国:進之介丈
 頭の定岡:亀三郎丈
 藤原宿祢:亀寿丈
 三好清貫:薪車丈
 春藤玄蕃:亀鶴丈
 左中弁希世:竹三郎丈
 
 菅原道真:彦三郎丈

……………………………。

一旦…幕間です。
ぼや~っとしています。
動くと疲れる…。
でも、じっとしていても疲れる。
で…ぼや~としていました。

新古演劇十種の内 『土 蜘』   
此の狂言も…何回目だろうか?
数回は観ているはずです…(汗)
『新古演劇十種』との角書…音羽屋さん、菊五郎家の家の芸です。
其の名の通り、松羽目物と言うか…能取物が多いですよね。
能狂言の演目を歌舞伎にアレンジし直しての、此の狂言。
さて、何度か観ているはずですが、本家本元の菊五郎さんの『土蜘』は観たことが無いと言うのも…お恥ずかしいことでして…(汗)
で、今回の顔見世です♪
 
しかし…いやはや。
はじめは良かった…梅玉さんに…凛々しき武者です♪
頼光には、時蔵さんで…女方の時蔵さんによる気品のあり、格調高き頼光には、惚れ惚れします。
あぁ…此のお二人の遣り取りは…観ていても松羽目物らしく、引き締まるものが感じられます…。
で…菊之助さんの胡蝶…此の辺りから怪しく為って来た…。
斯う言った能取物に…静かなる舞が…今まで踏ん張って来たのを…睡魔が襲ってきた(涙)
胡蝶が下がって…独り…頼光。
休息を取るが…あのポーズじゃぁ、寝難いと思うが…能楽的にはあんなモノでしょうか?
静かだ…静か…私も落ちてしまった(涙)
『のうのう我が君御油断あるなっ』
太刀持ち音若の声にて…気が附く。
頼光が気が附くのと…私も同時に気が附く(汗)
困った奴です(泣)
菊五郎さんが…いや、此場合は、自称比叡の僧、智籌がクモの糸を放って…花道の方へ引っ込むところだ…しもたぁ…。
音若が長袴を引きながらも、素早い対処。
後見さんがバッと出て来て…お一人は、クモの糸を素早く回収…お見事だよ…。
今一人は…頼光の格衣か?掛け素襖か…右肩の広袖を逸早く取っ払って、クルクルクル~っ!と巻き上げて、戦闘態勢へともって行くっ!
おぉ、素襖や大紋の方袖をこうやって拵えるのですね…変に感心感心。
智籌に一太刀あびせて…花道七三にて凄む智籌…うぅぅぅん。

さぁ、此れから退治に行きますよ~っ!
平井保昌が駆け付けて、滴り落ちる血潮の後を辿って…夜中でも大丈夫か?
考えないんだよっ!

一旦此処で、間狂言となります。
まぁ…此処は繋ぎですから…軽~く観て行きましょう。
頼光館の緊迫した場面から…斯う言った、のほほんとした話題でイイのでしょうか?
緩和でしょうか…いやはや。
團蔵さんと翫雀さん…此のお二人は何か、観ていても、アホらしいことでも…納得して観ていられるのは何故でしょうか?
松緑さんは…やはり、踊りは上手ですよね…いい塩梅で、間狂言で繋いで…後半ですよ。

僧智籌…実は、土蜘の精だとか何とか…精と言ったら、妖精ってイメージがあるが、此の場合は、全く違って…悪霊みたいなものです。
此の国を魔界へと導こうとする…トンデモナイ、悪の化身ですっ!ひや~っ!!

此処から後は、単純に、楽しみましょう♪
源頼光の四天王を率いて、平井保昌の一個連隊…頑張って~っ!
蜘蛛です。でも此の場合は…土蜘。
でも…蜘蛛ですよね…虫偏を取ったら、知朱?チシュ…?チチュウ…うぅぅぅん。
僧智籌とは、如何にも如何にも…黙阿弥作ですよね。
変に納得。

土蜘は、千筋の糸を放って抵抗するが…後は、お決まりで退治させられます。
でも…此の立ち廻りは、観ていても圧巻ですよね…。
後見さんの動きにも着目です♪
いやぁ…面白かった。
やはり、此の辺りは、能から取っているって感じがアリアリですよね。
あの動きが…如何にも能楽の動きですよ…。
でも、長唄お囃子にての…歌舞伎で、存分と楽しませて頂きました。
やはり、菊五郎さんのキリッとした狂言を観るのも、いいものです。
ホンマに…芸の幅が広いお方ですよね。


 僧智籌実は土蜘の精:菊五郎丈
 源頼光:時蔵丈
 侍女胡蝶:菊之助丈
 渡辺源次綱:愛之助丈
 坂田公時:権十郎丈
 碓井貞光:男女蔵丈
 ト部季武:亀三郎丈
 
 巫子榊:梅枝丈
 番卒次郎:團蔵丈
 番卒藤内:松緑丈
 番卒太郎:翫雀丈
 
 平井保昌:梅玉丈

此処で幕となります…長い目です。
食事と言うか…適当に食しましたよ、ハイ。

さぁ…続いては、今回の顔見世の大一番と言っても過言ではない演目ですよ。
では…お決まりの長くなったので…つづく(苦笑)


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