●生命保険レポート(個人保険編) 23


↑クルック 保険営業ノウハウ本
 

前に「ヒアリング」の聞く項目と順番をご紹介した。保険営業
マン、代理店はもちろん、銀行窓販関係者、証券会社にも参考
になると思うので、一つ一つ説明する。

「1」保険証券を見せてもらっているので、その保険の「加入
経路」を聞く。

アプローチの段階で入手した顧客の既契約保険証券が手元にあ
る。民間の生保、損保、簡保、農協共済などの保険証券である。

これらは必ず「あるルート」で加入しているはずである。後日、
「プレゼンテーション」「クロージング」をするときに壁とな
って立ちはだかる「このルート」を明らかにしておかなければ
ならない。

つまり、顧客の保険人脈を把握する作業である。

営業「○○さん、この保険証券ですが、そのような経路で加入
されたのですか? 例えば、知人の紹介とか、職域に出入りし
ている人から直接とか、飛び込み訪問で加入したとか ありま
すよね?」

顧客「職場に出入りしているセールスの人から入りましたよ」

営業「なるほど、○○さんとの関係はあまり深くないと言うこ
とですか?」

顧客「なぜ、そんなことを聞くのですか?」

営業「私が証券診断して、問題点を見つけ、それに対してご提
案させていただくときに、担当者が○○さんと関係が深い方だ
と提案しずらいと思いまして。」

顧客「こんなことはないですよ。いいのもが提案できるなら歓
迎ですよ」

営業「それでは、現在お入りの担当者との特別な付き合いはな
いとして、考えさせていただきます。」

という感じだ。

顧客が「親戚から加入している」「知人から入っている」など
を顧客が答えたら、

営業「その方は特別な方ですか?現在も現役でがんばっていら
っしゃるのですか?」

営業「もし、私が分析をさせていただいて、より○○さんにマ
ッチしたご提案を差し上げたとしても、そのような関係ですと
ご採用は不可能ですね。」

営業「私が、いい提案を持ってきたとしても、今の契約を続け
ざるをえないのであれば、ご提案しない方がいいですよね。提
案すると○○さんは悩んでしまうと思いますよね。」

私の経験では「提案はしなくてよい」と答えるのはわずかであ
る。
「提案内容を見て決める」とついつい答えてしまうものである。

しかし、この段階で契約の可能性を見極めることが大事である。
無理にこの先に進んでも、最後の断り文句「知人を断れない、
親戚を断れない」で終わってしまう。

さらに、お膳立てだけをしてしまい、他社の営業に契約されて
しまう危険性があるのだ。見切りをつけた場合は、メールなど
のソフトタッチフォローを続け、「その時」が来るまで待ちつ
づけるのだ。

そして、頭を切り替えて、すぐに他の顧客に行くべきであろう。

「2」「なぜ、これから顧客の情報を聞くのか」の説明文をあ
らかじめ書いておき、納得したかを聞く。

これから顧客の情報を聞こうとしている場面で、ロープレ研修
の講師をするとすぐに気が付くことがある。

それは、多くの営業マンは「なぜ、収入や借金、教育費などを
聞くのか」を事前に説明し、顧客に承諾を得ていないことであ
る。

営業「次回ご提案の為にいくつか質問していいですか?」

営業「月々の生活費は幾らですか?」

営業「借金はありますか?住宅ローンは?」

営業「子供さんは小学校、中学、高校、大学と私立の予定です
か?公立ですか?」

営業「預貯金など金融資産はありますか?」

まるで、尋問である。顧客は心よく話してくれそうにない。こ
れではダメである。「顧客の為に顧客サイドの立場」で聞くこ
と。

例えば、

営業「私は保障の分析をする時や新しい保険のご提案をする時
には、皆さんにプライベートなことをお聞きしています。」

  「保障の金額を見積もる為には、現在の収入を知る必要が
あります。それにより既にカバーされている死亡保障が予測で
きるからです。つまり遺族年金の額が予測できるのです。公的
な死亡保障である遺族年金で不足する分を計算するのです。」

  「子供の教育費についても、ご主人さまが万一のときに、
幾ら必要になるのかの計算基準になりますし、住宅についても
、賃貸か持ち家かによって遺族の住居費が違います。また借金
がありますとその分上乗せする必要が出てきますよね」

  「ご家庭が抱えるリスクは様々です。情報が不足すると適
切な判断が出来ません。」

  「このようにして計算して出てきた必要保障額が1億円だっ
たとしても、○○さんが預貯金などで1億円以上お持ちでしたら、
死亡保険がいらない可能性があります。だから、預貯金等につ
いてもお聞かせいただかなくてはなりません」

  「私には守秘義務がございまので、ご安心ください」

  「以上 納得いただけたでしょうか?」

顧客「わかりました」と○を付けていただく。

それでは、まず始めに・・・・と始まるのである。

いよいよ、顧客情報を聞いていく。
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