英亭*B Edition*

映画・舞台・TV・漫画など趣味全開で独断と偏見で、書き綴り……ます。

蟻の兵隊

2006-08-30 01:42:47 | 映画感想2006劇場
蟻の兵隊
20060829火19:00-20:43/長野市女性会館しなの木ホール(242席)/さ-14/前売券¥1,000/雑誌:シネ・フロント(特集記事)¥700、B5/7~8割位/
ヴィスタ*一部スタンダード/stereo?/101 min/一部字幕:右・一部左、書体:映画フォント、説明文:下(丸ゴ)

(★★★・)
否、こういう現実があると知れた事が素晴らしい。年々関わった人が減っていくのは避けられない事であり、今こそ真実を明らかにすべき事でもあると思う。国が頑なに認めなくとも、この映画が全てを物語っている。

明らかなる証拠と証言があるにも拘わらず、真実を覆い隠すかのように認めようとしない国。都合の悪い事はすり替え、無かった事にしようとする、責任から逃げる、兵士個人の責にしようとする、嘆かわしい事です。

小泉よ、亡くなった、靖国神社に祀られた者を参るよりも、現実に今も苦しんでいる元兵士たちこそ救うべきでは、現実に起こった事を認め、真実を明らかにすべきではないのかッ!?

国・上官の命令に従わなければならない兵士もまた、戦争の犠牲者であろう。

日本兵、中国の売国奴に辱めを強いられた中国人女性、きっと思い出したくもない語りたくもない真実であろうに…。終戦後に上官の命令で中国人を殺さねばならなかった奥村和一さんに対する彼女の『貴方は好きでやった訳ではない、悪人には見えない、奥さんに話しなさい、隠す事など無い』と言うような台詞に、胸を突き刺され、目頭が熱くなる。

シリアスだけでは疲れるところに、合間合間にユーモラスな描写もあり、息詰まることなく鑑賞出来た。これは残すべき記録映画だ。

映画館での上映は少ないようですが、全国各地で上映会もあります。お気楽な娯楽作品ばかりでなく、たまにはこういう映画に目を向けてみるのも良いのではないでしょうか。


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