英亭*B Edition*

映画・舞台・TV・漫画など趣味全開で独断と偏見で、書き綴り……ます。

13歳の夏に僕は生まれた *Quando sei nato non puoi ~

2006-09-05 02:42:50 | 映画感想2006劇場
13歳の夏に僕は生まれた」Quando sei nato non puoi piu nasconderti
20060902土13:45-15:50/長野ロキシー1(264席)/前9左8(2-14-)/¥1,000、特別優待割引/プログラム¥700、A4W/6人/
スコープ/SRD/120 min/字幕:右、書体:丸ゴ、翻訳:金丸美南子
ブザー/暗転-ヴィスタ縮み/ナチョ・リブレ 覆面の神様v/THE WINDS OF GOD -KAMIKAZE- ウィンズ・オブ・ゴットv/スコープ拡大

(満足度:★★☆・)
裕福な家庭で育つ少年が、ひょんなことからイタリアの不法移民問題に直面し、少年から大人へとなる瞬間を画いた、心に染み入る作品でした。

作品としては高評価をもたらす内容ですが、早起きして2本目の鑑賞で、お疲れ気味という事もあり、題材的にやはりちょっと思い部分もあり、もっと映画的な面白さがあれば満足度も高くなるのですが、作品自体の評価とは別に満足度はこんなモノになってしまいますね。

タイトルの翻訳は“生まれたからには、もう逃げも隠れもできない”劇中でもその台詞は出て来ましたね。

放り出された海から助けてくれたのは不法移民の船に乗った兄妹、自分を助けてくれた彼らを少年とその両親は助けたいと思うがそこには問題があり…。

たまたま、山口の高専で殺人事件が起こり、被疑者は19歳、日本の法律上では少年に当たるので、公開捜査に踏み切れず、未だに被疑者確保に至っていない。もし、成人であれば、公開捜査ができ、既に事件は終息に向かっていたかも知れない。日本では20歳以上が成人、世界各国を見ても20歳以上でという国はごく僅か、本作の舞台のイタリアでは18歳以上が成人であり、もしも不法入国者が18歳以上であれば強制送還になるのだ。それがこの作品のキーポイントにもなる訳ですが、果たして年齢だけで大人か子供かの判断が出来るのかというのも問題な訳で…。

対比になるカットなどで、それぞれの置かれている状況を巧く説明したり、映像的にも美しかったり、派手さはありませんが、考えさせられる作品ですね。不法移民とかはイタリアだけの問題ではないでしょうが、日々の生活を送っている中では、こういう現実に目を向けようともしない、深く知ろう考えようともしない、そして何が出来る訳でもない自分が歯がゆくも情けなくも哀しくも思える訳で、ラストショットが心に染み渡ります。

マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の「輝ける青春」も観たいところですが、6時間の超大作なので覚悟が必要ですね。

こういう作品が長野でも普通に観られるようになった事が嬉しいなぁ。只、動員が芳しくない事が残念です。今後も単館系の良質な作品がラインナップされているので、経営が成り立って貰わないと困ります。東京で話題になっている時に上映、広く一般への宣伝の行き渡りが出来ないと厳しいのでしょうね。

採録シナリオは嬉しいけど、広告に4ページも割き、しかもカラー。文章量・内容量から考えるとこのプログラムが¥700とは高すぎる。まぁ、ル・シネマ作品全体に言える事でしょうけど。
(20060905火脱稿、0908金追記)


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