美杉の小さな庭でおきていること ~カフェ葉流乃音のつれづれ~

 町ナカ(大阪府堺市)から
 山ナカ(三重県津市美杉町)に移住した店主夫婦が
 日々のアレコレを写真とともに綴ります

かこさとし「未来のだるまちゃんへ」

2019年07月25日 | 本を紹介

 

 

 

「かこさとし」という名前は、以前から知っていたし

『だるまちゃんとてんぐちゃん』や『からすのパンやさん』などは

「読んだ」というか、「見た」ことがあります。

でも、「幼児向けの絵本を書く人」という印象以上に

特に気になる作家というわけではありませんでした。

 

気になりだしたのは、2018年5月2日、かこさんが亡くなったあと

テレビで、かこさんのやってきたことを知ってからです。

すごく惜しい人を亡くしたんだと、初めて気づきました。

 

今回、2号が図書館で借りてきて「すごく良かった!」というので

早速、僕も読ませてもらったんですが、これが本当に良かった!

88歳になった、かこさんが

幼なかったころからこれまでの人生を振り返っているのですが

まるで著者自身の遺言なのかと思えるほど、しっかり語り尽してくれています。

2014年の本ですから、亡くなる4年前に出版されているんですね。

 

かこさんは、19歳で終戦を迎えます。

そのとき、大人たちが手のひらを返したように態度を一変させたことで

大人(自分も含めて)は信用できないと考えます。

戦地で死んでいった多くの級友たちのことを思い

生き残った自分がどう生きるかについて真摯に悩みます。

 

本当に悩みぬいたあと

未来を担う子どもたちにしっかり向き合いながら生きてゆこうと決意します。

月曜から土曜まで、残業や付き合いもこなしながらフルタイムで働き

日曜日にボランティアで地域の子どもたちに自作の紙芝居を読み聞かせる。

そんな生活を47歳まで続けたのち、絵本作家として独立しました。

 

「子どもたちがいなければ自分は絵本作家にはなっていなかった」と語るように

かこさんは、子どもたちにまみれ、子どもたちと共に生きたんですね。

眼差しのやさしさと、謙虚さ、丁寧さ、粘り強さ、ユーモアのセンス

そして、ちょっと頑固そうなところも魅力です。

 

600冊もあるという著作ですが

できれば全部読んでみたいな、なんてちょっと考えています。

 

                          はるのん1号

 

 

コメント (7)
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