遺跡好き弁護士の一(はじめ)法律事務所

遺跡好き弁護士射場守夫は現在奈良県大和高田市一法律事務所にて業務中!遺跡紹介とたまに法律や仕事のお話をいたします。

櫛山古墳(天理市)

2012-05-04 21:24:51 | 日記
櫛山(くしやま)古墳に行ってきました。

この古墳は、天理市柳本町の国道169号線を桜井市方面に南下していくと、柳本の信号を過ぎたところに行燈山古墳(伝崇神天皇陵)の駐車場がありますから、そこに自動車を駐めて行燈山古墳の裏側に回っていきます。

全長155メートルの双方中円墳です。前方部の反対側にももう一つ前方部が取り付けられたような珍しい形をしています。
以前、すぐ隣の行燈山古墳に行きましたが、そのときはこの古墳まで見る余裕はなかったのです。
行燈山古墳もこの古墳も柳本古墳群をなしています。

堀に水をたたえていてきれいですね。しかし、これは後の世に作られた灌漑用水だそうです。実際は空堀だったようです。

行燈山古墳と違って陵墓指定されていないので自由に立ち入ることができます。

このように古墳に通じる遊歩道がついています。
しかし、せっかくですから遊歩道のない墳丘の北側に回ってみました。下から見るとこんな感じ

段築がよくわかりますね。段築というのは墳丘を階段状に盛って行った状態のことです。この古墳は3段築成です。

さて、ここから我が愛機ipad-2を携えて道のない墳丘を上っていきます。ipadは、出張などの仕事にも欠かせない存在になりつつありますが、遺跡巡りでもマップを使ったナビや写真撮影に大活躍です。ただ、違いは弁護士の仕事に比べて遺跡巡りはいちいちほこりっぽかったり、虫や蜘蛛の巣にも気をつけなければならないところです。
「こんなことするためにあんたに買われたんじゃない!」というipad-2の心の叫びが聞こえてくるようです。

それはさておき、前方部墳頂にたどり着きました。

これは前方部の墳頂から後円部の方向をとったもの。

前方部から下を撮ったものです。3段築成がよくわかりますね。

これは後円部の墳頂。発掘の埋め戻し跡でしょうか? へこんでいますね。
後円部から周りを見回すと、反対側にも方形の墳丘を発見。

これはその墳丘上から下を写したものです。きちんと角があることや段築があることがわかりますでしょうか?

櫛山古墳は、4世紀後半築造のようで、行燈山よりも少し後になります。埋葬施設は、長さ7.1メートル、幅1.4メートルの竪穴式石室で、長持形石棺の破片が出土したようです。前方部の反対側につきだしたもう一つの方形の墳丘には白い石が敷き詰められて祭祀に使われていたようです。
すでに盗掘を受けていたようですが、それでも石釧(いしくしろ)、車輪石、鍬形石(くわがたいし)といった腕輪形石製品や鉄剣、管玉(石を小さいマカロニ状に加工したもの)が出土しています。

双方中円墳と言えば香川県の岩清尾山古墳群の猫塚にも行ったことがありますが、そのうちご紹介できるといいですね。


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