華麗なる腑抜けの世界

倦怠感溢れる日々を称揚しつつ

職業と趣味

2006-06-22 09:03:17 | 日々のひとりごと
 私が一番好きなニュース番組は、フジテレビで23時半からやっているNEWS JAPANである。コメンテーターの意見に、あまり偏りがみられないからである。それでいて、言うべきことはきっちり言っている。保守左派のスタンスで、安心してみていられる。この番組を支えているのはクリステル滝川アナの美貌と和田、箕輪両解説員の鋭いコメントであろう。
 その和田解説員が、先日離婚した。前妻は有賀さつきである。有賀氏は離婚後いくつかのメディアに出演し、和田氏の趣味嗜好などを暴露していた。じつに下品な振る舞いである。しかしである。和田氏の意外な趣味嗜好に、私もはじめはびっくりしたが、それもいいかなーと思った。一方で、「あの聡明でまじめな和田さんが紫色の部屋に住んでるなんて、嫌だ。気持ち悪い」と思う人も結構いるようだ。その人たちの気持ちもわからんでもない。
 ニュースキャスターやニュース解説員などといった人たち、あるいは官僚でも政治家でも学者でも銀行員でもいいが、お固い仕事の人たちは、少しでも変わった趣味を持っているだけで、ものすごく騒がれてしまう。石破茂元防衛庁長官などはプラモデルマニアということで変わり者扱いされ、モーニング娘。のファン故に「キモイ」とされた。麻生太郎外相は良家の出でありながら漫画好きというだけで、かなり好感を持たれている。何故だ。仕事をきちんとしておれば、趣味で何をしようが構わないじゃないか。石破氏がモー娘。のメンバーにいたずらするとか、麻生大臣がゴルゴ13のマネをして谷垣財相を射殺するとなれば問題だが。
 それにお固い仕事をしている人、激務を課せられている人こそ、オフの時はパッと羽目を外して方がいいんじゃないか。チャーチルなどは「レンガ積み」なる珍妙な趣味を持っていたし、外交官が幼児プレイをたのしむ、あるいは銀行員が女装するなどということもあるにはあるらしい。しかし幼児プレイも女装も犯罪ではない。和田氏の家の壁紙が紫であったっていいではないか。
 趣味が仕事に活きる場合もある。石破氏の著書『国防』を読むと、彼のプラモデル趣味、乗り物好きが、氏の国家防衛論構築に少なからず影響を与えていることがわかる。また麻生氏は、漫画を通して世相を読み取っている。
 またパブリックな顔とプライヴェートの顔との間に多少のギャップがあった方が、人間としての面白みがある。滝川アナとてああ見えて駄菓子好きである。
 ピエール・ブルデューなんてフランスのえらい社会学者の人が分析してるが、かの国では階層と趣味が一致している、というか皆が階層にふさわしい趣味を楽しむ傾向にあるらしい。格差格差と声高に叫んだところで、日本には階層などはなく、皆が好きな趣味を楽しんでいるように感じられる。

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