華麗なる腑抜けの世界

倦怠感溢れる日々を称揚しつつ

フランスという女

2006-06-18 22:43:20 | 海外
 私はしばらくフランスにいたことがある。帰国したのは去年の12月だが、帰国準備をしている頃、私の下宿近くで暴動があった。北アフリカ系移民による大規模なものであった。おかげで煙草を買いにいけなかった。あんな大規模な暴動が自分の身近で起きようとは、予想だにしなかった。夜間外出禁止令下におかれるのは、生まれて初めてのことである。
 こちらに戻ってきてから、書店である雑誌を見つけた。『現代思想 2006年2月増刊号特集 フランス暴動 階級社会の行方』である。バリバール、バディウ、ジジェク、ネグリ、ボードリアールなども執筆しており、なかなか読み応えがある一冊であった。この中で、あるアフリカ系フランス人ラッパーの歌の歌詞が数回引用されていた。ラッパーの名はムッシューR。セネガル移民の三世である。歌詞は以下の通りである。

 フランスはヤリマン女
 くたくたになるまで姦っちまえ
 売女同様に扱え
 フランスはひどい母親
 道端に自分の息子たちをすてて、知らん顔

というものである。この歌は、フランスと暴動を起こした(主に)アフリカ系の移民との関係をうまく表現している。旧宗主国に移住し、権利を享受し(ときに必要以上の権利を要求し)てきたが、やがては見捨てられる移民の心情が見て取れる。フランスは、簡単にセックスさせる女性のように、旧植民地の人たちを国に迎え入れた。しかし、子供を手に余した母親の如く、フランスは彼らを処断し始めた。他のアフリカ系移民のアーティストもまた、似たような歌詞を書いているようである。
 日本もまた「女」である。フランス同様に植民地政策を採っていた国である。今現在、日本は「ヤリマン」(飯島愛)というより「レイプ被害者」(木村多江)くらいではないだろうか。「子を捨てるひどい母」(畠山鈴香)になる必要はないが、「肝っ玉母さん」(京塚昌子)あるいは「しつけに厳しい怖いお母さん」(野際陽子)くらいになる必要があると思われる。「きれいでやさしく知的な奥さん」(水野真紀)になるのは無理だろう。そんな国はまずないし(理想だけど)。
 極右政党党首のルペンが大統領になりかけ、サルコジ(写真)のようなタカ派の政治家が高く評価されている今のフランス。もともと左寄りの国だったのに、この有様である。このような極端な右傾化の前に、日本も旧植民地の人々との関係を、今一度熟考すべきではないか。

朝のテレビ体操@フランス

2006-06-04 18:50:52 | 海外
 我が朝のテレビ体操はこんな感じである。

 

 静的というか、味気ない。どこか機械的である。翻って七つの海の向こう側ではこんな感じである。

 

 朝7時からこのテンションである。お姉さん、いい笑顔でハッー!!!。男性がひとり交じっているのがミソである。こんなことこんなことにもなっている。(*'Д`)ハァハァ。カメラワークからして、若い男性視聴者の獲得の意図もあるのだろう。

 まあ、この番組を放映していたフランスのテレヴィ局・M6(エムシス)局は、テレビ東京とかテレビ神奈川に近い番組作りをしているわけで、日本の、それもNHKと比較しても詮無きことなんだろうけど…。そういえばM6の情報番組は、どこか「おはスタ」や「sakusaku」と同じ香りがする。チープでキッチュな感じがどことなく似ている。たまに大ヒット番組を生み出すあたりも。ちなみにこの番組は去年の夏期ヴァカンスの頃に放映されたものであり、「HIT FORME」という番組である。当時かの国にいた私は、この番組を見たいが為に、早起きを心がけたものである。朝から目がとろーんとしています。