ソウルの南、利川郡周辺には李氏朝鮮時代の分院(ブンウォン)官窯跡が多く、現代陶芸家の窯場は数十箇所も増えた。
著名なT窯の運転手、劉君はとても人懐っこい顔の青年でよく気配りもしてくれる。窯場の賄いをする老夫婦のキムチは私が今まで食べたキムチの中では最高の味と思っている。私の嗜好もあるが、やや辛いが二十種類もの具が溶けて魔味が口に広がる。
近くの水下里から通ってくる劉君がロクロ工の洪(ハン)君と昼飯を食べている。中を覗くと、もちろん洪君のおかず入れの七割は真っ赤なキムチであふれている。
劉君はにほんの白菜とそっくりのものが入っている。
「劉君、どうしてキムチを食べないの?」と私が尋ねると
「食べているヨ」と答えた。
「芥子がないのにどうして?」
「ははははは・・・イエンナリキムチヨ」と少年の顔をして笑った。
「昔のキムチは芥子なしか?」私は新発見した。
「辛いものはだめヨ、俺のキムチは昔の沈菜(チムチェ)ヨ・・・」
「チムチェ?」
彼はとても縦長に沈菜と漢字を地面に書いた。
なるほど、日本の白菜漬と同じだな・・・と思って、彼の沈菜をつまんだ。
独特の甘みは少なく、ニンニクの匂いが強かった。
16世紀に日本からきた唐辛子をこの沈菜に使うようになってキムチが生まれたことをはじめて知った。
著名なT窯の運転手、劉君はとても人懐っこい顔の青年でよく気配りもしてくれる。窯場の賄いをする老夫婦のキムチは私が今まで食べたキムチの中では最高の味と思っている。私の嗜好もあるが、やや辛いが二十種類もの具が溶けて魔味が口に広がる。
近くの水下里から通ってくる劉君がロクロ工の洪(ハン)君と昼飯を食べている。中を覗くと、もちろん洪君のおかず入れの七割は真っ赤なキムチであふれている。
劉君はにほんの白菜とそっくりのものが入っている。
「劉君、どうしてキムチを食べないの?」と私が尋ねると
「食べているヨ」と答えた。
「芥子がないのにどうして?」
「ははははは・・・イエンナリキムチヨ」と少年の顔をして笑った。
「昔のキムチは芥子なしか?」私は新発見した。
「辛いものはだめヨ、俺のキムチは昔の沈菜(チムチェ)ヨ・・・」
「チムチェ?」
彼はとても縦長に沈菜と漢字を地面に書いた。
なるほど、日本の白菜漬と同じだな・・・と思って、彼の沈菜をつまんだ。
独特の甘みは少なく、ニンニクの匂いが強かった。
16世紀に日本からきた唐辛子をこの沈菜に使うようになってキムチが生まれたことをはじめて知った。