吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

昭和初期の大阪 六十一

2006年10月21日 07時54分38秒 | 玄界灘を越えて
昭和初期の大阪  六十一                             金谷点柱(こんたにてんちゅう)
 …母ちゃん!ウメちゃんは秀才やけど、タカマガハラついとるんやろ!…
 ある日、朝ごはんを食べながら母に聞いた。
 …なんじゃねそのタカマガハラは?金光さんのかい?…
 …そうや、雨がくるとか天気がようあたるんや!…
 …どこにもそんな子はおるもんじゃ!母さんの子供の頃にもそんな子おったぞね!…
 ぼくはウメちゃんはチョンチュウおんちゃんの言う通り、カミサマの入った子やと思った。
 こないだ、北海道のお父がいつくるんやろ?と聞いた時、きゅうに顔をかなしそうにしよったがなんやろう?とぼくは心配になった。
 …ウメちゃん!こないだ聞いた北海道のお父の話、どうなったんやろ?…
 ある日曜日、チョンチュウおんちゃんが用事で遠くまででかけたので、ウメちゃんちの仕事場で聞いた。
 …あ、あ、あーかん、のゃ!ヒ、ヒ、ヒーろちゃん、が、ほ、ほ、っかーいどうへ、い、  いてまうんや!…
 …ぼくはいかんでェ!ここにおるんや!心配せいでええわ!…
 …そ、そ、やない!二、二年生にな、なったら行くでェ!…
 …ぼくが言うとるんや!行かへん!行かへん!…
 …う、うめだえ、えきへ行ったんや、ぼ、ぼく!…
 ぼくはウメちゃんが時々どきっとすることを…とチョンチュウおんちゃんが言うたんはほんまやと思った。
 ウメちゃんが一人で梅田駅に行くわけもないのに…けったいな子や。

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