竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

北朝鮮が求める200万kWの電力の軽さ

2007年02月11日 | Weblog

北京で北朝鮮問題を話し合う六ヶ国協議がはじまっている。焦点の核開発の放棄と引き換えに、北朝鮮は食糧支援、金融支援、石油と電力のエネルギー支援などの要求を迫っている。今回は、久しぶりにこの話題である。

日本政府は、拉致問題が北朝鮮との最大課題と考えているのかも知れないが、国際社会では「北朝鮮の核」が最大の問題である。「北朝鮮の核」に最も攻撃される可能性が高い国は、実はアメリカ軍の基地がある日本と韓国であり、間違いなく日本にとっても最重要課題なのだが、現閣僚たちは、そのような視点はお持ちでないようである。

アメリカを含む世界の主要国が「北朝鮮との対話」を重視するのは、この危険な「核」を持った北朝鮮の暴発を恐れるからだ。韓国は朝鮮戦争から続く地続きの隣国との緊張関係の中で、「対話」と「安定」の重要性を肌身に感じるようなったようだが、国土が戦闘の場になるという実感を抱かない日本では、一般の人々にもこの危機感がまったくないようである。

日本国憲法による「平和ボケ」と揶揄するむきもあるだろうが、むしろ北朝鮮を敵視する人の方に「北の核」を甘く見る傾向があるように見えるのは間違っているだろうか?

憲法は自国の平和を求めているだけでは平和はつくれず、広く全人類の平和を求め、「自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と全文でうたっている。今の緊張感のなさは、この60年間、私たち、また政治の担当者が、それを実現しようと努力してきたのか・・ということが、ここに来て問われているのである。

「不断の努力」がなければ「平和ボケ」にもなるだろう。これは改憲論者にも護憲論者にも、これまで何をしてきた!と厳しく問われなければならないテーマであるだろう。

さて北朝鮮の要求である。国民の飢えは、この冬がクライマックスとも伝えられていたが、ついに支援のないまま冬を終えようとしている。史上まれに見る暖冬であったことが、北朝鮮にいる人々にとっては幸いしたのかもしれない。比較的ゆとりの構えで、六ヶ国協議に要求を突きつけている。

50万トンの石油や200万kWの電力がいったい何に使われるのか、厳しく精査すべきとの意見もあるだろう。しかし、その精査をさせる国かどうかは、その前からわかっていることであろう。

少なくとも200万kWの電力は1994年の米朝枠組合意で、一度はアメリカや日本も北朝鮮の原子力発電所閉鎖の見返りに認めたもの、そのままの数字が出てきているだけだ。

平和をつくるためには、少なくとも核施設の閉鎖を北朝鮮が受け入れる姿勢を示したということを評価すべきではないのだろうか?ここで押し戻したからといって、日本にとって、アジアの平和にとって、どれほどのメリットがあるのだろう。

ちなみに200万kWは原発2基分の発電容量だ。日本にはこの25倍の原発がある。夏場の最大電力はおおよそ1億8000万kWだったと記憶している。今回北朝鮮が求めている電力の90倍である。

冬場は電力需要は低下し、約5000万kWの原発出力より下回り。そんなときは揚水発電所で深夜せっせと水をしたからポンプでダム湖に上げるという作業をして電気を使う。昼には、発電もしないで水を落として捨てる。つまり毎晩電気が捨てられている。その量だけでも200万kW相当分を超えているだろう。

まあ、送るとなれば、巨大な送電システムが必要となり、そう簡単ではないかもしれないが。



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