nikkurei社長のひとこと**ケアマネは希望の星だ**

ケアマネジャーに笑顔をもたらす会社です
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ケアマネ太郎日記

2011-12-13 22:06:41 | ケアマネ太郎日記
「今度はさぁ、うちから入院した入居者が酸素療法が必要になってもどることになったら、どうするのですか、だって。新しい施設長が言うのよ。そんなの病院にきまってるじゃない、ね。そうは言わないけど、うちじゃ介護ができないから、どこか病院を探してもらいます、って答えたら、なんといったと思う」今日もルコから電話だ。ルコはこの地域で中心的な施設のケアマネジャーをやっている、一ノ瀬瑠璃子という、自分のことをルコと呼ぶことを強制する女性で、用もないのによく私に電話をかけてくる。今日も新しい依頼のあったお年寄りの訪問を終えて事務所に戻った途端に電話がかかってきた。ルコはどこかで見張っているのではないかと思うほどにタイミングよく電話をかけてくる。
「そしたらさ、施設長ったら、その方は病院をたらい回しにされることになりますね。その方の人権とか、はどうなるのでしょう、だってさ。そんなこと言ったってうちじゃ見れないだから無理じゃない。なのに施設長ったら、そういうのよ、どう思う」
そもそも施設内のことを私に言うのはどうかと思うが、「どうって、施設長はなにか考えがあるじゃないの」
「なによ金子さんは私より施設長の肩をもつの」
どうしてこういう方向に話がいくのか、適当に話を濁して、なんとか電話を切る。私には今日の訪問をまとめる作業があるのだ。今日の相手は頑固だった。頭はクリアだが、考えというか思いというか、とにかく私の話をそのまま聞かない人だった。人間を長くやっていればどうしても自分の考えという、人生観というかが出来てくるものだが、それでも多少はこれからの自分の生活を考えるものだが、この人はなぜか自分の枠から出てこない。どんなときでもケアマネジャーの自分にとって話の初めは介護保険の話になる。ただ、その人によっては細かく説明するときと簡単に話して何回も説明するときとあるが、細かく説明しても要約だけの説明でも、この人は私の説明に反応がない。そこで部屋にある写真とか賞状とか仏壇のこととかに話を振ってみたが、これも時々頷くだけ。そんな反応を頭にいれて今日は帰ってきた。今度は時刻を変えて訪問してみるか、曜日か、それとも服装かもしれない、など、考えながら、今日の報告書を書く。こうして文書にしてみると意外に見落としていたことに気がつくこともあるのだ。病気はどうだ、受診先はどれくらいの期間掛かっているのか、痛みはあるのか、そのほかに心配ごととかあるのか、1つ1つ考え直してみる。どこかに接点はある。今は見つからなくとも次回の訪問では、こうしてみよう、あの話題はどうか、など、考えながら書類をまとめていく。そんなふうに書いていて気になる部分にマーカーをして、次回に試してみることがいくつか出てきたので、まだ希望があることが分かり少し安心した。
私にように独立して一人ケアマネという居宅介護支援事業所で仕事をしているときりがなくいつまでも仕事をしかねない。こういう環境だとどうしても自己管理がおろそかになりがちになるので、いつもは勤務時間で一旦は切り上げる。どうしても仕事をしなければならないときは、ジョギングとかをして気分を変えて、また、仕事をすることはあるが、今日は一安心したところで切り上げることにした。ルコの話も気になっている、電話のときにバーに誘えば良かったかと思ったが、今日の訪問のことが頭にあったのでルコを誘うことまで気が回らなかった。いま、書類を書き終え、一応の整理ができたことでルコのことが気になってきた。とりあえず今晩はバーにいって気分転換を図ることに決めた。
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