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幸田真音著「あきんど」読了

2011-12-11 21:35:57 | Weblog
幸田真音の小説は「ヘッジファンド」に代表されるように経済に題材をとったものが中心で、この本を手にしたときもいままで通りの経済に題材をとったもんだろうと期待をしていなかった。が、これは江戸末期、近江商人の物語で時代小説だった。テーマは焼き物を新規事業として開拓していく商人の姿とその藩主となるあの大老井伊掃部守との話である。
さすが経済小説でことをなしただけあり、たんなる時代小説にとどまらず、起業家にとって参考になる。ここにえがかれているのは事業コンセプトから始まる起業の過程が描かれ、寄合商いという出資者を募る資金調達の方法、借金申込のために策定する事業計画書、人材確保、原材料調達と製造方法の確立、販売方法とブランド確立方法と今の起業家にとっても参考となる。終わりの法は息切れ憾があり表現に無理が読み取れるが長編小説として読み応えがある。何度でも読み返すかもしれない。
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