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有馬温泉と神戸三宮を結ぶ路線バス大幅減便の背景

関連ブログ・・・2022/2/22付有馬温泉の手前の隘路を回避する「有馬口トンネル」ようやく開通

上記ブログで、(3/30の有馬口トンネル開通後は)「下の道を走るのは唐櫃台の住宅地に用のある車や路線バス(唐櫃団地前のバス停あり)くらいでしょう。」と書きましたが、ここを通る有馬温泉と神戸三宮を結ぶ路線バスは4月1日以降もトンネルを通りません。

https://www.hankyubus.co.jp/news/images/20220314y.pdf

ただ、「唐櫃団地口」(こちらが正当)のバス停名称は「唐櫃台駅」に変わります。

そして、4月1日に大幅減便が実施されました。(上記告知文では「運行本数、発車時刻を変更いたします」の表現になっていますが)

具体的には、12往復から7往復への減便です。

改正前・・・三宮駅前発 9:00,9:55,10:35,11:40,12:45,13:10,13:45,14:45,15:15,16:25,17:15,18:40

改正後・・・三宮駅前発 9:00,9:55,11:40,12:55,14:15,15:15,16:25

https://www.hankyubus.co.jp/rosen/timetable/117504.pdf

この路線は全区間で鉄道線と並行しており、朝の通学時間帯に運行されておらず(有馬温泉側の始発は改正前後とも8:45)、バス停が鉄道に比べてたくさんあるわけでもなく、利用者は専ら有馬温泉への客です。

そして、コロナ禍前にはインバウンド客もそこそこいたものの、圧倒的多数が高齢者でした。その理由は、

 「70歳以上の神戸市民は、敬老優待乗車証(敬老パス)を使えば僅か110円で乗れたから」

なんですね・・・

その昔は70歳以上の神戸市民は敬老パスを使えば市内を走る多くの路線バスに無料で乗れましたが、高齢者の急速な増加と財政状況の悪化で継続が困難になり、2008年から1乗車あたり100円を自己負担する仕組みに変わりました。

但し、市街地を走るバスが200円均一(注)なので「半額」なのに対し、西区や北区など郊外を走るバスや、郊外と三宮など都心を結ぶバスは距離により700円~800円の運賃になるにもかかわらず同様に100円(注)払えば乗れるようになっており、お得感が全然違う状況が10年以上続きました。有馬温泉~三宮間の運賃は所定だと700円近くなので「お得」に属しました。 

(注)その後消費税率アップでそれぞれ210円均一、110円に変更

そして、さらなる高齢者の増加と財政状況の悪化から、2020年10月から市街地・郊外を問わず「小児料金と同額」に変わりました。

https://www.city.kobe.lg.jp/documents/26472/touzitusiryou.pdf

https://www.asahi.com/articles/ASN457JV6N39PIHB02L.html

https://www.city.kobe.lg.jp/a39067/kenko/fukushi/koreshafukushi/am02/yutai/keropass/index.html

2022年3月時点では敬老パスを利用しても有馬温泉~三宮間は360円(所定の運賃は710円)となり、お得感が大きく失せています。

一方、有馬温泉~三宮を鉄道で移動する場合、以前は途中に北神急行電鉄を挟むため1000円近い運賃でしたが、2020年6月に北神急行電鉄を神戸市が買収し地下鉄と同額としたために、現在は680円で乗れます<路線バスと逆転>。これで、非高齢者も鉄道にシフトしたことでしょう。

ちなみに、有馬温泉~三宮間にはリクライニングシートの高速バスも走っており、こちらの運賃は780円です。

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