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延伸のメドが全く立たない日立バイパスについて(前)

茨城県日立市の玄関口である日立駅の駅舎は、地元出身で世界的に活躍する建築家・妹島和世氏が設計した美しいガラス張りの橋上駅舎で、東側からは太平洋が一望でき全国屈指の眺望を誇る駅となっています。

https://www.city.hitachi.lg.jp/citypromotion/hitachikaze/boasts/view/p091198.html

そして、その眼下には立派な海上道路である国道6号日立バイパスが通っています。付近のGoogleMapはこちら

日立バイパスは、日立市街地の交通渋滞の緩和と生活環境の改善を目指し、市街地の西側を縦断する国道6号のバイパス道路として計画されました。山と海に挟まれた狭い平地は住宅や日立系の工場で埋め尽くされているので既に新たな道路建設の余地はなく、海岸沿いに活路を見出しました。

https://www.ktr.mlit.go.jp/hitachi/hitachi00746.html

1984年に日立市河原子町~同市田尻町間10.4kmが都市計画決定され、1994年の東滑川町~田尻町間0.5kmを皮切りに北側から順次延伸開通していきましたが、2008年3月に旭町(JR日立駅の南東側)まで開通した時点で計画はいったん見直しとなりました。

以南の区間については2011年に改めて概略設計が公表され、翌2012年に都市計画変更が決定されました。

https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000036181.pdf

ポイントは、当初の「河原子町付近までずっと海岸沿いか海の上」のルートから、「中間点の旧日立電鉄鮎川駅付近までは海岸沿いだが、以南は国道245号の拡幅で対応し、国道245号沿いの日立電鉄の廃線跡も活用する」ルートへの変更で、これにより事業費の抑制が見込めることとなりました。

これを受けて、旭町~旧鮎川駅付近の間は2012年に「日立バイパス(Ⅱ期)」として事業化されましたが、以南については2023年時点でも事業化に至っていません。

もともと日立電鉄の廃線跡を利用したバス専用道(ひたちBRT)は旧鮎川駅付近までを整備する計画となっており、なかなか事業化されなかったのはこちらとバッティングすることを考慮したのかもしれませんね。ただ、2023/9/3付ブログ記事「ひたちBRTの第3期計画の変更(日立電鉄の残る廃線跡は活用せず?)について」で書いたように該当区間は既に整備対象から外れており、障壁は既になくなったはずですが・・・ 

一方、旧鮎川駅付近と国道6号を結ぶ都市計画道路「鮎川停車場線」は2023/5/24に茨城県道として供用開始されています。

https://www.pref.ibaraki.jp/doboku/takado/keiyaku/r5ayukawateisyajousenkyouyou.html

https://trafficnews.jp/post/125325

(つづく)

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