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続:渡島半島西岸の国道の大規模な土砂崩れ→当分は迂回路を通行へ

2022/2/20付ブログ渡島半島西岸の国道の大規模な土砂崩れ→当分は迂回路を通行への続きです。

1.復旧方法と復旧時期について

3月14日に開催された第4回「国道229号乙部町館浦地区斜面対策技術検討会」で、復旧方法は「現場の山側に別線トンネルを掘削する」ことに決まりました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/douro/v151sd0000000sar-att/v151sd0000004qy7.pdf

詳細資料の29ページ目を見ると、事業期間・事業費・施工時の安全性・土石流及び地すべり地形の影響・地域資源の影響等の5つの評価項目をすべて達成可能ということですが、それでも「事業期間=約7~10年、事業費=約140億円~190億円」となっており、場合によっては新幹線が札幌まで開通する2030年代初頭でも迂回が続きそうです。

 

2.応急復旧短絡路について

さて、このことを報じた函館新聞の記事(函館新聞電子版では会員登録しなければ読めませんが、北海道ニュースリンクに配信された記事はそのまま読めます)には、

http://www.hokkaido-nl.jp/article/24792

「普通車、緊急車専用の短縮ルートを確保しようと、乙部町道館浦鳥山線を活用した応急復旧短絡路(3・1キロ)の工事が進められており、乙部町は4月の開通を目指す」の文言があります。

この道路は当該区間の崖の上を走る国道229号の旧道ですが、現場付近の地理院地図によれば、区間の北側3分の1の崖から平地に下りる部分が軽車道(幅1.5m以上3m未満道路)で表されており、国道の迂回路としては活用できない状態でした。この区間を対象に地元乙部町が「地元住民や緊急車両のため、普通車が通れるレベルまでの緊急整備」を行ったわけです。

乙部町の広報「広報おとべ令和4年5月号」を見ると、12ページ目に「応急復旧短絡路開通に関わった松本組、斎藤建設に感謝状を贈呈」という記事があります。

その松本組はYouTubeチャンネルを開設しており、3月29日に「一般国道229号 乙部町 館浦北応急復旧工事|着工前|施工中|完成|松本組|」と題する動画を公開しています。どのように整備したかが上空からの映像で一目瞭然です。

また、乙部町とほど近い厚沢部町の観光バス会社が、4月13日に「【国道229号通行止め】4月1日乙部町館浦地区応急復旧短絡路開通(再アップ)」と題する動画を公開しています。応急復旧短絡路を実際に走行して撮影しており、全区間にわたり2車線が確保されていることが分かります(急勾配や吹きさらしのため厳冬期の通行は厳しそうですが)。

 

3.電子地図での状況について

地理院地図では1.で書いた通りに昨年8月に国道指定された迂回路を国道229号として掲載していますが、2022年5月時点のGoogleMapではこの応急復旧短絡路を国道229号として掲載しており、被災した区間は国道指定を解除した扱いになっています(実際と大きく異なります)

https://www.google.co.jp/maps/@41.987155,140.1605855,14z?hl=ja

一方、Yahoo!地図やゼンリン地図(いつもNAVI)では、応急復旧短絡路は反映されておらず、かといって昨年8月に国道229号に指定されたはずの迂回区間も道道などで表記されたままです。この周辺部では、被災区間を含む元からの国道だけが国道229号扱いです。

 

4.現場付近の路線バスについて

所定で当該区間を走行する函館バスの江差と熊石(乙部町の北隣)を結ぶ路線バス<平日6往復、土休日5往復>は、2022年5月時点も迂回区間の実際の所要時間に合わせたダイヤ(夏期で5~10分程度、冬期で10~15分程度長くなる)には変更されておらず、函館バス公式サイトのトップページの左上にはずっと"「桧山海岸線」624系統は、国道229号「館浦~鳥山」の区間で当分の間、迂回運行の為、遅延が発生しております。"のメッセージが表示されています。

上記実走動画を見る限り中型路線バスであれば応急復旧短絡路の走行に問題はなく、バスは基本的に地元住民が利用するものなので応急復旧短絡路の走行対象になってもおかしくありません。もし応急復旧短絡路を通れるようになれば、以前とほぼ同じダイヤで運行できるはずですが、今後の推移に注目です。

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