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全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
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函館と札幌の間のミッシングリンク解消は2030年代後半!

2023-02-02 00:01:24 | 幹線道路(北海道)

2022/2/19付ブログ記事「函館と札幌の間のミッシングリンク解消はまだまだ先」の続報です。

北海道新聞のサイトに、2023/1/26付で「道縦貫道・大沼公園―七飯、30年代後半開通へ オオヌマトンネル、本坑掘削今春にも」のタイトルの記事が掲載されました。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/792860  (全文を読むには会員登録が必要)

オオヌマトンネルは全長7kmにも及ぶ道内最長の自動車用トンネルになるそうで、それ故に本坑掘削開始から完成までには15年前後の歳月が必要となるようです。

トンネル開通後も、所要時間は現在の国道5号より4分しか短縮されませんが、カーブ続きの2車線である現道よりも安全性は大幅に向上します。

 

そのオオヌマトンネルの詳細情報は、専門紙「北海道建設新聞社」のサイトに、ほぼ1年前の2022/1/31付で掲載されています。

https://e-kensin.net/news/143764.html

上記記事によれば2022年の夏から秋ごろまでに入札公告し、年度内に本坑に着工する予定なように書かれており、実際には若干遅くなっています。

本坑の西側30~40mの部分で2017年から先行して施工中の避難坑(北海道開発局管轄のトンネルでは初めてだそうです)は、それ故に本坑と同様の地質条件なため、こちらで掘削に関する知見を重ね、本坑にフィードバックしていっているようです。


渡島半島西岸の国道の土砂崩れ:応急短絡路は2022/12/21から雪解けまで全面通行止め

2022-12-05 00:50:40 | 幹線道路(北海道)

関連ブログ記事・・・2022/5/26付続:渡島半島西岸の国道の大規模な土砂崩れ→当分は迂回路を通行へ、2022/6/10付渡島半島西岸の国道の土砂崩れ:迂回路と応急短絡路

上記記事で紹介した国道229号不通区間の応急復旧短絡路(町道館浦鳥山線)ですが、やはり急勾配や吹きさらしのため厳冬期の通行は困難でした。

https://www.town.otobe.lg.jp/section/kensetsu/a849440000000zpv.html (乙部町公式サイト)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/765759/ (北海道新聞サイトの2022/11/26掲載分記事)

12月1日から夜間(夕方6時から翌朝7時までの間)通行止めとなっており、さらに12月21日から路面凍結の恐れがなくなるまで全面通行止めとなります。

通行止め区間の詳細はこちら

特に不通区間北側の町民にとっては不便になりますが、安全第一ですから致し方ないですね。

 

併せて、2022/5/26付記事で触れた「電子地図での状況」「路線バス」の続報も紹介します。

<電子地図での状況>

このブログ記事を書いている時点のGoogleMapでは、応急復旧短絡路は文字ベースにおいては国道229号ではなく町道館浦鳥山線扱いとされていますが、図上では国道と同じオレンジ色に塗られています。国道229号に指定された正式な迂回路には国道のおにぎりマークは付与されていますが、道道や町道と同様に白く塗られたままです。

https://www.google.co.jp/maps/@41.987155,140.1605855,14z?hl=ja

一方、このブログ記事を書いている時点でのYahoo!地図やゼンリン地図(いつもNAVI)上の扱いは、2022/5当時と何ら変わっていません。応急復旧短絡路は反映されておらず、かといって1年以上前に国道229号に指定されたはずの正式な迂回路も道道などで表記されたままです。この周辺部では、被災区間を含む元からの国道だけが国道229号扱いです。

<路線バスの状況>

該当区間で正式な迂回路(国道229号)を経由する函館バスの江差と熊石を結ぶ路線バスですが、相変わらず迂回による所要時間延伸を反映させたダイヤ改正は行われておらず、函館バス公式サイトのトップページの左上には1年半の間"「桧山海岸線」624系統は、国道229号「館浦~鳥山」の区間で当分の間、迂回運行の為、遅延が発生しております。"のメッセージが表示され続けています。

数年内に元のルートに戻る見込みは全くないのですが、観光客が乗車しそうな区間でもないですし、会社としてこれだけのために正式にダイヤを変更する手続きは不要と考えているのでしょう。今後江差営業所管内で大掛かりなダイヤ改正を行う機会に合わせ、所要時間に実態を反映する可能性は大いにありますが。


渡島半島西岸の国道の土砂崩れ:迂回路と応急短絡路

2022-06-10 18:22:43 | 幹線道路(北海道)

関連ブログ・・・2022/2/20付渡島半島西岸の国道の大規模な土砂崩れ→当分は迂回路を通行へ、2022/5/26付続:渡島半島西岸の国道の大規模な土砂崩れ→当分は迂回路を通行へ

発生から1年が経過した節目で、北海道建設新聞のサイトに特集記事が掲載されています。

6/9付 閉ざされた大動脈 乙部町229号岩盤崩落から1年(上)地域経済の深刻な打撃

6/10付 閉ざされた大動脈 乙部町229号岩盤崩落から1年(中)応急短絡路整備に全力

5/26付ブログで紹介した「応急復旧路」(北海道開発局や乙部町のサイトなどで紹介されている迂回路とは別)に関する詳しい内容もあります。

 ・使われていなかった町道を整備

 ・建設に携わった建設会社2社は、「何としても2021年度内に完成させる」という目標の下、21年9月中旬から22年3月末までという短い工期を設定し、両社とも3交代勤務による24時間体制を敷いて昼夜を問わず施工し、計画通り完成させた

 ・通行時間短縮に大きく寄与しているが、急カーブが多く勾配も激しいことから、冬季の利用には不安が残る

 ・大型車両は通れないことから、地元産のスケトウダラなど水産物運搬には使えない

 

念のために乙部町役場にも聞いてみましたが、

 ・応急短絡路は地域住民以外の車を完全排除しているわけではない

 ・道路状況を踏まえ、路線バスを応急短絡路経由にする予定は現時点ではない(警察との協議の結果)

 ・ここを迂回国道扱いとしているGoogleMapについては、グーグル社に修正を依頼中

とのことでした。

代替となるトンネルは2022年度予算で通常よりも多額の2億7000万円が配分されましたが、難工事が予想され、乙部~熊石間を元通りに通行できるようになるのはまだまだ先ですね。


続:渡島半島西岸の国道の大規模な土砂崩れ→当分は迂回路を通行へ

2022-05-26 18:34:11 | 幹線道路(北海道)

2022/2/20付ブログ渡島半島西岸の国道の大規模な土砂崩れ→当分は迂回路を通行への続きです。

1.復旧方法と復旧時期について

3月14日に開催された第4回「国道229号乙部町館浦地区斜面対策技術検討会」で、復旧方法は「現場の山側に別線トンネルを掘削する」ことに決まりました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/douro/v151sd0000000sar-att/v151sd0000004qy7.pdf

詳細資料の29ページ目を見ると、事業期間・事業費・施工時の安全性・土石流及び地すべり地形の影響・地域資源の影響等の5つの評価項目をすべて達成可能ということですが、それでも「事業期間=約7~10年、事業費=約140億円~190億円」となっており、場合によっては新幹線が札幌まで開通する2030年代初頭でも迂回が続きそうです。

 

2.応急復旧短絡路について

さて、このことを報じた函館新聞の記事(函館新聞電子版では会員登録しなければ読めませんが、北海道ニュースリンクに配信された記事はそのまま読めます)には、

http://www.hokkaido-nl.jp/article/24792

「普通車、緊急車専用の短縮ルートを確保しようと、乙部町道館浦鳥山線を活用した応急復旧短絡路(3・1キロ)の工事が進められており、乙部町は4月の開通を目指す」の文言があります。

この道路は当該区間の崖の上を走る国道229号の旧道ですが、現場付近の地理院地図によれば、区間の北側3分の1の崖から平地に下りる部分が軽車道(幅1.5m以上3m未満道路)で表されており、国道の迂回路としては活用できない状態でした。この区間を対象に地元乙部町が「地元住民や緊急車両のため、普通車が通れるレベルまでの緊急整備」を行ったわけです。

乙部町の広報「広報おとべ令和4年5月号」を見ると、12ページ目に「応急復旧短絡路開通に関わった松本組、斎藤建設に感謝状を贈呈」という記事があります。

その松本組はYouTubeチャンネルを開設しており、3月29日に「一般国道229号 乙部町 館浦北応急復旧工事|着工前|施工中|完成|松本組|」と題する動画を公開しています。どのように整備したかが上空からの映像で一目瞭然です。

また、乙部町とほど近い厚沢部町の観光バス会社が、4月13日に「【国道229号通行止め】4月1日乙部町館浦地区応急復旧短絡路開通(再アップ)」と題する動画を公開しています。応急復旧短絡路を実際に走行して撮影しており、全区間にわたり2車線が確保されていることが分かります(急勾配や吹きさらしのため厳冬期の通行は厳しそうですが)。

 

3.電子地図での状況について

地理院地図では1.で書いた通りに昨年8月に国道指定された迂回路を国道229号として掲載していますが、2022年5月時点のGoogleMapではこの応急復旧短絡路を国道229号として掲載しており、被災した区間は国道指定を解除した扱いになっています(実際と大きく異なります)

https://www.google.co.jp/maps/@41.987155,140.1605855,14z?hl=ja

一方、Yahoo!地図やゼンリン地図(いつもNAVI)では、応急復旧短絡路は反映されておらず、かといって昨年8月に国道229号に指定されたはずの迂回区間も道道などで表記されたままです。この周辺部では、被災区間を含む元からの国道だけが国道229号扱いです。

 

4.現場付近の路線バスについて

所定で当該区間を走行する函館バスの江差と熊石(乙部町の北隣)を結ぶ路線バス<平日6往復、土休日5往復>は、2022年5月時点も迂回区間の実際の所要時間に合わせたダイヤ(夏期で5~10分程度、冬期で10~15分程度長くなる)には変更されておらず、函館バス公式サイトのトップページの左上にはずっと"「桧山海岸線」624系統は、国道229号「館浦~鳥山」の区間で当分の間、迂回運行の為、遅延が発生しております。"のメッセージが表示されています。

上記実走動画を見る限り中型路線バスであれば応急復旧短絡路の走行に問題はなく、バスは基本的に地元住民が利用するものなので応急復旧短絡路の走行対象になってもおかしくありません。もし応急復旧短絡路を通れるようになれば、以前とほぼ同じダイヤで運行できるはずですが、今後の推移に注目です。


渡島半島西岸の国道の大規模な土砂崩れ→当分は迂回路を通行へ

2022-02-20 19:04:02 | 幹線道路(北海道)

北海道の積丹半島や渡島半島の海岸沿いを結ぶ国道229号は、多くの区間で険しい崖の下を経由しており、各所で災害との戦いを余儀なくされています。1996年に積丹半島東側で発生した豊浜トンネル(崖を回避するために掘られたトンネル)の崩落では、路線バスが下敷きになるなどして20人の尊い命が奪われました。

直近では2021年6月に、渡島半島の西岸にある乙部町内で海岸沿いの崖の大規模な土砂崩れが発生しており、

https://www.uhb.jp/news/single.html?id=20879

他の部分も同様の崩落が予想されるため、2022年2月時点でも復旧のめどは全く立っていません。

迂回路は内陸部に大きく入り込む形で確保されているものの、

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/saigai/v151sd0000002f9b-att/v151sd0000002fiv.pdf

道路状況は相対的に悪く、路外逸脱などの事故が多発しています。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/645557

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北海道開発局函館開発建設部のサイトに、この災害の専用ページが設けられています。

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/saigai/v151sd0000002f9b.html

直ぐの復旧は困難ということで、まず2021年8月20日に現場付近を内陸に大きく迂回するルートも新たに国道229号に指定し、

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/saigai/v151sd0000002f9b-att/v151sd0000002k31.pdf(40~42ページ目参照・・・GoogleMapやYahoo!地図には半年後時点も未反映)

北海道開発局が直接整備する体制を整え、冬期間も安全に走行できるようにしています。

https://www.town.otobe.lg.jp/section/kikaku/lfsrqq0000006e3n-att/a849440000000j0g.pdf

そして、今後の予定(応急対策および恒久対策)については、昨年12月13日に開催された第3回「国道229号乙部町館浦地区斜面対策技術検討会」の資料の21ページ以降に様々な案について検討された結果が掲載されていますが、

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/douro/v151sd0000000sar-att/v151sd0000003g92.pdf

十分な安全性を担保するには、応急対策だけでも9年~16年かかると見込まれ、恒久対策を施すにはさらに10年以上かかるようです。

確かに、上記資料の写真を見ると、「よくこんな壮絶な崖の下に道路を通したものだ」と誰しも思うことでしょう・・・