goo blog サービス終了のお知らせ 

全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
幹線道路、バス、航路、ICカードなどなど・・・

倶知安余市道路の仁木以北は2025/3/23開通、ニセコにはいつ到達できる?

2025-02-18 19:12:55 | 幹線道路(北海道)

2023/10/31付ブログ記事「世界的スキーリゾートのアクセス「倶知安余市道路」の工事状況について」の続報です。

上記ブログ記事で

>この資料が作成された時点では「2024年度に仁木IC(仮称)~余市IC間部分開通予定」となっており、以南の開通予定は未定です。

と書きましたが、2025/3/23に開通することが決まりました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ot/release/juthpp0000007420-att/iutadl00000007dp.pdf

リリース文では「後志自動車道」となっていますが、これはNEXCO東日本の管轄する有料道路である余市~小樽間と国直轄の無料の高規格道路である倶知安~余市間(=倶知安余市道路)の総称です。

そして気になるのが倶知安<ニセコエリアの中心地>~仁木間の進捗状況ですが、上記ブログ記事で紹介した2022年度末時点の再評価資料より新しいまとまった情報はネット上に存在しないようですので、個別の情報をこちらでまとめて紹介することとします。

1.2024/9/末時点の構造物整備状況

2024/10/15付で専門紙「北海道建設新聞」のサイトに掲載された記事によれば、

 ・共和~余市間では、橋梁全33橋のうち6橋が完成、13橋で上部または下部を施工中、14橋が未発注

 ・倶知安~共和間では、橋梁全15橋のうち1橋のみ2024年度に下部に着工

 ・トンネルは上下線合わせて3本のうち2本で掘削中

とのことです。

2.新稲穂トンネル(R側)の状況

上記ブログ記事で書いたとおり、長さ4km近い新稲穂トンネルは完成2車線でありながら上下線が別々(各1車線ずつ)というレアな構造で建設が続いています。

R側については、2022/11/2に貫通しました。地元仁木町の広報2023年1月号の6ページ目の記載によれば、2022/11/12に地元住民向け見学会があり、2022/12/3に貫通式が執り行われたとのことです。

3.新稲穂トンネル(L側)の状況

一方、L側についてはこのブログ記事を書いている時点でまだまだ掘削工事の最中です。

北海道開発局のサイトには、「国道5号倶知安余市道路 新稲穂トンネルL側共和工区工事」の見学案内が掲載されています。

そして、2024/10/18には北海道土木技術会の「小樽地区・札幌地区合同 現地見学会・勉強会」の中で新稲穂トンネルL側工事(共和工区・仁木工区とも)を見学したようです。


道央圏連絡道路の中樹林道路区間、2025/3/15に開通決定

2025-02-14 22:47:22 | 幹線道路(北海道)

2024/5/10付ブログ記事「新千歳空港と石狩湾新港を結ぶ「道央圏連絡道路」はいつ全通?」の続報です。

上記ブログ記事で、

>11ページ目に「新千歳空港と石狩湾新港を結ぶ高規格道路・道央圏連絡道路のうち、中間部の中樹林道路(南幌ランプ~道央自動車道江別東IC付近間)が2024年度内に全通する」旨の記述があります。

と書きましたが、中樹林道路区間の開通日が「2025/3/15」と発表されました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/sp/release/e1lg9o000000j8ju-att/nk4vg60000000bn9.pdf

江別市公式サイトの道路・河川のページで市内の一般道との交差部の通行止めが長引いている旨のアナウンスがあり気になっていましたが、無事に2024年度内に全通に漕ぎつけたことになります。

中樹林道路区間は国道337号と並行していますが、国道337号は南幌の市街地を通り90度の屈曲もあるため(GoogleMap航空写真はこちら)、今回の開通により安全性・速達性は確実に向上します。もっとも、道央圏の物流ネットワークのレベルアップには南隣の長沼南幌道路区間の全通が欠かせませんが、用地買収の遅れや軟弱地盤との戦いで進捗は遅れ気味です。

 


釧路と根室を結ぶ高規格道路の計画・整備状況について

2025-01-01 13:55:22 | 幹線道路(北海道)

2024/11/22付ブログ記事「道東自動車道阿寒~釧路西間、2024/12/22開通」で書いたとおり、2024年末に釧路市街地と札幌方面が高規格の自動車専用道路で結ばれました。釧路西ICでは既に開通済みの自動車専用道路「釧路外環状道路(釧路西IC~釧路別保IC間)」と接続しており、同環状道路は上記区間開通と同時に一般向けには「道東自動車道」と案内されるようになりました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ks/release/c86hsb000000gh4n-att/c86hsb000000h8g5.pdf

今回は、その釧路別保ICより東側の計画・整備状況についてまとめました。

1.釧路別保IC~厚岸町尾幌間

この区間はまだ事業化されておらず、計画段階評価の段階です。この区間は丘陵越えであり、さらに自然環境への配慮が必要な区間や洪水浸水が想定される区間もありますが、2024/12/25に開催された会合でルート案が決定しました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/kn/dou_kei/slo5pa000001mudx-att/slo5pa000001n62z.pdf

これまで以下の3つのルート案が提示されていましたが、

 a)  全線別線南側ルート案・・・概ね現在の国道44号沿い、事業費は1100~1300億円を予想

 b)  全線別線北側ルート案・・・JR根室本線より北を通り西側は国道272号に並行、事業費は1150~1350億円を予想

 c)  別線南側・一部現道改良案・・・尾幌側の4km区間は現在の国道44号を改良し残りは別線バイパスを整備、事業費は1000~1200億円を予想

このうち、全ての政策目標の達成が概ね見込め、かつ、地域が望む重視・配慮すべき項目に概ね適切に対応可能なa)案が対応方針(原案)として採用されました。

2.厚岸町尾幌~厚岸町糸魚沢間

この区間は「尾幌糸魚沢道路」として2019年度に事業化されました。延長は24.7kmで、屈曲が多くかつ津波発生時に浸水が想定される厚岸町内区間をバイパスする形となります。途中の厚岸ICは、厚岸市街地から5km以上北の台地の上(光栄地区の住宅地の北側あたり)に設置される予定です・・・GoogleMapはこちら

2024/12/19に開催された令和6年度第3回北海道開発局事業審議委員会において再評価の対象となっていますが、

https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousei/slo5pa000001mn1k-att/slo5pa000001mnk0.pdf

事業費は2022年度の前回再評価時の650億円から一気に1069億円に跳ね上がっています。理由は以下の通りです。

===============

 (1) ラムサール条約湿地等のためルートが限定されている別寒辺牛湿原との交差部において、当初は湿原区間1.6kmの通過形式を渡河部40mを除き盛土構造で計画していたが、想定以上の軟弱地盤のため全区間において橋梁構造に変更せざるを得なくなり、該当区間の事業費が104億円から292億円に増加

 (2) 尾幌IC~厚岸IC間の2か所の橋梁において、地質調査の結果当初橋台設置を予定していた位置に地すべり土塊を確認したことから、橋長の見直しと基礎形式の変更が必要になり、約24.1億円増

 (3) 厚岸IC~糸魚沢IC間の3か所において、地質調査の結果岩掘削量の見直しが必要になった<当初は全量土砂を予想していたのが半分以上軟岩であることが判明>ため、約44.6億円増

 (4) 厚岸IC付近において、施工時に切土法面の変状が発生したことから、法面対策工の追加のため約8.1億円増

 (5) 厚岸IC~糸魚沢IC間の3か所において、軟弱地盤と盛土の間にサンドマット工を行う必要があるが、厚さが当初予定の50~80cmでは足りず120cm分必要となったことから、約8.0億円増

 (6) 資機材・労務単価の変動により約149.2億円増

===============

3.厚岸町糸魚沢~根室市厚床間

この区間は、計画段階評価にも至っておらず、いまだ構想のみの状態が続いています。

4.根室市厚床~根室市温根沼間

この区間も高規格道路としては構想のみの状態が続いていますが、「国道44号根室防雪」(地吹雪による視程障害、危険箇所及び交通事故の低減を図り、道路の安全な通行の確保を目的とした延長12.2kmの防災対策事業)が事業化されています。2025年度事業完了を目指していますが、2024年夏期に実施した自然環境調査の結果、工事箇所付近に希少鳥類が確認されたため、工程の精査中です。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ks/release/c86hsb000000gh4n-att/c86hsb000000h5wl.pdf

5.根室市温根沼~根室市中心部間

温根沼IC~根室IC間7.1kmは1999年度に「国道44号根室道路」として事業化され、2000年度に用地買収に着手し、5年後の2005年度に工事に着手しました。

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/29sai/2_h29_008.pdf

ただ、全通は工事着手から14年後の2019年度末(2020/3/22)です。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ks/release/b0sadt000000byin-att/200128-4.pdf

そして、根室ICから根室市中心部までは2km以上離れています・・・GoogleMapはこちら


道東自動車道阿寒~釧路西間、2024/12/22開通

2024-11-22 12:55:52 | 幹線道路(北海道)

2024/8/25付ブログ記事「2024~25年度に開通予定の北海道の高規格道路について」の続報です。

上記で取りあげた路線のうち、道東自動車道阿寒~釧路西間について開通日が発表されました。2024/12/22です(供用開始は15時)

https://www.hkd.mlit.go.jp/ks/release/c86hsb000000gh4n-att/c86hsb000000hpq0.pdf

厳寒期ではありますが、釧路市周辺の内陸部は気温は相当下がるものの豪雪地帯ではないため、式典を開催するにあたっての問題は特になしと判断したのでしょう。ちなみに、道東自動車道の本別ICより東側は新直轄方式で建設されたため通行無料ですが、これまでの開通日時は以下のようになっています。

 本別IC~浦幌IC間=2009/12/21

 浦幌IC~白糠IC間=2015/3/29

 白糠IC~阿寒IC間=2016/3/12

また、釧路空港ICは道道952号山花鶴岡線と直交する形になります。2024/5時点の現地のストリートビュー(一例はこちら)を見ると、ランプ側のアスファルト舗装は既に完成していました。ただ、道道952号の釧路空港ICと国道240号の間は2km程度あり、道東道を通ることにより釧路市中心部との間のアクセス時間が短縮されるかどうかは微妙なところですね・・・釧路市東部や釧路町・厚岸町方面は確実に短縮されそうですが


2024~25年度に開通予定の北海道の高規格道路について

2024-08-25 20:58:06 | 幹線道路(北海道)

2024/5/10付ブログ記事「新千歳空港と石狩湾新港を結ぶ「道央圏連絡道路」はいつ全通?」で書いたように、道央圏連絡道路のうち中樹林道路(南幌ランプ~道央自動車道江別東IC付近間)が2024年度内に全通する旨発表済みです。

帯広市公式サイトに、この区間を含む北海道内で2024~25年度に開通予定の高規格道路の一覧、および全体の整備状況に関する分かりやすい資料<2024/6現在>が公開されていたので、中樹林道路以外についてこちらで紹介します。

https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/016/063/flyer_ura_r06.pdf

1.道東自動車道(阿寒IC~釧路西IC間)・・・2024年度開通予定

阿寒IC以東は2016年までに開通しており、この区間の開通によりついに釧路市中心部と札幌・新千歳空港方面が高規格道路で直結することになります。ただ、2024/7/11に報道された「釧路西IC予定地を知床半島の小学生が見学した」旨のニュースによれば、現地ではこの時点で未舗装の道路や重機が動く光景も見られ、開通にはまだ数か月かかりそうだったとのこと。厳寒期に開通させるのも大変なので、やはり開通は年度末ぎりぎりでしょうか?

https://news.ntv.co.jp/articles/stv/std7730f6e061f4c51b0d1c87e3b5f4a17

そして、阿寒ICと釧路西ICの中間部には釧路空港ICが設置され、空港アクセスも改善されます。現在釧路空港への入口となっている国道240号と釧路空港ICを結ぶ一般道道山花鶴丘線(延長0.9km)は2021年度に新規事業に採択され、2024年度内に開通予定です。

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/r3sinki/1_r2_027.pdf

2.道央自動車道(仁木IC~余市IC間)・・・2024年度開通予定

この区間については2023/10/31付ブログ記事「世界的スキーリゾートのアクセス「倶知安余市道路」の工事状況について」で紹介していますが、やはり2024年度のいつ頃開通するかは未公表です。

2023/5時点の仁木IC予定地のストリートビューはこちら

3.日高自動車道(日高厚賀IC~新冠IC間)・・・2025年度開通予定

最終的には苫小牧市と日高振興局<旧日高支庁>のある浦河町を結ぶ構想で、1988年度に苫小牧側から事業に着手しました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/mr/douro_keikaku/tn6s9g000000292a.html

 苫小牧東IC~厚真IC間=1998年開通

 厚真IC~鵡川IC間=2003年開通

 鵡川IC~日高富川IC間=2006年開通(初めて日高管内の高規格道路が供用開始)

 日高富川IC~日高門別IC=2012年開通

 日高門別IC~日高厚賀IC=2018年開通

日高厚賀IC~新冠IC~静内IC16.2kmはまとめて「厚賀静内道路」という事業名になっていますが、新冠IC~静内IC間の開通見通しは未公表です。

https://www.hkd.mlit.go.jp/mr/douro_keikaku/tn6s9g000000283f.html

厚賀静内道路全体の直近の事業再評価の資料(2020年度)によれば、全体で用地進捗率=59%・事業進捗率=44%にとどまっており、総事業費は前回2016年度の再評価時点から100億円増の678億円、費用対効果が2016年度の再評価時点(1.9)から大幅に低下して1.3になっているのが目立ちます。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousei/splaat0000020k69-att/splaat0000020kc5.pdf

4.国道40号音威子府バイパス・・・2025年度開通予定

旭川と稚内を結ぶ国道40号のうち、音威子府村と中川町の間は専ら天塩川と山に挟まれた区間で、落石や雪崩などの災害リスクが高くなっています。それを回避するための山中をぶち抜く自動車専用道路です。

https://www.hkd.mlit.go.jp/as/douro_keikaku/vkvvn80000000or0.html

1993年度に事業化され、2007年度に用地買収・工事に着手しました。総延長は19.0kmです。

直近の事業再評価の資料(2021年度)によれば、用地進捗率は既に100%・事業進捗率も約87%となっています。総事業費は前回2017年度の再評価時点から120億円増の1407億円となりました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousei/slo5pa000000dx4t-att/slo5pa000000dxen.pdf