通訳案内士のブログ

Four Seasons


今朝撮った国立劇場前のベンチと桜の枝と新芽。春は間近。




同じ場所、同じアングル。2020年の3月末。

"A period between two seasons is very ambiguous.  A new season wouldn't come abruptly.  We would just sense it afterward."



先日、愛聴しているポッドキャスト"Inside Japan"で日本在住イギリス人ホストのチャーリーさんが
"For some reason, Japanese are incredibly proud that Japan has four distinct seasons, which I’ve never understood.
と、対談の中で語っていました。来日して以来、いろんな日本人から散々日本の四季の"remark"を聞かされてきたのでしょう。



Japan has four distinct seasons!
「日本にははっきりとした四季がある」
日本の気候の特徴を(外国人に)英語で説明する本に必ずといっていいほど出てくる文章です。



通訳案内士を目指していた時のバイブル「日本事象英文説明300選(ハロー通訳アカデミー)」の一番最初の文章にも載っています。
"Japan has four clear-cut seasons with a rainy season between spring and summer.  The Japanese climate is influenced by...."



「300選」と併用して愛用していたESDIC(英語能力開発アカデミー)の「日本事象ESDIC280」にも第一項目で以下の文章が出てきます。
"There are four distinct seasons in Japan: spring, summer, autumn and winter.  There is a rainy season between spring and summer throughout the country, except in Hokkaido."



日本の四季って言うほどはっきりと分かれているものなのかなあ?
大体季節の変わり目なんて実に曖昧ではっきりしないものだと思うけど…
4つの季節に分かれている国なんて日本以外にもいくらでもあるだろうに...
春と夏の間に"a rainy season"があるって言ってる時点でもう四季ではなく「五季」なのでは?…
などと通訳案内士試験の勉強中当時に思ったものです。でも当時はそんな疑問に対する答えを英語ではおろか日本語でですら説明できませんでした。



その後、試験に合格し、実際に外国人の方々を案内していくに従い、今までの人生で見落としていた日本の文化の素晴らしさに気づきました。そして日本に存在する季節ごとの伝統、文化的行事、商用イベント、旬の食べ物などがなんて豊富に揃っているんだろうと文字通り「痛感」したんです。



どうりで日本人は季節に対する鋭い嗅覚を備えているワケだわ、それぞれの季節をはっきりと区別することができるワケだわ、そして、日本人が四季に拘り、四季を誇る気持ちもそんな日本の風土の中で自然と育まれてきたんだなあ、と思うようになりました。



外国人旅行者のお客さん相手に「日本には四季がある!」と、テキストに書いてある通りに言ってそこで終了してしまうと、もしかしたら前述したチャーリーさんのように「四季なんてどこの国にもあるのになんで日本だけが特別なんだろう?」みたいな感じにとられ、不快感を与えてしまう危険性があります。



Like many other countries located in similar latitudes of the globe, Japan has four seasons.  And most regions of Japan except the northern island of Hokkaido have a month-long rainy season called Tsuyu between spring and summer.   Japanese people tend to express that Japan has four "clear-cut" or "distinct" seasons.   It is because so many seasonal events or activities are taken place almost every single month throughout Japan, especially at the begging of each season.  And that possibly makes Japanese people have a tendency to sense the four seasons more distinctively than people of the rest of the world.  



そんなことを考慮した上で日本の四季についての文章を改めて考えてみました。どうでしょうか?



ところで日本に長くいる外国人(「外国人」と言われるのが何よりも嫌だと聞きますが)が言われてうんざりすることの筆頭に
「日本語上手ですね!」
「日本は長いんですか?」
の2つがあるそうです(Twitterの投稿でみました。あと「箸が上手ですね」も)。日本の四季同様、違う人に出会う度に言われる「定型文」みたいなウザさもあるそうですが、何よりも
「見た目が違うだけで日本人(日本の社会)は何年経っても同胞として受け入れてくれない」
というもどかしさが根底にはあるみたいです。



「多様性社会」についての認識と実現が叫ばれて久しいと思いますが、コロナで後退してしまった感じがしますね。



I think the pandemic of COVID-19 promotes xenophobia and racism here in Japan.
個人的に感じていることです。外国人旅行者が日本に入ってこれないと仕事にならない我々通訳案内士には悲しいことですが。

コメント一覧

guideinterpreter
popraさん、おはようございます😃
ドイツの歌紹介して下さりありがとうございました!4人の子供を季節に見立てて歌われているのかな?

今勉強しているスペイン語にも春夏秋冬という単語がちゃんとある以上、四季はスペイン語圏にも存在するのでしょう笑。

私もガイドやってた時
“Your English is excellent!”
なんて言われたら嬉しい気持ちになれましたけど、長ーく英語圏の国に住んでいて毎回そう言われたら、そこに別の意図があるのでは?と気になるかも知れません。

今日も良い一日を!
1-102popra
😆😆😆😆😆
再びお邪魔します➰
先ほどの簡単な英文ですが🎵

Once upon a time,there was a mother. She had four children.

ワンスアポンアタイムを入れると正確な訳になるだろうなと気かつきました‼️

それで、歌の続きですが🎵
春は花が咲いて、夏は~、のように、それぞれの季節の様子が歌詞になっていたような⁉️おぼろげな記憶です☺️
1-102popra
こんばんは!
わからない単語を引きながらしっかり読みましたよ~☺️

そうそう、私も、他の国にも四季あるのにって思っていました😁

ドイツの子供の歌でこんなのあります。はじめのところしか覚えていませんが英訳すると:
There was a mother who had four children,the spring,thesummer,the autumn,and the winter.

そして、そうですね、言われてみると、季節ごとの行事が日常の中でも沢山ありますよね。

欧米の季節行事は、季節を感じるよりもキリスト教に関係するものが多くて、イースターとかクリスマスが来てそこから季節を感じるっていう順番でしょうか😊

日本語上手って言わないほうがいいんですね⁉️
私は、外国籍の方が日本語ペラペラなのを聞くのが大好きで、こんなに日本に溶け込んでくれてるんだなぁと嬉しくなります!
外人力士さんが話すのとか聞くと本当にうっとりしてしまいます😆

外国人に拒否反応の空気、あるんですか?私なんか、なんでもいいから外国の人に近づきたいです~😆
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