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通訳案内士のブログ

⭕️⭕️⭕️英語を使い訪日観光客を案内する職業「全国通訳案内士」の日常と英語学習などを綴ります⭕️⭕️⭕️

収入源

2024-11-21 | 通訳ガイド/everyday life
Tipping in Japan is not common. There is a rumor among foreigners that tipping in Japan is considered rude or impolite, but that’s not entirely true. In reality, the majority of people in Japan have never experienced receiving tips. Employees at chain restaurants and large hotels are often strictly prohibited from accepting tips from customers. Because of this, some foreigners who have had their tips politely declined may assume that tipping in Japan is rude. Generally, you don’t need to tip workers at hotels or restaurants. However, if you’d like to tip your guides or drivers, feel free to do so—they will likely appreciate it.



外国人旅行者のキャッシュレス化はさらに加速し、特にビジネスで来日し、合間にツアーに参加する人は現金(日本円)を持っていない人が多いです。



従いチップを頂ける機会も金額もコロナ後は減ったような気がしました。



あと日本がメジャーなdestination(旅行目的地)になるにつれ、
「日本人にチップを渡すのは失礼に値する」
という意味不明なrumorが蔓延してきているというのも理由の一つだと思います。



そこで危機感を覚えた(?)私はツアー中にあまり下心が見えないように、かつ、客観的にガイドにチップを渡すのは全然"welcome"だということを伝える文言(script)を考えました。



お客さんにアメリカ人が多い場合は、上のような文章を日本の経済、前回書いた平均収入、家賃などを話す時にさらっと加えています。



ドッと笑いが起こりウケは良いです(ただ場の空気を読んで言わないと逆効果になるかもしれません)。



そのお陰か最近はチップの水揚げがコロナ前の水準に戻ってきたような感じがします。



我々通訳ガイドは日本人のお客さんを相手にする国内添乗員さんやバスガイドさんに比べ日当では恵まれています。



でも一年を通じて安定して働けない場合があるので稼げる時に稼がないといけないというプレッシャーがついて纏ってきます。なのでチップも貴重な収入源なのです。(何より現金収入というのがデカいです)



英語圏の旅行者、とくにアメリカ人はやはり"generous"です。ツアーが終わってお客さんにとってとても楽しい一日になったと感じてくれた人は、その感謝の気持ちを「チップ」で表現してくれます。



私はアメリカのtipping文化はそれはそれで素晴らしい文化だと思っています。



日本では渡す必要がないと分かっていても、また上述したようにチップをあげることで気分を害してしまうかもしれないと思っていたとしても、それでも感謝の気持ちとしてチップを渡してくれるのですから。



私もガイドとしてチップを少しでももらうと「報われた」気持ちになります。収入源としてもそうですが、お客さんの「気持ち」が感じとれて嬉しいです。



考えてみたら日本の贈り物文化も同じですよね。







通訳ガイドは立替えも多い職業です(特にうちの会社は)。



売掛がきかない飲食店での支払いや新幹線のチケットなどカードで立て替えているとポイントも結構たまります。今月は特に多かったです。



チップ同様これもちょっとした「収入源」と言えるかもしれませんね。





日本の物価の安さ

2024-11-14 | 通訳ガイド/everyday life
ご無沙汰しています。




写真は高輪の住宅街へ続く階段の道。グランドプリンス新高輪ホテルへ行く時、よく通る道です。



外国人のお客さんに一番ウケる話は「お金」にまつわるTopicのように思います。



日本人の平均収入、東京で働く人の平均収入、最低賃金(時給)、家賃、不動産など。具体的な事例や金額をあげるとさらに食いつきが良いです。



私は自分が借りているマンション(英語だとapartment)の家賃と広さを具体的に教えてあげてます。さすがに収入は言ってません。



うちの場合は大家さんと長い付き合いなので相場より結構安くしてもらっていますが、3LDKで$1,200(USドル)と言ってます。



これを言うと必ずどよめきが起きます。それは「安過ぎる!」という反応です。



でも広さ860 square feet(80平米)と言うと「狭い!」という反応が一旦返ってきて、でもそれでも「安いっ!」となります。



日本で一番世帯収入が多いと言われている東京都港区の平均家賃もついでに教えています。



1Kの平均$860(約13万円)2LDK$2,700(40万円)、3LDK$4,300(65万円)(Sumo調べ)だそうです。



日本で一番fancyな街でこの値段で住めるという事実に皆さん心底驚かれます。



以前は東京タワーから見える六本木ヒルズが1LDKで70万円、2LDK200平米で250万と説明してたら多少は高い!という反応をもらっていた記憶がありますが、今では真逆です。



むしろ日本の最高級賃貸apartmentがこんなに安いことに英語圏のお客さんはほぼ皆一様に驚きの反応を見せてきます。



東京タワーの目の前にできた麻布台ヒルズのアマンレジデンス東京の分譲価格が200億円〜らしく、これくらいでようやく「ワールドクラス」といえる値段みたいです。



以前バスツアーに参加してくれた大学を卒業したばかりのニューヨーク在住のアメリカ人の若い女性がいました。



ツアー中にとても打ち解けてくれたので思わず「アメリカの初任給っていくらなの?」って聞いてみたんです。



そしたら、なんと、年収7万ドル(1050万円)!
(アメリカは新卒とか中途とかそういう感覚はないみたいです。さらに能力や経験等で報酬が決まるので日本のような初任給はいくら?といった概念もないらしい)



でも7万ドルでもマンハッタンに一人で住むには厳しく4人で1ベッドのアパートをルームシェアして何とか暮らしている。おまけに大学のローン(日本でいうところの奨学金)の返済も大変だと嘆いていました。



話はそれましたが、今の世界でいかに日本の物価が安いかという事実を私はお客さんと接する中でそれを肌で感じています。



そして不思議に思うのが、国内ではその事実があまり重要視されていないように思えるのですが、気のせいでしょうか?



国民の目はコメや生活必需品などの目先の物価高に目を向けさせられているようにも思えてしまいます。



ドジャーススタジアムへ大谷の試合観に行って名物のたこ焼きが6つで$20とか、帽子が$60とか。ホノルルのマックで家族4人でビックマックセットを頼んだら日本円換算で1万以上したとか。。。。



もはや以前のように家族総出で気軽にハワイやロスへ旅行に行ける時代ではなくなってしまいました。



何が言いたいというと日本でも物価高だけに目を向けるのではなく、我々の賃金がいかに安いかを知るべきなのではということです。



愚痴っぽくなってすみません。お金の話がいかにお客さんの関心をひくかという話でしたね。



バス車内が騒がしい時、こちらで主導権を握りたい時などおすすめです。