グレゴリーペックのある日あの時

還暦を過ぎた極真空手家の人生のつぶやき

松山善三

2015年01月03日 | 日記
高峰秀子著「にんげん住所録」より

私は、松山善三と結婚した時、彼に向かってこう言いました。
「私はいま、人気スターとやらで映画会社がたくさん出演料をくれていますが、くれる金はありがたくいただいて、二人でドンドン使っちゃいましょう。でも、女優商売なんてしょせんは浮草稼業。やがて私が単なるお婆さんになったときは、あなたが働いて私を養ってください」

「ハイ。分かりました」

以来、私たち夫婦は金銭に関わる話を一度もしたことがない。
そして、それから47年。半病人のマダラ呆けになったオバアの私を、これも老いたる猪に変身した松山オジイは、脚本書きの収入で約束通り、私を養ってくれている。
小さな台所でお米をとぎながら、オバアはひとり呟いている。
「ボカア、幸せだなあ」
ナーンチャッテ。

今朝も雪が降ってカチカチでした
しかし、空気が澄んできれいでした