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朝日記170304 創作「朝日記」 かろみっこの小旅行ときょうの絵

2017-03-04 06:57:43 | 絵画と哲学

朝日記170304 創作「朝日記」 かろみっこの小旅行ときょうの絵

 畏友の安部忠彦さんが、小説’かろみっこ’をネットで執筆中です。これはすでに私の朝日記でご紹介しました。 まもなく、紙の書籍版として上梓されるとおもいます。

このなかで、かろみっこが「師匠」とよんでいる老画家が登場します。 この老画家は、モデルはありますが、当然ながら架空です。架空ですが、きちんと、筆者をシミュレートするものがあり、私自身、これだなという実感が、つたわってきます。 今朝、ご紹介するのは、安部さんが書いた 「画伯とかろみちゃんの小旅行」です。言うなれば、かろみっこの「朝日記」なるものです。 英語で恐縮ですが、哲学用語では、supervenienceというのらしいです。早い話が、この私が、別の世界で存在していて、私が意識しようとしまいと生存している平行宇宙(parallel universe)というものがあるということ、それがacrossしてきて、それとなく私に作用してくれるという仮説です。安部さんの創作実験ということになろうかとおもいます。

したがって、私は自身も楽しく混乱しますが、ここに登場する「画伯」は私にとっては架空であること、お話も私としての現実のcausal factでないことを敢えて申しあげます。春就職の孫娘と近々 安部さんのバーに行くつもりですから、イメージをたのしんでいます)

絵は かろみっこ  bottles and apples と  homageの三つです。

まずは、ご覧じあれ!!

(かろみっこ)

徒然こと 安部忠彦作 「画伯とかろみっこの小旅行」

 出典(あらいノートNo.7710 )https://www.facebook.com/groups/649094035230952/permalink/882080228598997/

 ~~~~~

画伯とかろみちゃんの小旅行のことを書きました。
 
【師匠と小旅行】
 
師匠にお酒をおごっていただいて、お話をしているうちにスケッチと写真撮影の旅に出てみようということになりました。
都電荒川線のどこかの停留所で適当に降りて、一緒に街歩きをしながら師匠はスケッチ、私は写真を撮るというものです。
前もって下調べをしないこととチェーン店で買い物はしないことだけを決めました。
師匠は都電の始点である早稲田から乗車し、私は東池袋四丁目の停留所からということにしました。
 
その日は寒さが緩んで、日差しが暖かく感じられる小旅行日和でした。
師匠から十時過ぎに電話がかかりました。いまから乗車するので順調にいけば十時十八分に東池袋に停車するとのことでした。
私は、ワクワクしながらサンシャインシティのメゾンカイザーでコーヒーを飲みながらスタンバイしていました。
どんな旅になるのか、とても楽しみでした。
 
無事車内で合流できて、最初に降りたのが王子の二つ先の梶原という停留所でした。
ここで降りた理由は、師匠も私も全くこの地名に対してイメージがなかったからです。
一時間後にこの停留所で会うことにしましたが、梶原銀座商店街を一緒に歩きました。
師匠はスケッチブックと画材の入ったトートバッグを右肩にかけて、背中には大きめのリュックを背負っています。とても八十歳とは思えない軽快な身なりです。
鮮魚店の店先には、魚の味噌漬けや自家製のさつま揚げ、イカ焼きなどが並びいい匂いを振りまいていました。
さつま揚げを二枚買ったら、「これ、旨いよ、食べてみな」といって紅鮭の西京漬けを一口大に切ったものを楊枝に刺してくれました。
 
「おいしい、これも二つください」
もう一切れ試食をもらって、買ったものをリュックに写しました。リュックには角のポケットサイズが忍ばせてあります。その場で、一口飲んで次に進みます。
師匠はどこかの路地を曲がったのか、いつのまにか見えなくなっていました。
 
都電もなかを製造販売しているお菓子屋さんがあり、立て看板の面白い喫茶店もありました。どこを切り取っても昭和レトロな感じがする賑わいのある商店街でした。
ちょうど昼前の買い物タイムということで、店先にお惣菜を並べた店が何軒もありました。
トリスの看板が昭和レトロな雰囲気を醸し出している喫茶店がありました。
ハンバーグとナポリタンの写真が貼ってありました。
師匠のファッションがとても似合いそうに思えたので、ランチはここにしたいな、と思いました。
 
二十枚ほど写真を撮ったところでスマホのタイマーが五十五分経過を伝えてきたので停留所に戻りました。師匠は十分ほど遅れてきました。
 
「ごめんごめん、スケッチに夢中になって集合時間を忘れていました。お詫びと言ってはナンですが、ランチは奢らせてください。」
「いいですよ、割り勘の約束ですから。」
「いえいえ、それじゃ申し訳ないから。」
「では、遠慮なくご馳走になることにします。で、師匠と行ってみたい喫茶店があるんです。」

喫茶店に案内し、ハンバーグライスを注文しました。
師匠はナポリタンでした。
ハンバーグを一切れ師匠に食べてもらいました。
代わりにナポリタンを分けてもらいました。
美味しかったです。
  
青空兄さんが歳をとったらバーのマスターみたいになりそうな気がしていましたが、バーのマスターが八十歳になったら師匠のようになるのかもしれません。
いいオトコは生まれながらにいいオトコなのではない、いい年齢の積み重ね方の結果だと思いました。
私は二十年後にどういう女になっているんでしょうか。
いいオンナになりたい、そう思いました。
 
食後に、喫茶店のマスターがサイフォンで淹れてくれたオリジナルブレンドのコーヒーを飲みながら、
「実は、私もこの店の佇まいに惹かれてスケッチしたんですよ。」
そういうと、スケッチブックを見せてくれました。
大胆で伸びやかな線描の作品が六枚ありました。
そのうちの一枚は塀の上の猫を撮影しようとしている私でした。
 
「君を見つけた時、よっぽど声をかけようかと思ったんだけど、ものすごく被写体に真剣に向かい合っているのが感じられたので網膜に焼き付けて大急ぎで書いたんですよ。」
そういって、いたずらっ子のように屈託なく微笑む表情が慈愛に満ちて輝いているように思えたので写真を撮らせていただきました。
私のイメージとファインダーの中の師匠はピッタリと一致しました。
私の撮りたい写真を撮ることができました。
写真を撮る喜びを感じることができました。
私もデジカメの液晶画面で二十枚の写真を見てもらいました。
カメラアングルがおもしろいことをほめていただきました。
 
その後、荒川車庫、三ノ輪の二か所を散歩しました。
三ノ輪から浅草まで歩くつもりだったのですが、三ノ輪の商店街も活気があって魅力的でした。
 
師匠は、若い女性と散歩できて楽しかったが、少々歩き疲れたからこれで帰ります、といい、商店街のパン屋で私にいくつかのサンドイッチを選ぶように言いました。
マスターにお土産として渡してほしいとのことでした。
その横顔も慈愛に満ちていて、私の作品の中でも特に好きな一枚となりました。 

私は師匠と別れた後も、三ノ輪商店街と周辺を歩き回りいろんなお店と店主の笑い顔を撮らせていただきました。
 
今日は、自分のイメージとファインダーの中の画像がピッタリと一致するものが多く、フォトグラファーとしての幸せをたくさん感じました。

~~~~

いかがでしたでしょうか? わが身は、冬の間にあまり運動せず、食べてばかりいたので2キログラム体重が増えてとても かろみっこの「画伯」とはかけ離れてしまっているとおもいます。春です、エンジンを掛け、お医者さんに怒られたので減量といきますかね。

徒然こと おわり

 

~~~~~コメント交流~~~

安部さんへのメッセージ (あらいやすまさ)2017-03-04 08:50:05

安部さん、作品のなかに実体が生きていますねえ。よむひとを幸せにします。もちろん、この師匠もです。このシリーズ続けたいですね。 人間への郷愁っていったら変ですし、恋しさかな。Very good afternoonでした。

小さな旅の記念でひとつ音楽絵画をかろみっこにおくります。https://www.youtube.com/watch?v=iGLVxK8Yb0I#t=177.8317535

 

(bottles and apples)

(homage)

 

 

 


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安部さんへのメッセージ (あらいやすまさ)
2017-03-04 08:50:05
安部さん、作品のなかに実体が生きていますねえ。よむひとを幸せにします。もちろん、この師匠もです。このシリーズ続けたいですね。 人間への郷愁っていったら変ですし、恋しさかな。Very good afternoonでした。

小さな旅の記念でひとつ音楽絵画をかろみっこにおくります。https://www.youtube.com/watch?v=iGLVxK8Yb0I#t=177.8317535
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