Yassie Araiのメッセージ

ときどきの自分のエッセイを載せます

朝日記231203  ”圏論は宗教”形而上学の復権と陥穽についてこの数学者はかたる

2023-12-05 09:33:15 | 絵画と哲学

朝日記231203 ”圏論は宗教”形而上学の復権と陥穽についてこの数学者はかたる

とりあえず、ご紹介します。

圏論は宗教。はまり過ぎないように。

つぎの動画は、高校生向きの圏論紹介です;

https://www.youtube.com/watch?v=D2GU4cmm3Ys

 

さらに以下の動画をご紹介します;

時間と自己の基礎構造 圏論的アプローチ

田口茂・西郷甲矢人

https://www.youtube.com/watch?v=9lVbGz35BdE

時間と自己について つまり意識について数学的構造の類似性から

その存在を対象化するというものとしておきます。;

 

荒井メモ 

この動画でのシンポを聞いた私のメモです。

 これは田口茂さんと西郷甲矢人さんがプレゼンターの公開資料でした。

前者はフッサールの現象論の説明からみると哲学者で、後者は圏論が専門の数学者のようです。

すこし考えてから感想と所見を書こうかとおもいますが

講義のあとの質疑応答のkeywordsをあげ、あと私の感想を記述します;

 

集合論と圏論

トポロジー(関係記述の幾何学)と代数的トポロジー(代数的記述のトポロジー)

圏論の構成:対象、関取、自然変換

対象  (例)対象aコップの清水にインク滴、 対象b ひとのうわさ

圏   (例)圏A 経験(現象) 対象a (コップの清水にインク)の色のひろがり

    (例)圏B 対象b (ひとのうわさ)のひろがり

    (例)圏C 拡散をあらわす数学式;圏Aに対応する内容(対象)への入出力の記号論理関係の記述

関取  圏と圏の関係

    (例)圏A と圏Bとの類似対応関係の検証

自然変換 

    (例)(圏A and/or  圏B) 対応を 圏Cとして対応記述(拡散という認識体とし;モノイドとして理論知識化される)

  

 今回の講義の数学者側からの説明は まずモノイドありきであった。これは上述のごとく圏論の出自は集合理論からであり、これを代数的記号化する発想からくるものである。つまりもともと考える関心の現象の母集団の集合体モノイドがあってそのなかでの各小集合体(各圏)間の大小、順位の包摂関係を論じる位置付けからきていると理解する。

あと質疑応答でモノイドの説明が形式/内容の次元で曖昧で理解できなかったという指摘がだされた。

たとえば自我/自己でモノイドを括っているが自我と自己という内容的な差異にまで説明が至ってなく、人間の原集合として自我といいうモノイド内に各「私」つまり自己集合が小集合体としてあるというレベルで説明が終わっている。(位相空間上の問題)

またモノイドとしての自己が時間的に変化をうけていく体(時系列体)が母体モノイド内の小集合(時間的圏系列)として括っていることは想定できたとしても具体的次元での説明に至っていない。モノイドもしくは圏系列としての具体性にとぼしいという指摘があった。(位相時間上の問題) これにたいしてperspective性の視点の説明が欠落をみとめていた。

私荒井がもっとも関心あるところは、

1.説明者側としては現象形態とトポロジーの解明、たとえば意識現象問題として、圏と圏間での入出力の複雑なネットモデルの構築、関係領域内ネット上のニューロン発火点における信号流方向で、その再帰性(信号ループ)やフィードバック経路などでの数学的威力の可能性を語りたかったのではないかと思ったが期待しすぎであったか。しかし数学者側から 信号矢印の逆流操作化(reversiblity)がひょっこと口からあふれたことに、耳をそばたてるものがあったことを告白する。 Julio TononiのIIT(統合情報理論)で意識の情報化システムの研究が世界的に注目されている。

2.たとえば小脳系などのもつ信号のstraight forward性が、一方の大脳系での認知獲得としての信号ループの検証やそのループ信号の逆流的操作transformationが脳内整理としての存在が現実に発見されているのか、あるいはそれを検証しつつある状況にあるのかに深い関心をもつものである。つまり人間の学習メカニズムの解明を意味するのでありこれの解明からくる実用上とくい技術進歩、あるいは技術覇権的な意味合いは昨今重大とみているからである。 意識は思考と感情をふくむものであり、人類文明の本質的課題であるのであるが、文明間での人類の生存次元でとらえなければならいないのは残念であるといっておこう。

3.圏論は新興宗教かと過熱する空気に警告は啓示的である。AIからの出力が権威を装って、その判断根拠が膨大になり、根拠のグレードが混交し、結果として全体の判断が誤ってしまう危険性が現実にあるとおもう。人間社会でとわれるのはAsk the quetionにあり、Ask the answerではないことを痛感するものである。

 

 

 

参考文献としては以下をとりあえずあげておきたい;

土谷尚嗣 クオリアはどこからくるのか? 岩波書店

最新の脳科学と意識の理論から予測する人工知能(AI)の意識の可能性について 学士会誌No.961(2023-IV)

 

圏論に関する一般向けの解説としては以下をあげておきたい;

Category theory - Wikipedia

 

意識の圏論的理解としては以下を上げたい;

土谷・西郷圏論による意識の理解 26_462.pdf

26411.dvi (jst.go.jp)

今日の絵がこれです;

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 朝日記231114  表紙 Panpsyc... | トップ | 朝日記231217 ネットが選んで... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

絵画と哲学」カテゴリの最新記事