TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、単純な自由貿易では、なく、アメリカを中心とする多国籍企業、ウオール街やサンモントなどの巨大アグリ・ビジネスが、自分たちのみに都合のよい条件を折り込んだ、きわめて不公平で、利己的な ”自由貿易協定”に過ぎない。野田佳彦政権に代わってから、急速に復活してきたのがTPPの参加問題である。
TPPに参加すると輸出が飛躍的に増加するというが、これは完全な間違いである。輸出増加が見込まれるとすれば対米輸出だけだが、いまの円高ではそれはまったく不可能だ。
TPP問題は農業問題だけではなく、日米ともにTPPの作業部会は24あって、農業はその一分野にすぎない。経済規模の小さい4カ国だけの経済協定に、米国が加わってから新たに加えられたのが金融サービスと投資の徹底的な自由化だった。農業分野においても、米通商代表部が課題としているのは農協共済の解体である。
さらに、投資においても米通商代表部の狙いは、政府調達の分野での規制撤廃や制度の見直しであり、農地の自由な売買や農協の解体も射程内にあると思われる。すでに林地における売買は匿名で可能であり、外資の農地へのアクセスが容易になれば、日本国の農業政策だけでなく安全保障すら危うくなる。
米国にとってTPPは自国の雇用対策だが、引っぱり出されたのが外交で失態を重ねる民主党の日本だった。
しかし、TPPは米国からしても愚かな政策で、米国がこれまで日米FTAを言い出さなかったことからも推測できる。
そもそも、米国経済は二番底のリスクが高まってる状況で日本の対米輸出を増加できると考えるほうがどうかしている。そして何より大震災後の日本はオバマ政権の愚策に付き合っていられるほど余裕がない。迷うことなくTPP参加は見送って、着実な国内経済の立て直しとオバマ政権後の堅実な米国との関係を考えるべきだろう。
反対論拡大、国論を二分 JAが先導、労組・日医も共闘
毎日 2011年10月25日 東京朝刊
全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長ら7人が24日、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加に反対する1167万人分の署名の一部を持ち首相官邸を訪れた。
「農業再生と高い(レベルの)経済連携は両立できない」 と迫る万歳会長に、藤村修官房長官は 「いろんな人から話を聞いている最中だ。非常に悩ましい」と胸中を明かした。
野田佳彦首相は11月12、13両日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に交渉参加を表明したい意向。
24日の玄葉光一郎外相と米倉弘昌経団連会長らとの会談では「待ったなしの状況」と交渉参加を政治決断するよう迫る米倉氏に対し、玄葉氏が「外に目を見開いて大局的判断を示さなければならない時が間近に来ている」と応じた。
政府は21日の全中を皮切りに反対団体への説明会を始める方針だったが調整がつかず延期に。
24日にようやく長浜博行官房副長官と外務省出身の河相周夫官房副長官補が全国農業会議所を訪れ、TPP交渉の現状などについて説明した。
今週後半には全中も訪問する予定だが、全中幹部は「説明会は政府のアリバイづくり。『ちゃんと説明してますよ』という形を作りたいだけ。付き合わされるこっちはたまらない」と語る。
全中は昨秋、菅直人首相(当時)がTPPへの参加検討を表明して以来、反対運動を先導してきた。関税撤廃によって安い農産物が流入し、コメや畜産が壊滅的な打撃を受けると主張する。
今年1月に準備を始め、農林漁業、消費者団体などでつくる「TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク」の事務局は東京・大手町のJAビル内に置かれ、全中の全面支援を受けているのは明らかだ。経済産業省幹部は「農協が他の業界をたきつけ、TPPへの不安をあおっている」と批判する。
ネットワークは東日本大震災以降、活動を休止していたが、野田政権が交渉参加に前向きな姿勢を示したことから9月に活動を再開。全中は26日にTPP反対の決起集会、11月8日には国民集会を開く。
中小零細企業が集積する東京都大田区内の町工場にまで全中関係者は訪れ、「安い労働力の流入で地域経済が崩壊する懸念がある」と説明した。従業員の間に「参加して本当に大丈夫なのか」との疑問が広がった。
連合はTPP交渉参加に賛成だが、傘下の日本食品関連産業労働組合総連合会(フード連合)はTPP反対を決めた。低価格競争に拍車が掛かり、中長期的には収益を圧迫するというのが理由だ。
フード連合には、キッコーマン、サントリー、味の素など大手から中小の食品メーカーの労働組合が名を連ねる。反対は生協や消費者団体にも広がっている。
日本医師会(日医)も反対だ。米国が保険診療と自由診療を併用する「混合診療」の全面解禁や株式会社による病院経営を要求し、日本の医療に市場原理主義が持ち込まれることを懸念。「公的保険制度の崩壊につながる」と警戒する。
日医関係者は「農協は関税や補助金などで守られている自分たちがいかに生き残るかが主眼。日本の医療全体を憂う我々とは主張が違う」と語るが、「今はとにかく反対することが重要」とも指摘。
25日に日医の原中勝征会長と全中の万歳会長が会談し共闘を確認する。TPP交渉参加への賛否は、国論を二分しつつある。
売国奴どもの主張!“「百害あって一利なし」”の「親米経済圏」への固執はやめよ
野田佳彦政権が参加準備を加速させている環太平洋連携協定(TPP)は、米国の利益に沿ったものであることがますます明らかになっています。
TPPへの参加は日本農業に大打撃となるだけでなく、医療や金融、政府調達など広範な分野で国民生活を損なうもので、強い反対があります。全国都道府県議会議長会なども政府の姿勢を懸念しています。野田政権が米国に忠誠を尽くそうとして、国民の反対を押し切って参加を強行することは許されません。
経済と軍事を一体視
オバマ米政権はアジア太平洋重視の姿勢を強めています。クリントン国務長官は今月、『フォーリン・ポリシー』誌への寄稿で対アジア政策の重要性を強調しました。「太平洋地域に、大西洋地域と同じようにじょうぶで米国の利益と価値観にかなう連携や機構の網を張りめぐらせる」ことが米政権の課題だとし、「米国の努力の試金石」と位置づけています。
その柱がTPPです。しかし、現在参加している9カ国には米国以外に経済力の大きい国がなく、このままでは経済圏としての比重は限られ、アジア全域に広げる展望も開けません。主導するオバマ政権は、日本にTPP参加を強く迫っています。それが米国の利益であり、オバマ大統領の再選にもつながるとみるからです。
経済成長に不可欠な平和は、軍事力に頼らない自主的な外交努力によってこそ確保されるべきです。
TPPは米国に都合のいい「親米経済圏」です。TPP交渉が各国の経済主権を尊重した、互恵に基づく普遍的なルールづくりになるわけではありません。
世界2位の経済力をもつ中国はTPPに参加していません。仮に、推進派が描くように将来、中国を含むアジアに広がることになるのなら、TPPはその性格を大きく変えざるをえず、新たな交渉も避けられないでしょう。日本経済がアジアとのつながりを深めるなかで参加を急ぐべき理由はありません。
財界の脅しも根拠ない
財界は、TPPに参加しなければ「産業空洞化」が進むと国民を脅しています。しかし、米国がわずかな関税を撤廃しても、その効果は少しの円高で吹き飛び、輸出拡大にはつながりません。
輸出依存を転換し、国民のふところを温め、内需主導の経済を築くべきときです。日本経済のあり方を変えるうえでも、TPP参加は「百害あって一利なし」です。
TPP(環太平洋経済連携)交渉参加反対、第二弾宣伝
上田駅前で、第二弾となるTPP反対宣伝
本日も、風雲急をつげるTPP交渉参加反対の宣伝行動を上田駅前で行いました。今日は、「頑張ってください」と声をかけてくださる人がいて、元気がでました。左から、古市市議(ふるいち)、金井市議、私(久保田)、
渡辺市議です。
それにしても、今朝は3℃まで冷え込んでしまいました。冬に向かってまっしぐらといった感じです。