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人生長く生きていると種々雑多な事・物が頭に鬱積してすっごく重たい今日この頃です。今こそリフレッシュ!それでは、よろしく!

柳の下に二匹目のドジョウはいなかった?!「乙女の祈り」の作曲者、バダジェフスカのピアノ曲を上梓!!

2011-07-02 | Weblog

 おしゃれで、上品、そして乙女心を見事に表現したピアノ曲として、世界中で今現在でも頻繁に演奏されている作品の中に、テクラ・バダジェフスカの「乙女の祈り」があります。それほど技術的には難しくなく、程ほどに甘く、程ほどの長さ、そして左手のオクターブのメロディーで充分すぎるほどの演奏効果を上げていることでも超有名な曲ですね!ある意味、「カステラ」?感覚のように重すぎない小粋な作品ですね!

 今回彼女の「乙女の祈り」以外の曲にも注目!色々と作曲していまして、その中の2曲を「You Tube」に上梓いたしました。

乙女の祈りの楽譜を持つバダジェフスカ像

 テクラ・バダジェフスカ(Tekla Badarzewska-Baranowska ※ポーランド語に近い表記では、ボンダジェフスカまたはバダルジェフスカと言うようです!)は、ポーランド、ワルシャワに1834年に生まれ(1838年生の説有り)、結婚し5人の子供をもうけたましたが、病弱の為、1861年、27歳の若さで夭折しています。

 ご存知「乙女の祈り (La priere d'une vierge)」については、ネット情報の受け売りですが、1856年にワルシャワで出版され人気を呼んだため、1859年にパリの音楽雑誌の付録として楽譜が発表されると、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、オーストラリア、アメリカの80を超える出版社から次々と刊行され、また様々な編曲でも親しまれたそうで、つまり世界中で売れに売れたピアノ小品となりました!

 彼女は生前にこの手のサロン風ピアノ小品を35曲あまり作曲していますが、正式な音楽教育を受けなかったせいか、曲作りに素人臭さが残り、和声コードの進行なども単純で、音楽としての深みが少ないため、「乙女の祈り」一曲のみが、時代を超えて現在でも演奏されているようです。また日本ではピアノ学習者に人気があり、次のステップへの一つの目標にもなっているようですね!

 特にこの曲の最後の変奏部のメロディーに表れるマンドリンのトレモロを思わせる同音反復の華麗さは、現在でも我々の心を捉えて放さない大きな特徴となっています!18歳の時に作曲されたようで、これは本当に「傑作」と言える作品に仕上がっています。


  ところで、バダジェフスカを取り上げようと思い立ったのは、他でもない若手ピアニストの横内愛弓さんがYouTubeに演奏をアップしていることと、そして偶然「バダジェフスカ作品集」がキングレコードから発売されていることを知って、これを聴いたためです。収録曲のほとんどが初録音ということですね。聴いていて、ちょっと納得のいかない演奏とかがありまして、それで自分で演奏(生ピアノではなくて、パソコンのDTMで演奏する訳ですが)したくなったんですね!

 まぁ、若いプロのピアニスト(ユリヤ・チャプリーナというロシアの若手ピアニスト)が、素人っぽいピアノ作品を、延々17曲も料理するのはさすがにしんどいかなぁ、と思いました。ただし、出だしの一曲目の「乙女の祈り」は、まさにバダジェフスカの目に染みいる曲想を最大限に生かし切った、素晴らしい演奏だったことをお伝えしておきますね。それと、バダジェフスカの後期の作品の中には、間違いなく傑作といえる作品もあるようです。同国の音楽評論家?の方が解説しておられますが、結構バダジェフスカの生い立ちなどを調査されたようで詳しくて勉強にはなりました。※ご参考までに、下にCDのジャケットを掲載しました。こちらの方は、17-8才のお若い綺麗な方ですね(^^;

 

 

 かなえられた乙女の祈り-バダジェフスカ作品集 

 今回は、2曲Midi打ち込みをして、掲載しました。一つめは、「Vision」(幻影または夢)です。ちょっともの悲しげなメロディーから始まりまして、突然例のトレモノが長調で明るく現れ、その後鳥の冴えづり風なメロディーへと進み、最初のもの悲しいメロディーが繰り返されて、深い悲しみに包まれて終わります。「失恋の歌」と言うよりは、自然の中でのちょっとした「しんみりした歌」といえるかもしれません。

 2曲目は、主題と3つの変奏曲からなっていまして、こちらは結構明るく、まさにサロン的社交的な風景が見えてきます。もちろん三拍子ですね。舞踏会風なイントロから始まりまして、最後のクライマックスの第三変奏は、例のトレモロによる華麗なるメロディーへと変身して、静かに幕を下ろします。これは、彼女はとっておきのメロディーが閃いたのでしょうか?目に染みいる曲想と言いますか、素晴らしい出来映えです!当方は、これは「乙女のい、、」ぐらいのレベルには達していると思います。見直されて、もっともっと演奏されても良いのでは!と思いました。

 偶然ながら、2曲とも、バダジェフスカのトレードマークになっているトレモロが効果的に使われているのが、ほほえましいですね!それでは、どうぞお聴きください!

(1) Thekla Badarzewska "Vision(幻影または夢)"

 

(2) Thekla Badarzewska "Le reve d'un ange(天使の夢)"

 バダジェフスカは、「乙女の祈り」の版権とかで、結構なお金が入ったのでしょうか?二匹目のドジョウを狙ったのは当然でしょうが、そうは問屋が卸さないのは、どんな時代でも同じ様でして、、、?その後のピアノ曲のタイトルに、やたら「乙女」とか「祈り」という文字が入ってしまうのは、作曲家となった「人の性」なのでしょうか?「かなえられた祈り」、「乙女の夢」、「乙女の晩祷」、「孤児の祈り」、「母の祈り」、「水夫の祈り」、「乙女の感謝」などなどで、果ては「乙女の祈り第2番」などというタイトルも出現!!

 結局の所、最初に世に出した「乙女祈り」以上の、「傑作&超人気」作は残念ながら出せなかった様です。

ちょっとご興味を持った方への情報として、ラッキーなことにバダジェフスカのピアノ作品集の楽譜が、ヤマハから出版されていまして、全7曲入っています。7曲目の「かなえられた祈り」や6曲目の「森のこだま」などに注目ですね。この楽譜集に掲載の「森のこだま」や「希望」など聴きますと、バダジェフスカの新たな一面と、より進化した作曲技法と楽想の魅力を、新たに見つけ出せるかも知れませんね!

バダジェフスカ ピアノ作品集~乙女の祈り~

それでは!一目惚れでした!