リバタリアニズム
libertarianism
個人的な自由、経済的な自由の双方を重視する、自由主義上の政治思想・政治哲学の立場
福祉国家のはらむ集産主義的傾向(→コレクティビズム)に強い警戒を示し,国家の干渉に対して個人の不可侵の権利を擁護する政治思想。
自由至上主義,完全自由主義とも呼ばれる。
ロバート・ノージックらが論者として知られる。
古典的自由主義と同様,リバタリアニズムも自由市場経済を支持するが,その論拠は自由市場が資源配分の効率性で卓越するということだけではない。より重視されるのは,集産主義的介入が自明の権利である個人の自然権や基本的人権を侵害するという点である。
リバタリアニズムの出発点は社会の理解に関する徹底的な個人主義的アプローチであり,社会をなんらかの実体ではなく,自律性を権利として保障された諸個人が互いの価値の実現を目指して交流をもつ場として考える。国家や政府による合理的計画よりも自律的な個人の活動のほうが社会的利益を最大化すると考え,また個人の自律性を国家や政府の干渉によって強制的に縮小しようとする試みは,個人の独自性を破壊し,社会の目的のための手段として個人を扱うことになるととらえる。
個人の価値の追求には法による制約が課せられるべきだが,法規制の目的は各人の平等な権利を保障することに限定され,国家や政府の役割はそこにあると考える
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