関西ミドル 雑記帳
不動産賃貸業 元ゼネコン勤務
 



加ト吉の循環取引、名古屋の鉄鋼商社が関与…外部調査委
 冷凍食品大手「加ト吉」(本社・香川県観音寺市)グループが「循環取引」を繰り返し、総額984億円の連結売上高を水増ししていた問題で、東京支社の循環取引に関与した取引先2社のうち1社は、名古屋証券取引所1部上場の鉄鋼商社「岡谷鋼機」(本社・名古屋市)だったことが、加ト吉が設置した弁護士らによる外部調査委員会の調査でわかった。

 取引総額は248億円に上り、岡谷鋼機についても売上高水増しの疑いが浮上、証券取引法に抵触する恐れもある。一連の循環取引で、加ト吉以外の上場企業の関与が明らかになったのは初めて。

 加ト吉によると、東京支社の東京特販部は伝票上、岡谷鋼機から冷凍食品などを購入し、都内の冷凍食品販売会社に販売。その同じ商品が岡谷鋼機に転売され、3社間を一巡していた。

 売買による商品の名義変更は、岡谷鋼機と冷凍食品販売会社間だけで行われていた。東京特販部は、売買時に契約書や伝票を作らず、支社が1か月ごとに一括して伝票処理しており、外部調査委から「異例な取引形態」と指摘された。

 岡谷鋼機は1937年設立。07年2月期連結決算の売上高は8433億円で、税引き後利益は93億円だった。上場企業の場合、売上高の粉飾など有価証券報告書への虚偽記載は、証券取引法で禁止されている。

 岡谷鋼機企画部の話「取引の有無を含めコメントできない」

(2007年4月25日 読売)
加ト吉の「循環取引」疑惑は24日、51年にわたってトップを務めた加藤義和会長兼社長の引責辞任に発展した。加ト吉は5月中をめどに有価証券報告書を自主訂正する方針で、これを受け、東京証券取引所は加ト吉株を上場廃止の可能性のある「監理ポスト」に割り当てるかどうかの検討に入る。

 加ト吉によると、「不適切な取引」の総額は約1000億円に上るという。2007年3月期までの6年間にわたり、この間、売上高が水増しされていた可能性が高い。東証が監理ポストに割り当てた場合は、こうした虚偽の記載が市場や投資家に与えた影響の重大性を検討し、上場廃止とするかどうかを判断することになる。

 また、加ト吉は「不適切な取引」に伴う損失額が約150億円に上るとしており、2007年3月期連結決算で特別損失に計上する方針だ。今年2月時点の予想では税引き後利益が70億円のため、赤字転落が必至の情勢だ。

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加ト吉 帳簿上だけの「循環取引」発覚
2007年3月26日 ゲンダイネット

週明けの株価はストップ安売り気配

 マーケットが早速、警戒感を示した。
 粉飾決算の疑いが生じている冷凍食品大手の加ト吉(東証1部上場、本社・香川県)である。複数の取引先との間で帳簿上だけの商品売買を繰り返す「循環取引」に関与していたと指摘され、同社は25日の緊急記者会見で、「もしあったとすればわれわれは被害者だ」と説明していた。
 26日の株式市場では、加ト吉はウリ一色。午前は、前週末比100円ストップ安の750円売り気配のまま。23日に売掛債権の一部に回収不能の懸念が生じているなどで75億円の特別損失が発生するとの見込みを発表したことも嫌気されている。
「循環取引」については、外部専門家の意見も仰ぎ、4月中に調査結果を公表するとしているが、なぜこんな事態を招いてしまったのか。
 今回の循環取引は、香川県内の貿易業者が中国から輸入した魚や栗、黒酢、小豆などを大阪の中堅商社経由で加ト吉と子会社の加ト吉水産が購入。その後、岡山市の食品販売会社に転売し、香川の貿易業者が岡山の食品販売会社から買い戻していた。こうした取引は昨年1年間で200億円規模に上るとされる。循環取引は数年前から行われているとみられ、現在取引を中止している。
 同社幹部は「社として意図して行ったわけではない」と釈明しているが、市場関係者を含む世間の目は楽観的なものではない。「循環取引は一種の“ころがし”。一般的に売り上げの水増しを狙う時に使われる。加ト吉の今期の予想売上高が昨年度より約200億円増えていることも引っかかる」「本当に被害者なのか」(いずれも証券関係者)などといった声も出ている。
 不正会計問題では日興コーディアルグループが上場廃止寸前まで追い込まれた。万一、粉飾となれば、加ト吉は有価証券報告書の虚偽記載を禁じた証券取引法に抵触する可能性が大きくなる。加ト吉には納得いく説明が求められる。

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・循環取引の発端は、加ト吉と親密な関係にある香川県の貿易会社(以下、「貿易会社」)から持ちかけられたもののようです。貿易会社から大阪市の中堅商社「茶谷産業」へ取引を持ちかけられ、その後、加ト吉の常務からも働きかけがあったようです。
・中堅商社は、2002年に貿易会社から冷凍クリや冷凍サワラ、霊芝(れいし)、健康食品などの仕入取引を開始。実際には商品を動かさず、伝票上の取引として商品を仕入れ、加ト吉や子会社の「加ト吉水産」(本社・観音寺市)に販売。
・加ト吉側は兵庫県や岡山県の食品販売会社などの順に転売、さらに、もともとの仕入れ先の香川県の貿易会社に転売。
・これら一連の売買取引の間、商品は神戸市の倉庫に保管されたまま出荷されず、売買の度に名義変更だけが繰り返された。
・中堅商社では、貿易会社から商品を仕入れたとする売買契約書と、それを加ト吉、加ト吉水産に販売したとする売買契約書を同じ日に作成。同一日に2つの売買が行われた形にし、商品の名義だけを貿易会社、商社、加ト吉あるいは加ト吉水産の順に変更していた。商品の売買契約書は、加ト吉が「買い主」「売り主」いずれの場合も、加ト吉の(社長ではなく)常務名が記載されており、加ト吉の社印が押されていた。契約書にはこのほか、品名、数量、単価、現金あるいは手形での決済日が記入されていた。当循環取引について、複数の取引先関係者は、加ト吉側の責任者は常務だったと証言している模様。



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