カーテンウォールはいくつかの部材で構成されています。それらの構成材は、窓
になるガラスの部分をどのように支持するか、ガラスや壁材など面状の部分に
かかる風圧をどのように躯体に伝えるかという構造的な役割を担っていると共
に意匠上の特徴ともなります。カーテンウォールは構成している部材の形状に
よって、線状の部材を用いるものと、パネル状の部材を用いるものの二つに大
きく分けることができます。
マリオン方式
最も代表的なカーテンウォールの構成方法は、マリオン(方立)と呼ばれる部材
を上下の床(もしくは梁)の間に掛け渡し、そこにガラスやスパンドレルパネル
をはめ込むものです。そしてこれらの組立て作業を現場で行うものを「ノック
ダウン方式」といいます。
初期のマリオン方式のカーテンウォールでは、ガラスはマリオンの奥に取付け
られ、マリオンの縦線が強調されるデザインが主でしたが、現在は「バックマ
リオン」といわれて、マリオンの前面(室外側)にガラスが取付けられる例が多
くなってきました。「SSG構法」とよばれるものには、このバックマリオンが多
く用いられます。最近は、マリオンの前面に、メタルの枠に組込まれたガラス
窓やメタルのパネルを取付ける、ユニット方式のバックマリオンという構成も
増えてきています。
また、マリオンに相当する力材を水平に流し、そこにガラスやスパンドレルを
はめ込む構成方法も少しずつ増えてきており、「無目通し(トランザム )方式」と
呼ばれています。
パネル方式
マリオン方式と並んで代表的なカーテンウォールの構成方法がパネル方式です。
パネルを並べれば壁面が構成されるので、現場の取付け工事は単純化されます
が、目地の処理が課題となります。意匠的にはパネルの中に窓を独立して設け
るとポツ窓の表現となります。
パネル組合わせ方式
パネルを組合わせて壁を構成し、残った部分にガラスを入れて窓とする構成方
法もあります。この本ではそれを「パネル組合わせ方式」と呼ぶことにしまし
た。ガラスを含むメタルの窓枠をパネルと同様に扱って、パネルの組合わせだ
けでカーテンウォールを構成する方式もあります。この方式は、風圧などの力
をどのように流すかによって、様々な組合わせ方が考えられます。
柱・梁カバー方式
構造躯体の柱・梁を包込むような形状のパネルを組合わせると、柱梁を強調し
た表現となります。この構成方式は「柱・梁カバー方式」と呼ばれ、多くの実
例があります。
スパンドレル方式
梁の前面と腰壁の部分だけをパネルで構成し、上下のパネル間にガラスを入れ
て横連窓の表現とするカーテンウォールも、最近の代表的なカーテンウォール
と言って良いでしょう。このような方式のものを「スパンドレル方式」と呼ん
でいます。パネルの間に一般的なサッシを入れるものと、ガラスだけをはめ込
むものとがあります。
http://www.cw-fw.or.jp/cfwa/data/cw_44_5.pdf
建築物の外部に面して取り付けられる非耐力壁のこと。
超高層建築の外壁は工法、安全面などの様々な観点からカーテンウォール方式が採用される。
カーテンウォール部材は工場生産されるので、運搬が可能で遠隔地でも施工するすることができ、工期の短縮にもなる。
また、部材の取り付けが内部から出来るので安全性も高く、外部の足場が不要になる。