魔の川 死の谷 ダーウィンの海
イノベーション経営における三つの関門
技術を基にしたイノベーションを実現するために、研究開発から事業化までのプロセスにおいて乗り越えなければならない障壁を指す。
魔の川
研究ステージと製品化に向けた開発ステージの間に存在する障壁。
一つの研究開発プロジェクトが基礎的な研究(Research)から出発して、製品化を目指す開発(Development)段階へと進めるかどうかの関門のことである。
この関門を乗り越えられずに、単に研究で終わって終結を迎えるプロジェクトも実際には多い。
研究を研究だけで終わらせないようにするためには、技術シーズを市場ニーズに結び付け、具体的なターゲット製品を構想する知恵が必要とされる。
死の谷
開発段階へと進んだプロジェクトが、事業化段階へ進めるかどうかの関門である。
この関門を乗り越えられずに終わるプロジェクトも多い。そこで死んでしまうことから、死の谷と呼ばれる。
事業化するということは、それまでの開発段階と比べて資源投入の規模は一ケタ以上大きくなることが多い。
たとえば、生産ラインの確保や流通チャネルの用意である。だから、死の谷は深いのが当然である。
商品を製造・販売して売上にまでつなげていくためには、資金や人材などの経営資源を適切に調達することが必要となる。
ダーウィンの海
事業化されて市場に出された製品やサービスが、他企業との競争や真の顧客の受容という荒波にもまれる関門を指す。
事業を成功させるためには、競争優位性を構築し、多くのライバル企業との生き残り競争に勝つことが必要とされる。
ここで、事業化したプロジェクトの企業としての成否が具体的に決まる。
ダーウィンが自然淘汰を進化の本質といったことを受けて、その淘汰が起きる市場をダーウィンの海と表現したのである
それぞれの関門を乗り越えることによって生まれる成果は、魔の川では死の谷への移行であり、死の谷では事業化の着手であり、ダーウィンの海では市場での生き残りである。
この三つの関門を乗り越えるための経営が、イノベーション経営の中心と考えていいだろう。
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でよくいわれる研究開発の魔の川の大きな原因をCCSCモデルは示しているのでは。