横紋筋融解症
横紋筋融解症は、夏期には脱水や熱中症によりあらわれる。
骨格筋の細胞が融解、壊死することにより、筋肉の痛みや脱力などを生じる
医薬品によって引き起こされる場合がある。
主に高脂血症薬、抗生物質(ニューキノロン系)でみられることがある。
「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」、「手足がしびれる」、「手足に力がはいらない」、「こわばる」、「全身がだるい」、「尿の色が赤褐色になる」
骨格筋の細胞が融解、壊死することにより、筋肉の痛みや脱力などを生じる病態をいいます。その際、血液中に流出した大量の筋肉の成分(ミオグロビン)により、腎臓の尿細管がダメージを受ける結果、急性腎不全を引き起こすことがあります。
また、まれに呼吸筋が障害され、呼吸困難になる場合があります。横紋筋融解症
は多臓器不全などを併発して生命に危険が及んだり、回復しても重篤な障害を残したりする可能性がある。
すみやかな対応(服用中止、輸液療法、血液透析など)により腎機能の保護をはかり、回復の可能性を高める必要があります。
臨床検査所見
検査所見でもっと重要なものは血中CK 上昇である。
腎障害をきたす程度については、もともとの腎機能障害がある場合には比較的軽度の上昇でも腎障害が強くなる場合があるので念頭に置く必要がある。
CK 上昇とともにLDH、AST(GOT)、ALT(GPT)も上昇する。筋症状がある場合には、CK 上昇の有無を必ず確認することが重要である。腎機能は必ず検査する必要がある。
急性発症の場合には、ミオグロビン尿がCK 上昇に先立つ場合があるので問診には注意が必要である。