「自転車は歩道を走るべからず」というお達しが功を奏してか、車道を疾駆する自転車が大変に増えている。
多くは車輪が細くてスピードの出るスポーツ用の自転車であって、ファッションもそれなりにスポーティな人が多い。さすがにママチャリとサンダルで車道を走る命知らずは見ない。
あんなにピュンピュン飛ばせる自転車に歩道を走られては危険この上ないので、歩行者の一人としては誠に喜ばしいのであるが、車の運転者としてはこれがまたハラハラドキドキで、実に悩ましい。
なにしろこちらは巨大な鉄の箱、向こうは手足むき出しでお互いに時速数十キロで移動しているのであるから、悪くすればほんのちょっとかすっただけで自転車は吹っ飛び肉は裂け骨は砕ける。
なのに中にはニューヨーカー気取りか何か知らぬがすすいのすいと車の間を縫うように蛇行して走る人もいたりする。ことに路上駐車をよけてはみ出して来る時なんかが危なっかしい。
今の日本の道路状況なら車道を走るのはやむを得ないと思うが、せめてヘルメットくらいはかぶってほしい。
一番居場所のないのが私のような幹線道路沿いのママチャリ乗りで、車道を走るのなんか論外だし、歩道も人でいっぱいだからいっそ押して歩いた方が早いてなことになる。
いなかで自転車通学している中高生も不憫なもので、ダンプやヤンキー車が疾走する、路肩の白線エリアも幅10cmしかないような道路を一生懸命こぎこぎしている。
要は従来の日本の道路行政には自転車の存在が全く視野に入ってなかったということなのですね、たぶん。
そういえばベルリンの地下鉄が自転車持ち込み可になっているのを見て驚いた。
っていうか、見るからにガッシリした武骨な自転車をかついで階段を昇り降りするおじさんやOL風のおねいさんを見た時の方がびっくりした。
あれくらいの体力がないと、自転車の本格エコ活用なんか無理なのかも。