転がる雪だるま

10年間に渡り借金をし続けた。最初はすぐ返すつもりだった。絶対返せるはずだった・・・

多重債務道10 狂い

2008年02月28日 | 多重債務道
「カードのショッピング枠で現金化」 先月こんな看板をみた自分は「西洋ファイナンス」に電話をした。 支店に来るように言われ行くと、またマンションの前にいた。「フルーツファイナンス」の様にコワイ所かと思いつつ入ってみると、やはりコワモテのおっさんが居た。「フルーツファイナンス」と一点違ったのは受付に30才前後の綺麗で短いスカートの制服を着た色っぽいお姉さんが居た事だった。 そのお姉さん受付がシス . . . 本文を読む

多重債務道9 恐怖

2008年02月27日 | 多重債務道
給与日まで後5日間。 これまで「フルーツファイナンス」に電話を毎日かけ「給与日に15万返します」と毎回確認をさせられていた自分は、仕事の出張でどうしても電話に出られない日が1日あり、出張が終わり家に帰るとポストに書置きが入っていた。 フルーツファイナンスからだった「今すぐ電話をしろ」としか書いていない。切手も何もはっていない。すなわち、そのファイナンスの誰かが家に来たと言うことだった。 すぐ . . . 本文を読む

多重債務道8 闇

2008年02月26日 | 多重債務道
返す為には借りるしかない。 返せなくなると言う事は法的に給与、家財等を差し押さえられる。 会社にも自分が借金をしている事がばれる。出世街道からの脱落。入社してからは借金がばれて会社を去る者、居続けても出世ができず5歳も年下の上司に使われる人を何人も見てきた。 自分はこの様な事態にも関わらず、どっちにもなるのが嫌だった。そんなプライドが借金の額を大きくして来たとは、その時は思ってもいなかった。 . . . 本文を読む

多重債務道7 サイン

2008年02月20日 | 多重債務道
手取り14万の給与で消費者金融4社へは7万の支払い。 給与の半分を支払に回す生活は無理だった。返済を怠ったら実家や会社へ消費者金融から電話行くことを恐れた自分は、何が何でもお金を作る作業に没頭しなければならなかった。 その時点で、飲み屋やパチンコ、旅行など衝動的に今が楽しければ良いと思う歓楽的な考えは無くなった。 消費者金融で借りる目的も旅や趣味に使うと言う理由ではなく、借りないと返済できな . . . 本文を読む

多重債務道6 加速

2008年02月19日 | 多重債務道
「プロニス」の金は2ヶ月もしないうちに消えた。 仕事帰りにパチンコにいく事が日課になっていた。消費者金融から借りる前までは絶対にしたくないと決めていたパチンコにどっぷりと浸かってしまった。1万円札はすぐに10枚の千円札に変わり、10枚の千円札は紙くずのごとく消えていった。 休みの日はキャバクラ等にもいくようになった。結婚時では飲み屋にお金をかける事は考えられなかった。手元にお金があるとつい使っ . . . 本文を読む

多重債務道5 慣れ

2008年02月10日 | 多重債務道
「プロニス」の窓口に立った自分を品のある礼儀正しい女性が迎えてくれた。 椅子に座り新規申し込みを告げた。前回申し込んだ「アムコ」(仮名)と同じような申込用紙だった。 急いでいた。 自分は前回書くときに心が痛んだ親の事を書く所も、何も考えずに書ける自分になっていた。前回「アムコ」に借りた50万円もある、今回はそんなに借りられない、借りてはいけないと思い、極度貸付金額は30万円を希望し記入した。 . . . 本文を読む

多重債務道4 ぬるま湯

2008年02月09日 | 多重債務道
初めての借り入れから3ヶ月は立った。返済は順調である。 だが返済額よりもここ2ヶ月は借り入れの額のほうが上回ってきた。1万5千円返済しても翌日以降の借り入れで遊ぶ金欲しさに3万、4万つい自分のお金の様に使ってしまう。きちんと仕事もしているし毎月返済期限に指定の金額を入金すれば良いと勘違いしている。 大抵の消費者金融会社は10万の借り入れに対して5千円を毎月の期限までにATM、銀行振り込み、支店 . . . 本文を読む

多重債務道3 震え

2008年02月08日 | 多重債務道
「アムコ」(仮名)の入り口に立った。自動ドアが開き、中にはATMが1台。さらにその部屋からは2つの入り口に分かれている。一つは有人窓口、もう一つは自動契約機の入り口だった。 その部屋に立った自分に有人窓口のほうから「いらっしゃいませ」と聞こえてくる。その声に焦りつつも自動契約機の部屋の中に進んだ。 部屋を見渡すと銀行のATMと小学生が使う学習机を足して2で割ったような機械が部屋の壁沿いに置いて . . . 本文を読む

多重債務道2 一歩

2008年02月07日 | 多重債務道
相手が去って2,3日後から困ったことになった。まず相手が残してくれたお金が給料日まで半月残して約1万5千円しかない事。冷蔵庫が無く食事の材料、飲み物すら冷やせない事。電話が無く自分から、又は、会社から連絡が取れない事。当時は1997年の事であり携帯電話は高価で、まだ現在の様に誰でも持てる物ではなかった。低価格、低規格のPHSが登場して間もない時代だった。 サラリーマンにとって電話が無い事、連絡手 . . . 本文を読む

多重債務道1 短い春

2008年02月06日 | 多重債務道
今までは幸せだった・・・ 最後の十代に7つ年上の女性と同じ籍になり、青いながらも自分の中では完璧な夫を務めていた。それから3年が過ぎ、年上の妻は物足りない自分に愛想が尽きるのだった。喧嘩をたくさんした。お互いに「ののしり」合った。時には物も投げた。事後にはたくさんの破片がじゅうたんに散らばっていた。お互いにもう限界だった。 そうして「離婚」した。 協議離婚だった。慰謝料はとられなかった。市役 . . . 本文を読む