新. _ 植 物 紀 ・ s e e d .

復活、新植物紀!!

富貴蘭について

2017-12-22 19:47:39 | 雑感
若い人から、きかれることが多い。
富貴蘭は近々、絶える。
理由は、若い趣味家がいないからである。入門者がいない限り、初級中級品種、あるいは旧来の古典品種に需要がない。つまりは価格が維持できない。一生懸命集めても、いずれは二足三文となる。
10年前は、富貴殿の素立ちが5万円で売れたが、現在では1万円を切る。この価格の低迷はスピード感があり、もはや暴落とも言える。
では、今が底値かというと、それも違う。
…まだまだ下がる。
なぜならば、これから新たな需要が見込めないばかりか、ベテランたちが確実に引退していくからだ。
彼らの引退により、需要が減り、棚を解体することで新たな供給が生じる。無論、供給の受け手はない。
富貴蘭界はベテラン1人の引退により、多大なダメージを受ける。

あとは少ない趣味人口で内輪の取り引きを続けていくわけだが、無理がある。新品種はそう簡単には出てこない。出てくるとすれば、それは交配種だ。交配種ならば、簡単に改良できるわけだから単価を下げざるを得ない。過当競争である。富嶽と豆葉の掛け合わせなどが良い例だ。あとからあとから、いくらでも出てくる。

無理やり、系統をたてて購買意欲をかりたてようと必死だが、よく考えて欲しい。その木には良い柄が出ているか?系統が良いなら地味柄や青はないはずだ。クズのようなゴミをつかまされてないか?

新規の趣味家は期待できない。富貴蘭以外にも魅力的な植物がたくさんある。ネットをあさればザクザクと…。
あと10年待てば10分の1に下がる。待てば待つほどお得なのだ。
古朝鮮、紫電龍と呼ばれていた頃は高かった。それが今やどうだ?匂威しかり大観しかり。

まずは古典園芸の専門誌が廃刊となる。次に大棚のブログが停止され、啓蒙がより困難になるだろう。あとは専門店の閉店である。都心部の店がテナント料を支払えなくなり、閉店していく。名古屋ではいち早くこの流れが起こっているが、大阪、東京なども同じことだ。郊外に店を移し、ネット通販に切り替えるという手もあるが…。実店舗の衰退は富貴蘭の滅亡を印象づけるだろう。

ただ、韓国にはまったく別の流れがある。バイオテクノロジーが発達しているので、今まで通り春蘭、富貴蘭の実生交配種を大量に生産し続けるだろう。バイテクなので低価格化しても対応できる。