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バーボングラス片手のロックな毎日

百田尚樹 殉愛 やしきたかじん

2014-11-22 03:29:28 | MUSIC/TV/MOVIE
やしきたかじんの晩年を書いた百田尚樹の「殉愛」。
売れてるらしいな。
俺は苦手だな。この手の類いの本は。
ちょっと売れてるタレントが出す自伝本と同じく苦手。
特に亡くなられてすぐ出るエピソードを集めた本って美談ばかりだもの。
本人はもう否定も肯定も出来ないから、真実なのかどうかもわからないし。

戦国時代の武将や明治維新の立役者を主役にした本は好きなのにね。ちょっと不思議。
何故なんだろう。
多分エピソードが偏っててリアルすぎるからかな。
内容が事実なのは取材とかしてるだろうし、色々な関係者の話で裏付けされてるんだろうけど、
出版迄が早すぎるから、資料が少なくて内容が偏ってしまってる気がするからかな。

今報道されてる高倉健さんのエピソードや、放送されはじめてる追悼番組がいい例だ。
どれも同じくらい内容が偏ってる。
「いい人だった」「凄い人だった」「こんな事もあった」「こんな一面もあった」
ステレオタイプのエピソードばかり。
だって、高倉健さんはプライベートを決して表に出さなかった人だもの。
それよりは高倉健さん自身が書いた「南極のペンギン」や沢木耕太郎の「バーボンストリート」等を
読んだ方がよっぽど人間・高倉健がイメージできると思う。

例えばもし坂本龍馬が亡くなってすぐに龍馬本が出版されてたら、とても内容は陳腐な内容だった気がする。
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」が名作なのは、かなりの資料とそれぞれの登場人物のエピソードと絡み、
そして空白の部分を埋めるための想像と時代考証があるからだと思う。
このレベル迄内容を高めるためには、亡くなって1年くらいで出版はどう考えても無理だよ。

百田尚樹さんの「永遠の0」や「海賊と呼ばれた男」などは面白かった。
「特攻隊を美談にしてる」とか一時期批判されてたが、それは作家や内容に対するただのコメントだから問題は無い。
でも、今回の「殉愛」はちょっと出版が早すぎないか。この本の目的、主旨がわからん。
たかじんさんや高倉健さんを偲ぶのはいいが、プライベートな部分を表に出すと語弊も招くし、故人の偶像を貶める。
亡くなられた方に対してはご冥福をお祈りすればいい。

案の定、たかじんさんの長女がこの本によって名誉毀損やプライバシー侵害をされたとして訴えた。
出版元の幻冬舎に、出版差し止めと1100万円の損害賠償の訴えを東京地裁に起こしたらしい。
マスコミや評論家、一般大衆読者が内容についてあれこれ言ってるのとはレベルが違う。
実の娘に訴えられるってどうなのよ。
読んで無いからどの部分が名誉毀損やプライバシーの侵害なのかがわからないが、内容がかなり偏ってたんじゃないのか?
(読んでもいないのにこういった事書いてるのもなんだが)

話はいきなり変わるが、先日歌番組で玉置浩二がたかじんの「やっぱ好きやねん」を歌ってた。
玉置浩二は歌が上手い。でもやっぱダメだな。
大阪弁の歌を大阪以外の人が歌うと、微妙にイントネーションが違うから。
沖縄民謡や東北の歌をその他の地方の人が歌うようなもんだ。
味が無い。
以前、カールスモーキー石井が「NIPPONIA」ってアルバムで、上田正樹の「悲しい色やね」を歌ってた。
カールスモーキー石井も歌が上手いが、これも全然ダメだった。
いくら歌が上手くて歌唱力があっても、その地のイントネーションは出せないんだな。
日本人歌手がアメリカで成功しないのは、英語が喋れても微妙にイントネーションがネイテブと違うからかな。

やしきたかじんの歌はやしきたかじんが歌ってるのをCDで聴けばいい。
徳永英明、クリスハート、JUJU・・・その他カバーばかり歌ってるアーティスト。その辺わかってよ。





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