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バーボングラス片手のロックな毎日

商社マンがスーツを着ないで戦えるの?

2018-05-02 23:30:10 | Talk is Cheap
人を見かけで判断してはいけません。
子供の頃に親にそう言われ育ったのだが、どうもこれだけは納得いかないまま今に至る。

伊藤忠商事の決算会見で会長と社長がデニム姿で登場した。
伊藤忠といえば丸紅・帝人・住友と並ぶ総合商社の大手。その一流企業と言われる会社が、毎週金曜日そして5月からは週2日水曜日も「脱スーツデー」とするんだと。この日はスニーカーでもジーンズでもカジュアルな服装での出社を推奨するんだて。

はっきり言って、馬鹿ですか?
どうせ上層部が「これからの時代は」とか「グローバルな視点で」とかなんの根拠もない「どう、俺たちって先駆者だろ?」みたいなことで取り入れたんだろうけどさ。
馬鹿じゃないかね。
営業マンがスニーカー履いて取引先に行けるのか?デニム履いて飛び込みで企業に行ったら、受付で門前払い食らうわ。
スーツはビジネスマンのユニフォームだろうよ。

えっ?「コーディネートを考える機会を増やすことで、柔軟な発想力や新たなビジネスアイデアの創造へとつなげたい」だってさ。
それは学生時代やプライベートの時にすることだろうよ。

伊藤忠商事は会社訪問時や入社試験の面接時にデニムとスニーカーできた学生でも歓迎してくれるのだろうか?
もし言ってることが本気なのなら、有名国公立や私大からの応募者ではなく、服飾専門学校とかからとりゃいいじゃん。それとか高校時代に「俺は制服なんて着ないぜ」と言って多様なやつとかね。そのうちロン毛でもドレッドでも鼻ピアスでも超ミニでもOKってね。まぁ東南アジアとか南米とかの取引先に送り込むつもりならそれもいいかもね。

確かに日本のサラリーマン、ビジネスマン(この言い方って男女平等主義者はどうなの?)はどいつもこいつもダークな色のスーツを着て白シャツでなので、海外の人から見たら「日本ではしょっちゅう葬式があるのかと思った」と言われるくらいだ。
それはスーツの選び方・着こなし、ネクタイとシャツなどのコーディネートの問題であって、決してスーツがダメだとかの話ではない。

以前にも何度か書いたが、麻生太郎副総理のファッションは見事だ。スーツもそうだが、帽子やコートなどもかなりお洒落だしセンスもいい、見事に着こなされてる。
その麻生太郎氏のスーツが仕立てで35万くらいするとかいうのが一時期話題になったが、それって標準でしょ?この記事を書いて「こんな時期(福田事務次官のセクハラ問題)に服を仕立てるなんて」って書いた記者の方がバカ。安月給なのか服に無頓着なのかは知らないが普段どんな服着てるんだろう。ユニ●ロとか青●?。それに便乗してテレビでアホなコメントした和田アキ子は、今ならともかく以前は既製服で合う服などないはずで、ステージ衣装を始め服は全部仕立ててるはずなんだけどなぁ。

一国の副総理で財務省大臣の(総理大臣もした)人が、そこらへんの吊るしのスーツなど着て世界のエグゼクティブと会えるわけないだろう。
海外の政治家・エグゼクティブ・セレブは服装や着こなしでその人を判断する。どこのテーラーで仕立てたのか、生地や仕立てはどうだ、シャツやネクタイ、カフス・チーフ、靴に至るまでセレクトとコーディナートをチェックして判断する。
あのお洒落で有名だった中田英寿だが、実はセレブ達の間ではそれほど評価が高くなかった。アスリートは筋肉が一般人よりあるし、サッカー選手はなんたって太ももが太いからよほどのいい仕立てでない限りダメだ。それでも彼はモード服は評価高かったのだが、クラシック(タキシードとかブラックスーツね)が評価低かった。
これは老舗のテーラー・サルトで作ったかってことで、そこに出入りができてるかどうかが人物評価になるからだ。ベッカムと彼との差はそこにあったのだ。

人は見た目が100%。
着てるもの、立ち振る舞い、行動と言動で一瞬で判断される。

「見た目でなく私自身で判断してほしい」とか言っても無駄だ。人は見た目で判断する。
その証拠にあるスノーボーダーが冬季オリンピックの際、公式ではない飛行機降りたところでのインタビューでジャケットの前を止めず、シャツを出し、腰パンだっただけで散々批判されたではないか。アスリートなんて競技の結果が良ければ普段のファッションなんてどうでもいいことではないのか?でも許さなかったよね。
関取が浴衣や着物を着て歩いてなかったって怒られてなかったか?

「自分らしく生きたいから無理はしたくないの」
それはいいだろう。自分の人生、人の生き方だからな。体を締め付けないデザインのざっくり洗えるナチュラルな素材の服でランランランってのもね。普段プライベートならそれもいいよね。好きな服着りゃいいよ。でも仕事の時は?個人事業ならともかく、組織ではダメだ。

校則で制服を着ろと強制するのはおかしいとかいうバカもいる。
組織っていうのはユニフォームを着るもんだ。それが連体感を生み、組織の一員としての自覚を生む。警察官や自衛隊隊員、消防士が制服を着ないとか、ラフに着こなしたいなんてやっててたらどうする?それでもOKか?野球やサッカーなどチームプレーのスポーツでユニフォーム着てるのは何故だ?

TOKIOの謝罪会見、関ジャニ∞の渋谷脱退会見、SMAPの時もそうだったけど、俳優や芸能人でさえ会見する時になぜスーツを着てるのかわかってるのかな?
それが企業ならなおさらだろ?
ビジネスは戦場だろ?その戦場にラフな服で挑めというのは、ちょっと無茶じゃないか?

その企業がそのポリシーでやるのはいい。ご機嫌取りかなんのチャレンジ精神かわからないがな、俺は株主でもクライアントでもないからな。
でもそれで社員が同業者、取引先、受注先、卸先、クライアントに会えるのか。仕事の成果は上がるのか?信用は得られるのか?そして消費者など顧客がそれで許してくれるのかな。

こんなことを提案した伊藤忠の重役どもは自分が行った病院の医者や看護師が「今日はNO白衣デーなんです」と言ってもラフな格好しててもOKなのかね。
そういや政治家もNoネクタイとか、クールビズ推進とか馬鹿なことやってたが、それでなんの成果が上がったんだい?無理やり地球温暖化とかと結びつけたりしてたが、それでCo2は削減されたのか?

そうやってラフな格好させていけばいくほど、会社や仕事に対してのモラルやルールやセオリーが崩れていくことを伊藤忠商事の会長や社長はわかってるのかな。
スーツを着ないでラフな格好で会社に出社するのは、侍が町人と同じ格好をして城に登城するようなもんだぞ。
他社との打ち合わせにデニムやスニーカーでいくってのは、他藩との打ち合わせに羽織や袴を履かずに行くようなもんだ。

ちょっとずれてないか?
IT企業やベンチャーならまだわかるのよ。
自由な服装、自由な出社退社時間。自分の席さえ決まってなくて、どのスペース使ってもいいし、オープンスペースで交流してディスカッションしてアイデアやプランをどんどん出していく。
そんなことが老舗の商社ができるとは到底思えん。企画一つに上司のハンコが何個も必要で、企画書とプレゼンと稟議書が何をするにも必要な会社ができるわけがない。

雇用は年功序列を止めて2年契約制、報酬は年報や成果配分の歩合制、自由出社、フレックス、ノマドOK。できるのか?
さぁ個人よりチーム力、ネジから石油まで扱い、ありとあらゆる業種に入り込んだコングリマリッドな総合商社で自由な服装、やれるのかな。
無理だろうなぁ。
何でもかんでも形だけ西洋かぶれにしてどうしたいんだろう。



1 Comments

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凄く説得力があるのと同感しました (アバン)
2018-10-04 07:43:58
人は見かけで判断、これは間違いないかと思います。ビジネスは戦場、夢中で記事を見ちゃいました!!
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