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GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

吉田羊 生きるとか死ぬとか父親とか

2021-04-11 19:34:04 | MUSIC/TV/MOVIE

吉田羊さんの新ドラマが始まった。

「生きるとか 死ぬとか 父親とか」。このドラマが面白い。

 

“独身のカリスマ”と呼ばれる(誰がそう呼んでるのかは不明だが)ジェーン・スーが、家族との思い出を綴ったエッセイの実写ドラマ化。

主演の吉田羊が演じるのは、40代半ばのエッセイ書いたりラジオのパーソナリティをしている女性。

生涯未婚で生きる人が増えている昨今、どういう風に暮らしていくのか、この先どうなるのかの不安を胸に秘めつつ、強がって生きてる女性もいるだろう。もちろん満喫してる人もいるし、老後の心配や両親の介護など現実にぶち当たってる人もいるだろう。そういう人たちに向けてのメッセージを送るドラマ。(だと思うが違うかもしれん)

 

吉田羊は母(富田靖子)を亡くしてて、父親(国村隼)とは別居しているのだが、この父娘との関係が面白い。リアルである。

ファミレスでロイヤルミルクティーを所望する父親のために、他の客に怪訝そうな顔をされながらもドリンクコーナーで技を駆使してロイヤルミルクティーを作るシーンは、なかなか見応えがあった。

またなぜかいきなり新しいマンションに住み替えたいという父親のために家賃援助、さらにはなぜか1年分の家賃前払いの肩がわりまでさせられる。

この二つのシーンで「私なら絶対しないわ」と思った女性と、「わかるわぁ」と思った女性に二分されると思う。男にはちょっと理解できないが、父娘の関係というのは厄介なものかもしれない。まぁ最近は父親とはほとんど口もきかないが、母親とは友達親子ってくらい仲がいい人もいるから、家庭環境や家族の歴史によって違うんだろうけどさ。

 

最近のドラマはこういった40代前後の女性を描くものが増えたね。

最近はテレビの視聴者層が変わってきたせいかな。

以前のテレビ視聴者層は20代から30代前半の女性がターゲット。

バブル時は、それこそ20代後半から30代前半の女性に向けて、都会のお洒落な男女の恋物語が描かれてた。美男美形の男女が、「わぁ!おしゃれ〜」(生活感なし)って部屋に住み、「敷居高そう!」(お値段も高そう)ってところでご飯を食べたり酒を飲み、東京の夜景をバックにライトな恋を楽しむいわゆるトレンディドラマってやつね。

男女金等雇用法が出来て、企業で働く女性はお茶汲み寿退社要員ではなく一般職にもなれるようになったけど、そんな突然変わらんよ。

当時のOLは短大出ていい会社の勤めても、相変わらず結婚までの腰掛けって意識の人は多く、24歳はクリスマスツリーとまで揶揄してた。お局にはなりたくない。寿退社、それが理想。そのためには商社マンとの合コンが命。9時5時で残業しません(接待は別)。

商社マンもそれを承知で合コンセッティングする。スッチーが一番人気で丸の内のOLが二番人気ね。ユーミンやサザン洋楽アーティストのコンサートチケットをゲットし、ブランド品をどれだけプレゼントできるか、おしゃれなフレンチやイタ飯屋にどれだけ連れて行けるかで見定められていた。

 

さてここまで読んで「そうだったなぁ」って思う人は現在40ー50代の人で、「へぇそうだったんだ」って思う人はまだ30代から20代の人だろう。

当時の働く女性の涙ぐましい努力。いい男をゲットするための自分磨きには余念なし。化粧品も服もブランド品を買い、給料カツカツで生活してても水準は落とさず、有給使ってグアムだ!サイパンだ!パリだと海外旅行をする。

そう、お金と体力との戦いだったのよ、OLって。

山口美江さん演じるOLが「シバ漬け食べたい・・・」ってつぶやくCMが、この当時のOLを表している。「24時間働けますか」って、今なら完全ブラックなキャッチコピーの栄養ドリンクCMが流れてた時代の裏側だ。

 

今じゃぁOLもスッチーも短大も死語だけどね。

 

時代は変わり、上昇志向のある女性社員も増えた。会社もそれを求めた。

短大主流だった頃は「四大出?」なんて言われて敬遠されていた。だって会社は、女性新入社員は男性社員の嫁候補くらいにしか考えていなかったもの。20歳の短大卒と22歳の4大卒では若さも扱いも違ってくるからね。

それが今や短大はなくなり、女性社員は四年制大学を出てるのが当たり前。女性だからと冷遇されることもなくなった代わりに女性だからと優遇されることもなくなった。

そのおかげで結婚までの腰掛けでよかった女性は困った。お茶汲みやコピー取りでいい給与もらえて有給取り放題で、玉の輿見つけたら寿退社ってのは求められなくなった。働くなら男と同じような環境で男と同じ仕事をこなさなければいけなくなった。

 

上昇志向の女性にとってはチャンスだ。能力のある女性はやればやっただけ認めてもらえる。男に負けないようにバリバリ働く。残業もこなす。

ポジション(役職)とか、給与とかと引き換えにして、最近コンパも飲み会行ってない。それどころか休みの日はバタンキューで寝てる。

それでも自分磨きはしなければ。エステ、ジム、ヨガ、英会話、美味しいもの食べる・・・。

 

こうなると、会社やコンパで一生食わせてくれる男を見つける必要がない。お金も仕事も充実してしまってるからな。それにチャラい男や上っ面だけの男は見抜ける目を持ってしまった。

俗に言われる永久就職先は必要ないのだと気づいてしまった。

結婚は面倒なだけだ。仕事辞めろとか家庭に入れとか、子供を産めとか育児や家事に専念しろとか。二人が良くても家族とか親戚とかうるさい奴が出てくる。なんでそんなもののために自分の生活や夢を犠牲にしなければいけないのだ?

おかげで結婚しない女性も増えた。

 

結婚できないのではない。仲のいい気の合う男がいないわけでもない。タイミングが悪かったり、機会を逃したのかもしれないが、結婚に魅力を感じない。

結婚した昔の友人は、幸せそうな子もいるし、愚痴ばっかり言ってる人もいる。子供に生活サイクルのほとんどを奪われてる人もいれば、DINKSで二人で満喫してる人もいる。

 

さぁ、女性の理想の生き方ってなんだ。これからの女性はどう生きるべきだ。

誰が決めるわけではない。自分の人生は自分が決めるのだ。

でも、誰かに話を聞いてほしい。そっと背中を押してほしい。間違ってるよと否定してほしい。頑張ってるねと応援してほしい。

頑張って生きてる女性、そんな人をちょっとだけ手助けをする夜のラジオ。吉田羊がパーソナリティを務めるラジオ番組にはそんな悩める女性リスナーからの声が届く。

ってドラマだ。(前フリ長いよ)

悩める女性。ぜひ観てくれ。

 

余談だが、このドラマ内の架空のラジオ番組で、吉田羊の相方(サポート)を務めてる田中みな実。かなり滑舌が良く声のトーンも良い。うまい。

それで「まるで本物のアナウンサーみたい」って思ってしまった。

・・・

よくよく考えたら田中みな実は本物のアナウンサーだ。馬鹿か俺。

最近、タレントとしての田中みな実や、ドラマ「ルパンの娘」で深田恭子演じるLの一族に対抗する女盗賊のイメージが強すぎて、フリーアナウンサーだってことすっかり忘れてしまってた。

「俺の家の話」で、長州力が長瀬智也のラリアットを受けるシーンを見て「わあ!長州力ってプロレスラーっぽい」って言ってるようなもんだな。

反省・・・。